2019-12-10

国際情勢の大変動を見抜く!-42~金貸しの逆鱗に触れたヒトラー~

ヒトラー

表題のようにヒトラーは、金貸しの資金援助を受けて政権をとったが、金貸しが最も恐れる政策をとって金貸しの逆鱗に触れ、第二次世界大戦に巻き込まれていった。

 

その政策が、バーター貿易と中央銀行の国有化だった。

ハイパー・インフレーションによって疲弊した経済を立て直すために行ったのがバーター貿易だった。これは互いの国家に必要な物資を交換することで双方が債務を負うことなく行える貿易、つまり、国際銀行家が発行する通貨を使用しない貿易だ。

 

中央銀行の国有化と合せて、ドイツヒトラーは国際銀行家から借金をしないことを決意した。それによって、短期間のうちにドイツをヨーロッパでもっとも豊かな国に躍進させ、ヒトラーはドイツ国民の絶大な支持を集めた。

 

この政策は、国際金融勢力が営々として築き上げてきた「負債によって機能する金融制度」への挑戦を意味するもの。だからこそヒトラーは、その誕生に力を貸したはずの国際金融勢力から目の敵にされるようになった。

 

同様に中央銀行の国有化に踏み切ったリンカーンは、金貸しによって暗殺されてしまう。

 

今また金貸しの傀儡政権となったドイツは莫大な借金を抱えている。ヒトラーのように果敢に金貸しに挑戦する指導者が現れなければ、ドイツ発の世界金融崩壊を止めることはできない。

 

『知ってはいけない現代史の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。

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■1941年 独ソ戦開始

◇通説   :ドイツが独ソ不可侵条約を破って奇襲をかけた。

◇歴史の真相:ヒトラーは戦争をけしかけた勢力に踊らされていた

 

●ちぐはぐだったヒトラーの作戦

日本の真珠湾攻撃の半年前、1941年6月の独ソ戦は、第二次世界大戦の重要なターニングポイントとなる出来事でした。ナチスドイツは1939年に独ソ不可侵条約を結んでいます。ヒトラーはポーランド侵攻を視野に入れていましたから、イギリス・フランスと戦争状態に入ることを前提に、地理的にその背後に控えているソ連を敵には回したくなかったからだとされています。

 

しかし、情勢からみてソ連とドイツが戦争状態になるのは時間の問題だと見られていました。1941年6月、ナチスドイツはバルバロッサ作戦の名の下、ソ連に奇襲を掛けます。英仏はソ連を支持しました。当時はまだドイツにも日本にも宣戦布告しておらず中立の立場にいたアメリカはソ連に対して武器貸与法を適用し、事実上ソ連と同盟関係となります。教科書的な正統派の歴史観では、ここにおいて第二次世界大戦が明らかに「ファシズム対反ファシズム」の戦いとなったとされています。

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