2012-10-12

『世界経済の現状分析』【4】米大統領選の分析その2(両候補の支持層の違い)

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前回は、米大統領選の分析その1(両候補の政策の違い)について分析しました。今回は民主党:バラク・オバマ大統領と共和党:ミット・ロムニー候補の支持層の違いについて調査してみたいと思います。
【1】プロローグ
【2】米国経済の現状(ファンダメンタルズ)
【3】米大統領選の分析その1(両候補の政策の違い)

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□共和党と民主党の支持層
○人種別(詳しくはリンク参照)
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画像:リンク

>上記のグラフは大統領選における人種別(白人・黒人・ヒスパニック系)の支持層シェアのグラフです。
共和党のロムニー支持者の91.5%が白人、一方オバマは66.2%が白人に対して、黒人・ヒスパニック系の支持が大きな比重を占めています。
アメリカでは1歳未満の赤ちゃんの人口では、非白人が白人を超え白人が少数派になりました。このままの人口構成では白人支持者に頼る共和党は、ヒスパニック系の支持を確保することが大切です。
しかし、ロムニーは今のところ黒人・ヒスパニック系の支持は9%しかないのが現状です。

○州別(地域)(詳しくはリンク参照)
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画像:リンク

共和党を支持する傾向がある州を赤い州 (red state)民主党を支持する傾向がある州が青い州 (blue state)です。赤い州・青い州(あかいしゅう・あおいしゅう)とは、アメリカ合衆国の州の近年の政党支持傾向を示す概念。
アメリカ大統領選挙の一般投票(大統領選挙人選出選挙)では、州の全ての選挙人議席を、その州で最多得票の候補陣営が総取りする勝者総取り方式を採用する州がほとんどである。そのため選挙報道では各候補に割り当てられた色により、各州を塗りつぶした地図で選挙結果が報じられてきた。しかし、20世紀末までは必ずしも色割り当ては固定されておらず、民主党が勝利した州を赤、共和党が勝利した州を青で示している。
>米民主党の都市部で圧倒的な支持率を誇る(地図の青が08年の民主党支持地域)。都市の思想(リベラル、高学歴、移民支持、寛容性高さ)を郊外・農村部に広げる事で民主党は圧倒的な基盤を確保できる。

○所得別(詳しくはリンク参照)
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>共和党のロムニー候補と民主党のオバマ大統領の政策が富裕層・中流・貧困層のどの社会階層に裨益するかという設問に対する回答が上のグラフです。見れば分かる通り一目瞭然ですが、貧困層はオバマ、富裕層はロムニーを支持し、中流層に関しては同等の支持となっています。

□共和党と民主党の支持層の変化(詳しくはリンク参照)
一昔前は、米民主党はリベラルで労働者階級・移民の支持、共和党は経営者や白人ホワイトカラー層の支持を受けていたと印象を持つ方も多いと思いますが、この10年で米の政党支持基盤は大きくかわりました

・富裕層のリベラル化
>富裕層はかつて、石油や資産相続層が占めていたが、90年以降、東西海岸で金融、テクノロジー、メディアなど「高学歴」リベラル層が多数化。また米のトップ大学もリベラル系。共和党は高学歴リベラル新興富裕層支持を得られないため、内陸部、低学歴、右傾、コンサバクリスチャンに対象を変更。労組の強いミシガンのような中西部州が共和党の票田になるなど、以前は考えられなかった
・米社会の構造的+サイクル的変化の政治への影響
高収入者は民主党より、クリエイティブ階級は民主党より、同性愛者は民主党より、外国生まれは民主党より、高失業率地域では民主党より、不動産価値下落地域では民主党より労働者階級は共和党より、信仰深い人は共和党よりとなっている。
このように民主党は知的労働者層の支持を拡大し、共和党は労働者階級の支持を伸ばしている。
>これまで共和党は「大企業・富裕層に優しい」というイメージがあったが、小さな政府を目指す主張には、市場経済を重視して経済に対する政府の介入を少なくする方向性がある。年金や医療保険など、暮らしを守るセーフティーネットについても、「厳しい歳出削減を主張するのが共和党」という絵柄が定着している。ところが今回の大統領選挙では、こうしたイメージと相容れない発言が共和党陣営から聞こえてくる。背景にあるのは、「労働者階層の党」としての色彩を帯びつつある共和党の実態だ。

〇「白人・労働者」 の支持層が選挙戦を左右する(詳しくはリンク参照)

>近年の米大統領選挙の注目点としては、共和党にとって労働者階層の重要性が増していることです。中でも、白人の労働者階層からの圧倒的な支持が共和党にとって選挙に勝つための必須条件になっている。また、民主党にとっても中流層の支持は手放してはならない存在である。
>共和党が大勝した2010年の議会選挙の場合、下院選挙の出口調査(速報)によれば、白人・大卒未満の投票者の62%が共和党候補に投票している。白人・大卒未満の投票者は全体の4割近くを占めており、それなりに大きな比重がある。この投票者層での圧勝が、共和党の大勝を支えた格好だ。また、オバマ大統領が当選した2008年の大統領選挙でも、白人・大卒未満の投票者に限れば、58%が共和党のジョン・マケイン上院議員を選んでいる。

□2大政党の支持層の変化の背景(詳しくはリンク参照)

>一般的な傾向としては、アメリカの場合も、《北部の産業資本家と南部のプランテーション地主の対立》⇒北部産業資本家の勝利(連邦政府の権限強化=政治の集権化、国内市場統一)⇒《農民など中産階級や労働者、黒人などのグループと産業資本との対立》という流れですが、しかし、現実の歴史はもう少し複雑で、アメリカの場合ここに、簡単には階級関係に還元できそうにないもう一つの対立軸が交錯しています。それは、連邦主Vs.州権主義という対立です。前者は、中央集権主義、後者は分権主義です。もともとも民主党は、州権主義者の党です。南北戦争時には、北部諸州では民主党もリンカーン支持でしたが、奴隷廃止は共和党に拠る連邦主義者の利害をより強く反映していました。反対に、南部のプランテーション地主にとって奴隷制堅持と連邦政府の権限強化反対は矛盾なく一致する要求でした。そして、それを体現するのは、民主党でした
>民主党のこの南北でのねじれが、この問題を解く鍵だと思います。北部の民主党は、共和党との差別化のために移民やカソリック、黒人などのマイノリティに、そして都市の労働者に接近していきます。これはやがて民主党の全国的政策となって行きます
>一方、南部では、農業の経営様式が変化したことにより民主党支持者であったプランテーション地主は、大規模な家族的農業経営者に転化しますが、典型的なWASPである彼らは、民主党のマイノリティ政策になじめず、共和党支持に移っていたのではないでしょうか

□まとめ
2大政党の支持層は、民主党はリベラルで労働者階級・移民の支持、共和党は経営者や白人ホワイトカラー層の支持基盤があったが、この10年で米の政党支持基盤は大きく変化した。今では共和党は中西部、南部の保守派、民主党はアメリカ大西洋側と太平洋側のリベラル派に変わった
そして、「公正な社会」を目標に掲げるオバマに対して、「徹底した自由競争社会」を目標に掲げるロムニーの選挙戦は中流層の白人労働者の支持が選挙戦を左右し、鍵を握っている
次回は、米大統領選の分析その3として大統領選挙の行方についてまとめたいと思います。
お楽しみに・・・

List    投稿者 seya | 2012-10-12 | Posted in 未分類 | No Comments » 

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