2009-03-30

■アメリカ金融史(番外編)〜南北戦争はアメリカ型戦争の原型〜

アメリカ南北戦争の背景には、 ■アメリカ金融史6 南北戦争が起きたのは、何で? で紹介したように、私権拡大を狙う金貸しの謀略が見え隠れします。
南北戦争は、アメリカ史上最も多くの自国民犠牲者を出した戦争です。第二次大戦の死者が40万人余りなのに対し、南北戦争では62万人以上が死んでいます。
1860年当時の人口は3100万(そのうち奴隷400万)ですから、死亡率の高さは異
常であり、常軌を逸した凄惨極まりない内戦だったことがわかります。
この南北戦争にはもうひとつ興味深い視点があります。
まず、奴隷解放の父として英雄視されるリンカーン大統領ですが、文官でありながら積極的に軍部を指揮した稀有な政治家でもありました。そしてリンカーン以後のアメリカは世界で最も好戦的な国家となっていくのです。

画像は「超空洞からの贈り物」さんから拝借しました。
☆アメリカの大義
アメリカの大統領は、戦争を行う時
「これは自由と民主主義のための正義の戦争である」
と必ず主張します。
南北戦争を指導したリンカーン大統領以来の伝統です。正義の戦争は必ず勝利する、いやどんな犠牲をはらっても勝利しなければならない、という信念は南北戦争に勝利したリンカーンの成功物語に裏付けられてきました。したがって国民の大多数は大統領の戦争を支持します。それはアメリカのDNAといっていいくらいにアメリカ人の頭の中に叩き込まれているようです。
そして次のような檄文で敵を措定し、自らが正義であるとして世論を味方につけるのもリンカーンが最初のようです。

「あらゆる平和手段を尽くしても応じず、叛徒(南部連合)はついに武力によって連邦を攻撃してきた。いまや連邦は急激な瓦解の危機にある。いま問われている争点はアメリカ合衆国の運命にとどまらない。全人類にとって、立憲共和国、もしくは民主主義、すなわち人民の人民による政治が、敵の攻撃に対抗してこの領土に保持できるか否か、が問われているのである。この地上から自由な政府を根絶させてはならないのだ。そのために残された唯一の道は、武力によって対抗する選択しかなくなった」

1861年7月4日特別議会「戦争教書」
他にもいくつかの点で、南北戦争で見せた戦争のスタイルが20世紀のアメリカに脈々と受け継がれて、アメリカは世界の各地で戦争を繰り返していきます。
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  投稿者 finalcut | 2009-03-30 | Posted in 08.金融資本家の戦略6 Comments »