2017-07-07

都民ファースト大勝利、金貸しの新たな戦略は「看板を掛け変えるだけ」の革新?

00243857187月2日に行われた東京都議会選挙は、小池都知事率いる都民ファーストの圧倒的な勝利に終わりました。予想以上の自民党の大敗北に激震が走りました。都民ファーストの会は今年の1月に作られた地域政党で、設立当時の都議会での議席数は5議席。都議選の公認候補がお披露目されたのが選挙の公示まで1カ月を切った6月1日という、まさに即席政党。

小池知事人気に、自民党の失態がいくつも重なったとは言え、あまりに圧倒的な勝利に思い出したのが、フランスのマクロン大統領の選挙でした。

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マクロン大統領も、大統領選挙出馬前は政権与党の閣僚も務めていました。そして、政治的な主張は何も変えておらず、政権が変わっても主要な施策は変わりません

小池知事も都民ファーストの会を立ち上げた1月時点でも自民党に在籍しており、離党届を出したのが党の代表に就任した6月1日、自民党が離党届を正式に受理したのは都議選後の7月3日でした。

そして、既存の2大政党が支持を失った状況も良く似ています。マクロン大統領は立候補当時泡沫候補扱いでしたが、与党社会党は、フランソワ・オランド大統領への支持率が極端に落ち込み、党内は混乱を極め、保守中道の共和党候補フランソワ・フィヨンはスキャンダルと汚職疑惑で脱落。極右勢力のルペン氏には投票したくないと思う人たちの票が、マクロン氏に流れ込んだのです。

今回の都議選でも、政権与党の自民党の度重なるスキャンダル、野党の民進党の支持率低迷と党内の混乱、共産党に投票するのは抵抗があるとなれば、都民ファーストしかありません。これらの選挙に向けた大きな流れが、マスコミによって演出されたところも共通しています。

トランプ大統領が誕生したアメリカも、既成の政治に対する失望から出発しているのは同じですが、結果は大きく違います。トランプ大統領はグローバリズムの放棄という根本的な所で、政策的にも既成の政治を変えようとしています。それに対して、マクロン大統領も、都民ファーストの会も、既成の政治を批判しながら、その根本的な考え方は何も変えておらず、変えるのは情報公開や利権の否定と言った、細かな手法の話にすぎません。

トランプ大統領のような根本的な改革派の登場に危機感を抱いた金貸し勢力は、このような危険な勢力が登場するのを防ぐために、既成の政治勢力を支援するのをあきらめ、既成の政治勢力の中から革新的に見える政治家を選んで政権与党を打倒させ、自分たちに都合が良い新たな政党を創りだす戦略に切り替えたのではないでしょうか。この作戦が無ければフランスではルペン氏が率いる国民戦線が政権を握っていたかもしれません。

表面的な変革を掲げた新政党を樹立し既成政党を打倒することで、国民の変革期待に表面的に答え、不満のガス抜きは行い、実質的な政策は現状のまま延命を図る、そんな金貸しの思惑が透けて見てきます。この流れで行くと、1年後に予定されている衆議院選挙では、国民ファーストが第1党になっているのかもしれません。

 

■都民ファーストの会

都議会改革を打ち出して、旧みんなの党(『かがやけTokyo』の音喜多駿、両角穣、上田令子)などの非自民保守勢力を知事与党とした。2016年9月20日、小池を支援する議員らによる政治団体として発足。2017年1月23日には地域政党として正式に発足。『かがやけTokyo』は会派名を『都民ファーストの会 東京都議団』と改める。2月20日、自民党を離脱した都議2名が都民ファーストに合流、会派構成人数が5名となり都議会での代表質問権を得た。

■2017年東京都議会議員選挙

小池百合子東京都知事が率いる地域政党・都民ファーストの会(以下、都民F)が参戦。都民Fは、「議会改革」や「受動喫煙防止条例制定」など13テーマの基本政策およびマニフェストを掲げ、6月1日開催の「都議選総決起集会」の中で、小池都知事が主宰する政治塾「希望の塾」の塾生をはじめ、自民党・民進党から脱退し合流した現役都議など48人の都議選公認候補がお披露目された。

■フランス大統領選挙2017

エマニュエル・マクロン氏プロフィール

前回2012年の大統領選挙で、オランド大統領の陣営に加わり、オランド政権では大統領府の幹部として働いたあと2014年に経済相に就任しました。しかし、政権の支持率が低迷するなか、去年4月、左派でも右派でもない政治を目指すとして、「前進」という名前の独自の政治運動を立ち上げたあと8月に経済相を辞任し、大統領選挙への立候補を表明しました。選挙戦では、これまで政権を担ってきた社会党や共和党の候補者が失速する中、先月、行われた1回目の投票では24%余りの票を獲得して1位となり、決選投票への進出を決めました。

大統領選挙に向けた公約で、「閉塞感をなくし弱者を守る社会を目指す」としています。そして、国や地方の公務員を最大で12万人、議員定数を最大で3分の1それぞれ削減して歳出を抑える一方で、経済成長を促すための企業への優遇策として法人税を減税したり、年金などの社会保障費の企業負担を減額したりすることなどを訴えています。

一方で、社会格差の是正のために、失業手当の給付基準を緩和し、自営業者が職を失った場合や自己都合で退職した場合などにも支払われるようにすることを訴えています。さらに、失業率や犯罪率が高い大都市の郊外などを対象に、小学校の少人数学級を実現し、教師の数を増やすことや、この地域出身の若者を雇用した企業に、3年間で170万円余りの補助金を支払うなどとしています。

また、「ヨーロッパが私の公約の中心だ」と述べ、EU=ヨーロッパ連合の枠組みを堅持することを前面に打ち出しています。具体的には、単一通貨のユーロを維持し、ドイツと連携してEUのけん引役を果たすとともに、新たにエネルギーやデジタル分野での単一市場の創設を目指すなど、EUのさらなる統合を進めることも目指すとしています。

■エマニュエル・マクロン氏勝利で、今後のフランスはどうなる?【フランス大統領選】

今回の選挙では、フランスの伝統的な政党制も崩壊した。決選投票は共和党、社会党という既成政党以外の候補者で争われた。フランスは長期に及ぶ経済の低迷、大規模テロ、国民性への疑問といった問題に直面している。これらすべてが、政治の既得権益層に対する反感につながった。

5月7日の決選投票までの道のりは、現代フランス政治史でもっとも型破りなものだった。与党社会党は、フランソワ・オランド大統領への支持率が極端に落ち込み、党内は混乱を極めた。保守中道の共和党候補フランソワ・フィヨンはスキャンダルと汚職疑惑で脱落した。フィヨン氏の脱落で票田が拡大し、元銀行員で2016年、政治運動「アン・マルシュ!」を立ち上げたマクロン氏が最有力候補となった。

List    投稿者 dairinin | 2017-07-07 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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