2007-11-29

サブプライムでだれが儲けたのか?

8月以来、欧米金融会社が、次から次へと損失発表している。

損をする会社があれば、「得をした者が何処にいるはず、それは誰か?」という質問を貰っていました。

今回の事態は、バブルの崩壊です。

崩壊過程は、一部には儲ける人もいますが、大半は損失となります。(保有資産の簿価が急落する。)

実は、住宅バブルの上昇過程で、米国金融会社は巨額の利益を享受しています。そして、株主に多額の配当が支払われています。

以下、住宅バブル形成期の純利益と配当額です。(比較の為に、日本の2グループ・連結決算をのせておきます。)

●米国メガバンクの純利益推移

    03年純利益  04年純利益  05年純利益  06年純利益
バンク・オブ・アメリカ  1兆1675億円  1兆5274億円  1兆7782億円  2兆2824億円
シティグループ  1兆8410億円  1兆9281億円  2兆6556億円  2兆3261億円
JPモルガン・チェース    7257億円    4823億円    9162億円  1兆5600億円
三菱UFJグループ   —   —    7707億円    8809億円
三井住友グループ    3304億円   △2342億円    6868億円    4414億円

米国のメガバンクは、住宅バブルを牽引役とする米国の好景気で、一グループで、1兆円、2兆円という巨額の利益を毎年出していました。

●米国メガバンクの配当(株主帰属利益)推移

    03年配当  04年配当  05年配当  06年配当
バンク・オブ・アメリカ    4709億円    7134億円    8363億円  1兆 542億円
シティグループ(推定)    8000億円    8700億円  1兆2000億円  1兆 500億円
JPモルガン・チェース   —   —    5235億円    5251億円
三菱UFJグループ   —   —     586億円    1118億円
三井住友グループ   —  —     443億円     666億円

(注:シティの配当率は、バンカメ並みで推定数字を入れました。)

巨額利益の約45%位が株主利益として配分されています。

会社は株主のモノという原理が貫徹されていますね。

改めて、住宅バブルで儲けている者(いた者)をリストアップすると、以下の様になります。(勿論、メガバンクだけでなく、住宅ローン販売金融会社も含めれます。)

①金融会社の株主 : 上位資産家や年金基金等の機関投資家

②金融会社の経営者 : 在職中の高給と巨額の退職金

③金融会社の上級社員 : ファンドマネージャー層は、業績に応じた巨額の歩合給

利益は、既に配分され尽しています。

バブル崩壊前に、安全圏に逃げ切った者がいるのです。

なるほどの時はリックを!

  投稿者 leonrosa | 2007-11-29 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨3 Comments »