2008-02-28

日本版SWF構想の欺瞞

日本版のSWF(国富ファンド)を設立しようとする動きが、小泉・竹中「改革派残党」により始まっている。 
 
郵政民営化では、「官から民へ」のスローガンを声高に叫んでいた「改革派」が、何故、いまさら官そのものである「国富ファンド」を言い立てるのか、奇怪なことである。 
 
まずは、ロイターのインタビューから。

●日本版SWFの議員立法を早期提出へ=山本前担当相 
 
[東京 27日 ロイター] 自民党の国家戦略本部の「SWF検討プロジェクトチーム」の山本有二座長(前金融担当相)は27日、ロイターのインタビューに応じ、日本版政府系ファンド(SWF)の創設に向けて、議員立法で法案を早期に提出する意向を示した。 
 
日本版SWFの運用原資は、年金基金のほか外貨準備や政府保有株を想定。外貨準備の場合、原資を運用益(2006年度は3.5兆円)に限定するルールを設けることで市場のドル離れの懸念は払しょくされるとの見方を示した。 
 
インタビューの概要は以下のとおり。 (leonrosa注:外貨準備に係わる部分を重点に) 
 
——日本版SWF創設で、日本の市場は活性化するか。 
 
「すでに政府は資産を運用しているという人もいる。外貨準備で米国債を買って、2006年度に3.5兆円の利息収入がある。NTT、日本たばこ産業など政府が保有する株式だけでも配当益がある」 
 
「そういうものを整理して機能性を持たせるだけでいいかもしれないが、今後は、アクティブ運用が可能かどうかという世界になる。日本版SWFはその突破口。それは損をする道になると言われるかもしれないが、市場は活性化せずに沈滞している。金融市場強化とか、金融産業を起こそうと百万回言うよりも現実味がある」 
 
——日本版SWFの運用原資は何を想定するか。 
 
「政府には、年金基金のほか、保有する不動産もあれば、上場企業の株式も持っている。銀行株も金融危機のときに出した資本があり、それを考えると膨大な運用資産がある。年金基金、外貨準備、ゆうちょ銀行など民営化の会社の出資、これらが政府系ファンドになるのだろう」 
 
——外貨準備の運用には財務省が慎重だ。 
 
「外貨準備は、ほぼすべてが米国債に充てられているので、これを売ったり買ったりし始めると日米関係の機軸に変化が生じる。特に、米国債を売るのは米国の信用に関わる。これをむやみにやるのは弊害を起こす」 
 
「ただ、外貨準備には2006年度で3.5兆円の利息が付いている。この一部を運用する目的なら、制度的にも、日米の親密な関係にも水を注さない。できればルール化して利息分以上は運用できないという上限を設ける法律や規則を作ったほうが誤解がない。そのメッセージで(ドル離れの市場の懸念も)払しょくされる。2000億円規模でスタートすれば民間ファンドでも小さいほうなので、インパクトある話ではない」

リンク 
 
「SWF検討プロジェクトチーム」のメンバーリストは、下記のブログを参照。多くの小泉・竹中派が参集している。
雪斎の随想録・日本版SWF構想 
 
そこで、日本版SWF構想にでてくる「外貨準備」について、本当に運用資産があるのか確認してみました。 
 
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  投稿者 leonrosa | 2008-02-28 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?841 Comments »