2009-09-30

9/23なんでや劇場レポート1〜人類社会の最基底部に位置する性・婚姻制度〜

【第107回なんでや劇場】意識潮流(過去〜現在〜未来)のレポートを3回にわたってお届けします。
今回のなんでや劇場では、人類史を遡った外圧状況と収束軸から、普遍的な歴史構造認識を導き出し、それを土台にして今後の意識潮流がどう変化していくか?を扱いました。
尚、当日は「るいネット」に投稿された意識潮流1〜9のレジュメを一つずつ扱いながら議論を進めています。
それに沿う形で劇場レポートもレジュメごとに出た論点を中心に纏めていきます。
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※写真はStarlight/旅行記を写真と文章で綴るブログさんからお借りしました。
まず初めに歴史構造を押さえる上で、人類社会の最基底部に位置する「性・婚姻制度」について議論された内容を中心に纏めていきます。
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◇潮流1:共認原理と私権原理
◇潮流2:戦後日本の意識潮流
Q 戦後、50年代・60年代の理由なき反抗、怒れる若者たちなど、序列規範が一気に解体されていく現象が見られたが、この原動力になっていたものは何か?
A 「自由な性」が原動力。「自由な性」が規範を解体していった。
当時は農村から都市への大移動が起こっていた 。若者達はアメリカ映画などに大きな影響を受け、都市への憧れを強めるとともに、邪魔となる農村規範への反発を強めていった(怒れる若者達)。
都市へ移動する目的は私権の獲得、その中心にあったのが「自由な性」。農村規範では婚姻制度が集団規範になっており、若者達にとっては足かせ以外の何物でもなかった。
この自由な性は今でこそ「常識」になっているが、歴史を遡ると、人類史500万年の歴史の内、日本ではまだ100年程度(世界的には200年程度)の歴史である。
では、それ以前の性のあり方はどのようなものだったのか?
歴史事実を遡って追求していく。
まず人類の祖先であるサルから遡って歴史事実を押さえて行く。
サル社会は、序列トップのオスとメス達が結ぶボス集中婚であり、人類も同じように、過酷な自然外圧を前にして洞窟に住むしかなかった時代は、「ボス集中婚」を取っていた。
そして1万年前、弓矢の発明によって外敵と互角以上に闘えるようになると、洞窟にいた頃と比べて大きく自然外圧を克服する。人類は外圧が低下すると解脱収束(中心は性充足)を強めていく。男達の性充足欠乏が高まり、今までのボス集中婚では集団が統合できなくなるため、婚姻規範から集団婚規範へと移行する。この集団婚とは各々の集団の男同士・女同士が婚姻関係を結ぶ形で、そこで生まれた子は誰が父親・母親という関係に縛られず、「みんなの子」として育てられた。日本では文献を辿っていくと「妹背」という言葉が使われている奈良・平安時代まで続いていたことが分かる。

妹背〜大辞泉より〜
1.夫婦の仲
2.兄と妹。姉と弟

その後、封建時代では婚姻関係は家父長が決定権を握っており、戦後間もない頃まで、日本の地方では「夜這い婚」という集団婚が残っていた。
ここまで歴史事実を整理すると、ボス集中婚→集団婚→家父権に見る婚姻関係の普遍構造は「集団規範によって成立していた」ということが分かる。つまり、性の選択が「個人の自由」になったのはつい最近の話しでしかないのだ。
但し、近代以前で性の自由選択が行われていた場も見られる。それが豊かさを極めた王族貴族で構成された宮廷サロン(日本であれば源氏物語)。彼らは戦争略奪によって財や土地を集積し、外圧が一気に低下していたため、必然的に解脱収束(性充足)に埋没していくことになる。宮廷サロンで行われていたことは、ずばり規範破りの性(不倫関係)であった。
※しかし、あくまで一部であり、大部分の大衆は婚姻規範が守られていた。
Q 現在は豊かさを実現して外圧が低下しているはず。人類の普遍構造として、外圧が低下すればもっと性充足に向かってもいいはずだがセックスレスという現象が起こる。なぜか?
A-1 恋愛の自由という価値観念がセックスレスの元凶である。
人類の性欲が起こる構造について考えてみる。
人類の意識構造は大きく3層構造で、本能を下敷きにして共認機能・観念機能を塗り重ねて外圧を突破してきた生物である。重要な点は、人類の性欲は決して本能だけを頼りにしているのではないこと。
動物は後背位、人類は正常位でセックスするが、これには理由がある。人類は相手の目を見て、完全に同化して共認充足を得ることが主流。つまり、本能に加えて共認回路・観念回路を媒介にして性欲が起こっていることがわかる。
しかし、私権時代の自由な性は自我・独占欲の性(少しでもいい男・女を自分のモノにする)そのものであり、それを小説やバラ色の恋愛観念で美化することで性欲を生起させてきた。
現代は、心底では私権が衰弱して自我独占の性には何の可能性も感じられなくなっているが、恋愛や一対婚規範などの自我独占を正当化した観念や制度が残り続けて、人類本来の性充足(共認充足の高め合い)に蓋をしている状況である。裏を返せば、自由な性(恋愛の自由)に捉われていては、セックスレスは絶対に解消しないということができる。
A-2 若者達は社会不全を外圧として捉えて、まず課題に向かっているためにセックスレスに見える。
一方で今の若者男性を巡って「草食化」などと喧伝されているが、彼らの実感発言からは、「集団(女達)の期待に応えることができるように仕事に向かう」などといった声も聞かれるように、女達の充足性を羅針盤にしながら、課題の中で充足可能性を感じる男が出始めている。
つまり、一見女捨象に向かっているように見える現象も、自我独占の性からの脱却過程と捉えれば大きな可能性が見えてくる。
経済破綻が間近に迫って日増しに外圧が高まる中で、男達は認識力を磨きながら、女共認からの期待に応える過程で自信を回復していく。女共認を受けて生まれる実現方針は必然的に共同体の構築に向かうだろう。そこから本源の性(男女の共認充足の高めあい)が再生されていく。
潮流3:‘70年、豊かさの実現と充足志向
Q 商品市場縮小の原因は何か?
A 性市場の衰弱が根本原因
「市場」の起源を遡ると、宮廷サロン=不倫市場にその源流を求めることが出来る。
自我独占の性では、もともと性欲の強い男は需要側に回り、女には「性的商品価値」が発生=供給側。そこでは男性は、宝石や毛皮など女の気を惹くために商人から取り寄せては交易が盛んになっていった。
近代以降も構造は同じ。都市全体が性市場と化し、相手の気を惹くために車や服が売れ、商品市場を拡大させていく。
現代の商品市場は悉く衰弱していっているが、根本には性市場の衰弱がある。つまり、商品市場は今後どうなる?と考えれば、性の再生抜きには考えられないのである。
「性」の問題は人類社会の最基底部に位置するため、転換は容易ではないが、その性の再生の鍵は女達の充足可能性収束なのである。
———-
レポート②につづく

List    投稿者 wabisawa | 2009-09-30 | Posted in 未分類 | 5 Comments » 

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コメント5件

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