2012-08-24

『世界経済の現状分析』 【1】プロローグ

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画像は、こちら(リンク)からお借りしました。
皆さんこんにちは。今回から新シリーズです。これまで、『日本国債暴落の可能性は?』を全15回にわたって追求してきました。(リンク)今後の残課題として、
①暴落に対する円防衛策はあり得るのか?
②暴落してしまったら日本は生き残れるのか?再生は可能なのか?

等が残課題として残りますが、それらを解明するには、以下の追求が必要になっていきます。
・破綻(デフォルト)が先かor金貸しの仕掛けによる暴落が先か?それはいつか?
・金貸し仕掛け説の背後?ドルVSユーロの金融戦争どうなる?
・金貸し規制や国家紙幣等の脱金貸し政策の可能性は?

さて、一方で、上記のような問題を解明するためには国債問題以外の視点でも、現在の世界経済の現状把握と分析を行っていくことが非常に重要なポイントとなっていくものと考えます。
現状では大きな経済ニュースが少なく、奇妙な(不気味な?)沈滞状態が続いているとも言えるので、まずは、主要各国の現状の正しい国民生活の実態に肉薄しながら、その国の経済状況をタイムリーに把握していくところから進めていきたいと思います。
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さて、それではプロローグとして、現在の主要各国の経済状況をざっと見てみましょう。
■米国経済

●米国経済指標(リンク
<GDP・景気・物価・金融・株式>
・GDPは09年はマイナスが目立つが、10年以降はプラスで推移。
・消費者景気信頼感指数は09年の20〜30%台からすると、12年度で60〜70(1985年を100)に回復。
・国債の金利は08年ごろからと比較すると、12年に来て急激に低下傾向。
・FRBによる通貨供給は9兆ドルを超えて10兆ドルに迫る勢い。
<雇用・鉱工業・消費・販売・貿易・原油価格>
・失業率は09年10月が10%とピーク。10年は9%後半、11年は9%前半から8%台、12年は8%前半まで低下。

米国経済は、現在上昇傾向にあるようですが、中間層の失業率。特に不完全失業率は(アメリカの失業率と健康保険の実態(リンク )15%にも上がっています。富裕層と貧困層の経済格差は、年毎に開いてきており、路上(車上)生活者数の増加やカリフォルニア州の自治体破綻等、非常に厳しい状況が報道されています。
■中国経済

●中国経済指標(リンク)(リンク
中国国家統計局が13日発表した2012年第2四半期(4〜6月)の国内総生産(GDP)は物価変動の影響を除いた実質で前年同期比7.6%増と、6期連続で減速し、3年ぶりに8%を割り込んだ。前期比では1.8%増。リーマン・ショックをいち早く克服し、高度成長で世界経済の回復をけん引してきた中国経済の先行きに、不安が高まっている。一方、1〜6月の成長率は7.8%で、政府通年目標の7.5%を上回った。
不動産管理政策(バブル対策)を受けた住宅市場の冷え込み、公共投資の急速な鈍化、欧州債務危機などが内外需の足を引っ張り、景気減速に歯止めがかからない状況だ。

以前の右肩上がりの勢いは、既になく、平成10年以降のGDPは、下がり続けています。
■EU経済

●景気の現状(リンク
ユーロ圏景気は悪化が明確化。6月のユーロ圏PMI指数(総合)は46.0と5ヵ月連続で景況感の分かれ目となる50を下回る。
・4月のドイツ鉱工業生産は前月比▲2.0%と大幅減。景気悪化の続くユーロ圏からの受注の減少が主因。
・南欧諸国を中心に、雇用悪化に歯止めがかからず。5月のユーロ圏失業率は11.1%と過去最悪を更新。
特に若年層(25歳以下)失業率は(リンク
50%以上: スペイン、ギリシャ
30%以上: ポルトガル、アイルランド、イタリア
20%以上: イギリス、フランス
10%以下: ドイツ

にのぼっています。
●景気の見通し
・ユーロ圏景気は、
①加盟各国での緊縮財政、
②雇用・所得環境の悪化、
③債務問題の長期化を受けた企業・消費者マインドの低迷、等
を背景に、2012年秋口にかけて悪化が続く見込み。ドイツの国内需要の拡大が見込まれ、マイナス成長から脱け出す見通し。もっとも、スペイン・イタリア等の南欧重債務国では、緊縮財政が続くほか、金融システム不安の解消も見込めず、内需の持ち直しは期待できず。ユーロ圏全体では極めて緩慢な成長ペースが長期化する見通し。

ギリシャ危機を背景に、欧州経済は持ち直しの気配が見えていないのが実情のようです。加えて英国のLIBOR不正事件(リンク)を契機に今後の世界経済に影響を与える不安材料がくすぶっています。
■ロシア経済

●ロシア経済・金融概況(リンク
●プーチンの戦略と現状(リンク
「近代化路線」を一部修正、経済活動への国家関与はむしろ強まる。
大統領令では、
①2020 年までに生産性の高い雇用を2,500 万人分創出、
②世界銀行発表の投資環境ランキングにおけるロシアの順位を2011 年の120 位から2015 年に50 位、2018 年に20 位にまで引き上げ、などの数値目標を掲げたほか、「経済近代化」の重要性を強調し、基本的には経済政策面でメドベージェフ路線を踏襲。
プーチン大統領は経済政策の各論レベルでいくつかの軌道修正、および新たな試みを示唆している。主なものは以下の3点である。
(1)軍需をイノベーションの源泉に
(2)民営化政策は一部後退
(3)極東・東シベリア開発に本腰

ロシア経済は、若干上昇傾向にあるようですが、今後のプーチンの経済政策は、特に極東アジアに軸足を据えた状況になってきており、石油、天然ガスを中心とした資源供給を、日本などアジア太平洋方面を中心に今後行っていくものと考えられます。
このように、主要各国の経済状況をざっと見ただけでもロシアは若干の成長の兆しはあるものの、各国とも行き詰まり状況がみてとれます。これらは、何を意味しているのか?各国毎にみても
・米国経済は、持ち直しているという報道もあるが、これは本当なのか? 大統領選挙の行方は?
・中国の今後の経済動向はどうなる? 国家主席の交代後の行方は?
・LIBOR不正事件にみられるように、今後のドルVSユーロの金融戦争の成り行きは?特に、金貸し規制(←欧州貴族、王族、軍隊・愛国主義者)はどうなっていくのか?
・米欧の金貸しに達に対抗するプーチンが目指す経済政策は今後どうなっていくのか?

等・・・・・・・・・・・
資本主義経済、特に、これまでの金貸し達の成長戦略が、終焉を迎えているのではないか!?という視点で、世界の経済状況の分析を重ねながら、あらためて「日本国債暴落がいつか?」の予測につなげていきたいと考えています。今後の追求テーマの予定です。
『世界経済の現状分析』
【1】プロローグ
【2】米国経済の現状(ファンダメンタルズ)
【3】米国経済政策の現状(金貸しの戦略)
【4】中国経済の現状(ファンダメンタルズ)
【5】中国経済政策の現状(金貸しの戦略)
【6】EU経済の現状①(独・仏、ファンダメンタルズ)
【7】EU経済の現状②(PIIGS、ファンダメンタルズ)
【8】EU経済政策の現状(金貸しの戦略)
【9】ロシア経済の現状(ファンダメンタルズ)
【10】ロシア経済政策の現状(金貸しの戦略)
【11】ブラジル・インド経済の現状(ファンダメンタルズ)
【12】ブラジル・インド経済政策の現状(金貸しの戦略)
【13】ASEAN経済の現状(ファンダメンタルズ)
【14】ASEAN経済政策の現状(金貸しの戦略)
【15】中東情勢
【16】シリーズまとめ

※ファンダメンタルズ:景気(GDP)、雇用・失業率、貿易など
※経済政策:金融政策(金貸し規制)、成長戦略(産業分野)、エネルギー政策など
以上、都合16回にわたって追求していきたいと思います。お楽しみに!

List    投稿者 orisay2 | 2012-08-24 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?No Comments » 

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