2019-06-05
国際情勢の大変動を見抜く!-15~正邪が逆転した世界~
グローバリズムを生んだ思想は新自由主義。それはシカゴ大学で生まれた。それを広めた理論的指導者の一人がロシア生まれのユダヤ系アメリカ人:アイン・ランド。彼女のパトロンがフィリップ・ロスチャイルドであることは有名。ガチガチの金貸し支配の構図。
「利己主義(エゴイズム)こそ人間の最大の権利である」と主張する彼女が政治にも関与していく。
ランドの利己主義至上主義は特定の能力に優れた強者の論理でもある。
彼女のいう強者とは「野蛮な武力や詐欺のような手段を使って、生産する人間から生産物をかすめ取ったり強奪したり、生産する人間をだましたりすることによって生き延びようとする」略奪者のこと。
筆者はこの思想を詭弁であると断言し、それが生み出す現象を「正邪が逆転した世界」という。
確かに、まったくもっておかしな思想。こんな思想が世界を動かしていく。故に世界経済は完全におかしくなった。
彼女を師と仰いで崇拝したのが、アラン・グリーンスパン元FRBの議長。ランドの力でFRBの議長になったとされ、18年に亘ってFRB議長を務めた。リーマンショックの原因を作ったと言われる。
独自の価値観に基づいて世界経済を動かしたグリーンスパンの哲学がランドに負っている事実に、私たちはもっと注目する必要がある。としている。
『世界を操る支配者の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。
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■新自由主義は利他主義を排撃する
(前略)
経済学者や経済評論家など経済の専門家と称する人たちが書いた書籍やメディアでの解説では、いま市場で何が起こっているのか、その真相を私たち一般国民が理解することはまず不可能なのです。
私が本書で強調したいことは、新自由主義という思想が持つ意味なのです。現実の経済は経済学の理論によって動いているのではなく、経済理論の背景にある政治思想や世界観、人間哲学に影響されていると言えるからです。したがって本書では、グローバリズムの経済的分析ではなく、グローバリズムを生んだ思想に着目します。