2013-03-28

お金はどこから生まれてきたのか?〜中国における貨幣制度の成立

このシリーズでは、私たちの暮らしになくてはならない「お金」というものが、どこから生まれてきたのか?を追求しています。
人類の歴史は、かつて共認によって集団及び社会統合していた時代から、武力による統合へ、そして現代につながる貨幣による統合へと移行してきました。このうち武力から貨幣へと移行する結節点を探ろうというのが、そもそもの問題意識です。そこに貨幣制度の持つ強さや恐ろしさ、欠陥が見えてくるのではないかと期待しています。

 

今回は、そのうちの貨幣成立の歴史:中国編の最後になります。

 

さて前回までの記事はこちらです。
第1回 プロローグ
第2回 パプアニューギニアでの貝貨の使われ方
第3回 中国、殷の時代に宝貝はどのように用いられたか?
第4回 中国での貨幣登場

 

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前回の記事では、幻想価値であった宝貝の代わりに、贈与品として実用価値を持った青銅器が登場したことを扱いました。
殷の生き残りである「専門技術集団」が青銅器精錬技術を発達させたことによって、青銅器の刀や農機具が発達し、それぞれ兵士や農民にとって貴重なもの、必要なものとして広まっていったのです。これにより交換市場が形成されました。ただ初期段階では実質的には物々交換のようなもので、それが市場の交換ツールに特化することで刀銭、布銭が登場したのです。*写真は周朝時代の青銅刀

 

実は、周が殷を滅ぼした殷周革命での重要ポイントとして、「殷の生き残り集団」がもたらした歴史的意味が、「青銅器技術を向上させたこと」以外にもう一つあります。今回はそこから改めて刀銭・布銭が広まり「貨幣」成立へつながる経緯に、アプローチしていきます。
 

(さらに…)

  投稿者 goqu | 2013-03-28 | Posted in 08.金融資本家の戦略No Comments »