2008-03-13

マネー市場は疑心暗鬼、ドル売り加速で1ドル100円割れ

米国のサブプライム発の信用不安が止まらない。 
 
その信用不安から、ドル離れが加速し、円/ドルの為替レートが、1ドル=100円を割り込み、12年振りの円高、ドル安のゾーンに突入した。 
 
円/ドル為替レートの推移 
 
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この状況を伝えるロイター記事を紹介する。 
 
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「破たん」キーワードに投機筋のドル売り活発化、12年ぶりの100円割れ 
 
[東京13日ロイター] 「大手ヘッジファンドが破たんするらしい」「米国の州に破たん懸念が持ち上がっている」——。13日の外為市場では数多くの「破たん」のうわさを手掛かりに投機筋のドル売りが活発化。ドルは対ユーロで最安値を更新したほか、対円でも12年4カ月ぶりの100円割れとなった。 
 
<同時多発の「破たん」観測でドル急落、株安も円買いを後押し> 
 
12日の海外から13日の東京にかけて、外為市場では多くの「破たん」のうわさが駆け巡った。ニューヨークに本拠を置く債券運用会社、米ドレイク・マネジメントが傘下3ヘッジファンドの清算を検討していることが明らかになったことを引き金に、欧州系大手金融機関傘下のヘッジファンドや米系金融機関、米国の複数の州など数多くの「破たん」のうわさが出回った。うわさは「根拠がよく分からないものまで含まれていた」(外銀)が、市場の疑心暗鬼がくすぶる中、外為市場ではそうしたうわさを口実に投機筋のドル売りが一気に強まった。 
 
(13日の)日中にドルが急落した際も、米プライベートエクイティのカーライル・グループ傘下のカーライル・キャピタルが債権者との協議で合意に至らなかったことが売りの一因となったが、このときも市場では「報道が流れる前からうわさが流れていた」(邦銀の外為ディーラー)という。大手金融機関や米景気への不信感がドルのセンチメントを悪化させる地合いが続いている。

 
解説:カーライル・グループは、世界で最大級の投資会社。55のファンド(基金)を運用し、運用総額は8兆円弱という規模である。 

カーライル・グループは、世界最大級のプライベート・エクイティ投資会社です。4つの投資分野「バイアウト」「リアルエステート」「グロース・キャピタル」「レバレッジド・ファイナンス」で55のファンドを運営し、その運用額は総額で約756億ドルにのぼります。グローバルな視野とローカルな洞察力を併せ持つ900名以上のスタッフが、北米・欧州・アジアを中心とする21カ国で投資活動を展開しています。

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このカーライル・グループが、2007年7月のオランダ・アムステルダム証券取引所に上場したのが、カーライル・キャピタル(carlyle capital)である。しかし、カーライル・キャピタルは、1年足らずで破綻に直面した。 
 
カーライル・キャピタルの株価 
 
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カーライル・キャピタルの破綻の状況は以下の通り。 

ここで、直近勃発したヘッジファンド破たんの例を検証してみよう。まず、カーライル キャピタル。昨年7月に設定されたばかり。なんと自己資本の30倍もの資金を借入れ、2兆2千億円相当のトリプルA住宅ローン債券を購入していた。これらは、米国二大住宅金融公社のファニーメイとフレディーマックが暗黙の了解で保証していたようなカタチになっている。ところが、ファニーメイの住宅ローン債券の利回りは、今や米国債に対して22年ぶりの相対的低水準に沈んだ。カーライルキャピタルは、銀行団からのマージンコール(追加証拠金積み増し)に答えられず、デフォルト(債務不履行宣言)を受けるに至る。

引用先:ヘッジファンドのヘアカット危機 
 
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  投稿者 leonrosa | 2008-03-13 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨15 Comments »