2018-10-20

迫りくる大暴落と戦争刺激経済-3~CTAは超高速で取引を行う狂気のロボット・マシーン~

 

米株式大暴落

2月のアメリカ株式の大暴落は、CTAというロボット・トレイディング・マシーンによる仕業のようだ。これは、株式の取引を自動化し、超高速取引を可能にしているとのこと。

現在NYの株の取引の実に7割は、このCTAが行っているといわれる。2月の大暴落は一分のパニック売りに反応したCTAによるフラッシュ・クラッシュとのこと。これは人為的な操作も可能であるとのこと。この大暴落の背後には、あのジョージ・ソロスがいるらしい。

『迫りくる大暴落と戦争“刺激”経済』(副島隆彦 著)からの紹介です。

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■「ゴルディロックス相場」に変化の兆し

昨年の金融市場を振り返ると、政治的な不透明感が増大した。3つのはっきりした特徴があったことが分かる。1.株価上昇、2.ボラティリティ低下、3.米国債イールドカーブのフラット化だ。

 

これらの傾向のうち今年に入っても続いているのは、1.米国債の値上がり だけで、年初から5%上昇した。ダウ工業30種は2万6000ドル台を突破した。年明け以降の13営業日中10営業日で最高値を更新し続けた。

 

ところが突然のように、2.ボラティリティ・インデックス(VIX)は先週、1ヶ月余りぶりの高水準に達し、3.の米国債のイールドカーブは、スティープ化(掘り下がり)しつつある。

過去30年間、VIXとS&P総合500種は、逆相関関係にあり、これがずっと続いてきた。株価があがれば、VIXは下がる、と。大半の期間で、相関関係はマイナス0.75の強い逆相関が見られた。

 

投資家やトレーダーは、自然とボラティリティ低下に備えたポジションを構築した。2月14日満期で最も取引量が多いVIXのオプションの建玉残高は、行使価格10.0―13.0のコール(買い)が41万1283枚で、プット(売り)の81万1738枚よりもずっと少ない。

 

これは全く正常な状態だ。なぜなら最高の行使価格は「アウト・オブ・マネー」で、投資家にボラティリティ拡大に対する安価な保険を提供しているからだ。

しかし、投資家が、2.ボラティリティ拡大に向けて、はっきりとポジションを組みつつあると分析することもできる。

 

株価は上昇力を持ち、ボラティリティは跳ね上がっている。VIXは、1月17日に13%弱と7週間ぶりの高水準となり、その前日には「S&P総合500種」が過去最高値(7000ぐらい)を更新した。

 

  1. 株価、2.ボラティリティ、3.イールドカーブの関係が分断され、相関性が薄れてきたことから、過去2年間、株やその他資産をずっと押し上げてきた環境を当然視するのを投資家は警戒し始めた。

 

当然投資家は誰もがもうけの機会を逃したくない。過去4年間で株式ファンドに流入した金額は580億ドルと過去最高に上った。年明けの株式市場のこうした状況は「極めて泡立っている」。だがボラティリティの拡大と長期債利回り上昇が続けば、この泡の相当部分があっという間に消えてなくなるだろう。(ロイター、2018年1月23日)

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