2007-11-04

日本銀行の株主について

『このブログ応援団!』さんから質問がありましたので、日本銀行の株主について、簡単にエントリーします。

日本銀行の株主構成は、日本政府55%、日本政府以外45%です。

日本銀行の資本金(出資金)は1億円と日本銀行法により定められている。そのうち55,045千円(平成17年3月末現在)は政府出資であり、残りは政府以外の出資です。日本銀行法では、「日本銀行の資本金のうち政府からの出資の額は、五千五百万円を下回ってはならない。」と定めている。

ウイキペディアによると、平成17年3月末日時点における政府以外の出資者(株主)の内訳は、個人39.2%、金融機関2.7%、公共団体等0.3%、証券会社0.1%、その他法人2.7%となっている。

日本銀行は、決算報告を公開していますが、その決算報告には株主(出資者)の項はなく、上記サイトの数字がどこから出てきたのか不明です。

日銀内部者の書き込みかもしれません。内部書き込みの場合でも、内部情報リークという見方もあれば、モルガン・チェース、シティが40%も保有しているとのニュースが流れているので、日銀広報としての書き込みかも知れませんね。

平成19年3月末の株主構成が、平成18年度業務概況書の参考頁にありました。

それによると、政府出資額、55,005千円(55.0%)、個人39,373千円(39.4%)、金融機関2,547千円(2.5%)、公共団体等321千円(0.3%)、証券会社121千円(0.1%)、その他法人2,630千円(2.6%)です。

但し、この個人39.4%が誰なのかは、一切公開されていない。

日本銀行は、ジャスダックスに上場。民間保有の株式が売買されています。ジャスダックスの証券コードは8301。11月2日の株価は174,000円(額面は100円)。結構売買の値動きがあります。
なお、正確には株式ではなく『出資証金』で、1口100円の証券です。

日本銀行の株価推移
Chart21.gif

日本銀行の出資者(出資証券の保有者)に対しては、経営参加権が認められていないほか、残余財産の分配請求権も払込資本金額等の範囲内に限定されている。また、剰余金の出資者への配当は払込出資金額(額面額)に対して年5%以内に制限されてる。

出資者(政府を含む)に議決権がないので、一般の株式会社とは違い、組織の最高意思決定を行なう「株主総会」はありません。

平成18年度の決算では、7,805億円の利益(余剰金)がでていますが、株主への配当金は500万円、国庫納付金が7,414億円です。

リンク

日本銀行の株式を取得しても、配当金は極小の上、議決権を持ちませんので、売買差額を狙った取得が行なわれています。また、お宝株式として保有している人がいるかも知れません。

ジャスダック上場されており、株式売買されているので、株式会社のように見えますが、全く違う組織原理です。

現在の日銀法を改正しないと、株を買い占めることでは、発言権を確保できません。

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  投稿者 leonrosa | 2007-11-04 | Posted in 04.狙われる国の資産3 Comments »