2009-02-10

世界経済どうなる?! その9 世界経済どうする?

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20世紀以降、米国はその軍事力・経済力を背景に、ドル基軸通貨体制を敷き、世界を支配してきました。しかしサブプライムローンを発端とした世界金融危機が急速に進行し現在、ドル基軸通貨体制の崩壊は不可避な状況に追い込まれています。
各国政府・中銀では、金融破綻に歯止めをかけるべく、あらゆる手段を講じていますが、決定的な有効打はなく、さらなる世界暴落もいよいよ現実味を帯びてきています。今や米国覇権の終焉は世界共通の認識として拡がっており、世界は多極化に向かい始めています。各国でドル基軸通貨体制に代わるシステム−多極通貨体制−の模索も始まっていますが、そこには追い詰められた「金貸し」たちによる生き残りを賭けた最終戦争、激烈なつぶし合い,様々な画策も行われています。(先進国はすでに成長の限界。多極化したほうが「金貸し」たちが儲けられる。)
一方、欧州各国政府を中心に、金融機関の一部国有化が推し進められている ことは「世界経済どうなる?」を考えていく上で、非常に注目すべき点になるでしょう。
破局回避のためには、無秩序な金融は規制して国家のコントロールを強め、(国家そのものが破綻しない限りは)秩序化の方向に向かっていると考えられます。これはこれまで【金貸し】たちの独壇場であった市場が国家によって管理されるという意味合いを持っています。
しかし、各国の政治家にまで支配力を持つ金貸しは、彼らを巧みにつかって、金貸しが生き延びられるよう画策を練っていることも忘れてはいけません。
振り返れば、1970年に先進国で貧困が消滅してからのここ30数年は、世界中の市場がバブル化(→バクチ経済化、借金経済化)してゆく過程でした。そのバブルの最終形ともいうべき(世界中の市場に組み込まれた)「証券化金融」が大崩壊したのが、現在進行中の世界金融危機だったわけです。
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これは、「信用膨張型or信用捏造型金融システム」 の破綻であり、歴史的に見れば、こうした「ダマシの構造」は、金貸し組合というべき中央銀行システムと、中央銀行紙幣システム(金貸しが大々的に国家に金を貸す=国債システム)の誕生に端を発しています。その意味では、今回の金融破綻は単なるバブル崩壊という次元ではなく、「近代300年の金貸しによる支配システムの終焉」と捉えることが出来るでしょう。
一方、市場社会の中で生きている、僕達の意識はどうでしょうか?
1970年以前は、私権を獲得しなければ生きられなかった時代でしたが、1970年以降貧困が消滅すると、同時に人々を取り巻く生存圧力も消滅し、人々の意識は、私権の獲得には収束しきれなくなっていきます。 私権の獲得という目標に収束することによって統合されてきた企業や学校などの集団や国家は、私権への収束力が急速に衰弱したことによって、統合力を失いガタガタになっていきます。
これは収束先が見出せない「収束不全」に陥っている状況で、現代は、新たな収束先となる出口や、問題を突破できる答えを求める意識が強まっています。 また収束不全は、もう1つ重要な転換を促します。それはみんなが共に認めることが出来る共認原理への転換です。 答えを求めて「みんなは、まわりはどう考えているのだろう?」といった意識が生まれているのです。
換言すれば、自分の私権にのみ拠り所を求めるのではなく、みんなの中に新しい拠り所を求めるという意識の大転換です。さらに今回の金融破綻は、市場経済全体へ深刻な影響をもたらすことは避けられません。先進国ではすでに物的飽和であり(それゆえにバブル化→金融資本主義化した)、今回の金融危機を機に消費意識も一変し始めています。
「儲かるか否か」といった自己中心的な価値観から、国民にとって、社会にとって「必要か否か」という真っ当な意識・判断への転換が始まっています。 現在は、徐々にそのような意識が醸成されつつある。(不正はダメ、お金よりもやりがい、もったいない・・・etc)。 つまり、社会的な豊かさを一早く実現したこの日本こそ、実は金貸し支配を終焉させる可能性を持っているのです。
こういった意識の醸成、事実の共認の延長線上に、今回の金融危機問題に対する最終的な答えがあります。
まずは、現在のような金融市場=バクチ市場に対しては【騙しは許さない】という共認・意識を作り上げていく。そしてムリヤリ市場を拡大させるための仕事ではなく、共認原理に則った形で、人・社会が必要としているところに、新しい仕事を創出していく。 つまり、国家が実体経済に見合った形で仕事を供給していくのです。
その実現のために、実は「国家紙幣の発行」が必要になっていきます。 国債は借金=負債、だから市場拡大を余技なくされますが、国家が紙幣を(硬貨のように)発行すれば、負債にはならなくなります。そして「国家紙幣」により国家が市場を管理することで、金貸したちの生きる場を封鎖することができる。
つまり、それは近代経済システムを作り上げた「金貸し」の終焉を意味します。
「国家紙幣」を、国民が必要としている仕事・事業に助成金の形で投入していけば、今まで市場原理ではペイしなかった仕事(農業・福祉・子育て・・・etc)も成立するようになります。
しかし、この実現のためには未だ「壁」があります。
世界は反米共認へ向かっているのにも拘らず、相変わらずアメリカべったりの日本政府・マスコミ。
本来彼らの役割は、国民に答えを示し、それを発信することだが、彼らはこういった経済問題や数々の社会問題に対し答えどころか、【重要な事実さえ公表・報道しない】。
これでは社会は変わらないし、金融危機も回避できない。
だから、僕達はこのように毎週追求してたどりついた事実をネットに発信しています。
政治家やマスコミに代わって、普通の国民自らが社会のことを考え、自らの生きる場を自分たちで築いてく、そして少しでも良い社会にしていこう、それがなんで屋の活動やるいネット、様々なブログでの発信に繋がっています。
そのためには、まず必要なのは以下の3点です。
1.マスコミに踊らされない事実を見極める認識力が必要
2.様々な社会問題・現象の背後にある構造を捉える力=構造認識の勉強が必要        
3.新しい社会・市場の実現のために、事実を発信していく場への参加・協同が必要

僕達が『自由経済』だと思っていた現在の市場システムは、金融家や特権階級による『搾取経済』に過ぎないことを忘れてはいけません。
実態のない数字が膨張したり破綻したりするたびに、振り回され、一部の人が楽して儲けるために、多くの人が犠牲になるシステム。
「こういう仕組みって、やっぱりおかしい。」
そう思うのが普通なのです。
『市場拡大は絶対』そんな価値観から自由になれば、より健全な仕組みを考えることは、
それほど難しくないのではないでしょうか。

List    投稿者 d0020627 | 2009-02-10 | Posted in 未分類 | 1 Comment » 

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コメント1件

 wholesale bags | 2014.02.10 21:58

金貸しは、国家を相手に金を貸す | 今後のユーロの行方は?〜欧州中央銀行(ECB)は誰が握っているのか?〜

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