2022-07-15

輸出還付金制度の歴史 輸出企業のためにつくられた消費税

前回、消費税が上がると輸出を行う大企業が儲かる仕組みを明らかにし、その正体は輸出還付金であることがわかってきた。今回はその還付金の歴史を探る。そもそもなぜ、このような制度ができたのか。日本の消費税にはなぜ輸出還付金という制度が内臓されているのか。

01.消費税と輸出還付金
欧州で付加価値税が普及した背景に、輸出企業への補助金としての役割が最初から期待されてのことだった様子が、歴史的経緯からうかがえる。「消費税は国民からまんべんなく徴収できる、安定した財源となる税制だからこそ採用されてきた」という既成概念を持つ日本人は、輸出還付金のための税制であると指摘されても、即座に納得はしないだろう。輸出還付金が輸出企業への多大なるメリットらしい、ということがわかっても、それだけでは消費税が輸出企業への還付金目的のものであるとする証拠とはならない。数十年前のアメリカの公文書や議会報告書によれば、アメリカと欧州の間で、「輸出」をめぐる熾烈な攻防が繰り広げられていたことがわかった。
その内実を見れば、消費税の正体が輸出企業への還付金目的であることが明らかになるのではないだろうか。

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  投稿者 itou-t | 2022-07-15 | Posted in 06.現物市場の舞台裏No Comments »