2006-11-04

EUと北米、アジア連合の経済力比較

EU(欧州連合)は25の国家の連合体である。その基礎数値を理解するには単独の国と比較するのでは不十分であろう。
比較するとすれば、経済的に密接な関係にある経済圏と比較してみたい。
以下はEU、北米経済圏、東アジア(アジア連合)の比較である。
(EUは25カ国、北米は米+加の2カ国、アジア連合はASEAN+日・中・韓の13カ国を表す。各データーはEUが2005年、北米が2004年、アジア連合が2005年値。データーの出典は外務省主要経済指標により為替レートは1ユーロ=1.3ドル=149.9円で計算。)
・総人口はEUが4.59億人、北米が3.11億人、アジア連合が20.38億人(中国の13.15億人含む)
・GDPはEUが14兆1000億ドル、北米が13兆1030億ドル、アジア連合8兆3100億ドル。
・一人当たりのGDPはEUが30,550ドル、北米が38,000ドル、アジア連合が4,070ドル。
・GDP成長率はEU1.6%、北米が4.1%、アジア連合が4.6%。
・物価上昇率はEUが2.2%、北米が2.6%、アジア連合は日本は-0.3%、韓国が2.7%。
・失業率はEUが8.7%、北米が5.7%、アジア連合が3.6%。
・貿易総額の輸出はEUが1,009億ドル、北米が9,000億ドル、アジア連合は日本が5,713億ドル、中国が7,620億ドル。輸入はEUが1,103億ドル、北米が16,160億ドル、アジア連合が日本は4,950億ドル、中国が6,601億ドル。
上記の生データーから判断できることは、EUや北米の先進諸国連合と中進国アアン連合では一人当たりGDPが≒1/10と現時点では大差がついていることが分かる。
しかし、GDPの総額ではEUや北米に対してアジア連合は≒2/3にまで迫っており、アジア連合の潜在的成長力(成長率は4.6%)を見越せば近い将来には総額では追い越し、一人当たりGDPでも近づくことは容易に予測可能である。
また、アジア連合の失業率の低さ(対EU比≒40%)も潜在的成長率の高さを裏付けるデーターであるということもできる。

  投稿者 aruih | 2006-11-04 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨3 Comments » 

海外の生産活動の拠点とアジア地域の分業構造の変化

平成16年の日本商工会議所のデータから、日本資本による海外の生産活動の拠点数(製造事業所数)を調べてみると、
1985年以降急激な増加傾向にあり、特に対中国進出の日系企業の約90%は、生産・製造活動を目的としている。その詳細をみると
①海外生産の原材料調達先比率は、日本・中国がそれぞれ35%程度、その他アジアが20%、他9%
②機械設備調達先比率は、日本が66%、中国23%、その他アジアが9%、他4%となっており、原材料は65%が、日本以外の地域からの調達であるのに対して、機械設備の約70%が日本からの調達であり、日本企業の海外生産に伴って、多くの機械設備が日本から輸出されている。

(さらに…)

  投稿者 orisay | 2006-11-04 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?7 Comments »