2009-09-03

食料自立・日本どうする! 2.価格高騰と米騒動を繰り返した日本の主食、米市場

「食料自立・日本どうする」第1回は、日本人の食を充たしてきた五穀について考えてきました。第2回は、五穀の中から主流となったお米とその取引市場(価格動向)について考えてみます。 
 
地租改正で、年貢米(物納)から税金(金納=土地税・農地税をお金で払う)に切り替わった明治・大正時代の話です。 
 
1.地租改正を契機として、米の取引市場、流通市場が必須となる 
 
1873年(明治6年)、近代化を急ぐ日本政府は、安定した税収の確保を目的に、江戸時代から続いてきた年貢米(物納)制度を廃止、土地(農地)の価値に見合った金銭を所有者に納めさせる全国統一の課税制度に改めました。これを地租改正といいます。
地租改正により、地主や農家は税金をお金で納めなければならなくなりました。当然ながら、収穫したお米を産地商人に売り渡し、その代金から税金を納める事になりました。 
 
一方、都市・消費地では、産地商人→卸売り→小売→消費者という流通市場を作り上げる事が本格的に必要となりました。
そして、消費地の卸売り市場で、その時々のお米価格が形成されて行きました。卸売り市場価格を別名、米相場とも呼びます。 
卸売り市場には、現物を取引きする正米(ショウマイ)市場と先物取引をする定期市場が出来上がります。定期市場とは、産地商人が買付・輸送期間を見越して、例えば1ヵ月後に売り渡すお米に対して値付けする市場です。 
 
東京では、遠国米(東北等から船で運ばれるお米)が集まる、深川佐賀町に正米取引所ができます。また、日本橋蠣殻町に米穀商品取引所(定期市場)が成立しています。この二つの取引所で東京の米価格が決まっていました。 
 
写真は深川正米取引所(昭和2年建替え)と、蠣殻町米穀商品取引所の様子です。 
 
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  投稿者 hassii | 2009-09-03 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?No Comments »