2007-07-04

崩壊したWTO体制とインドのプレゼンス

■崩壊したドーハ・ラウンド
 2001年以来続いてきたWTOの貿易交渉であるドーハ・ラウンドの行き詰まりを打開するために、6月、ポツダムで会議が行われた。出席国は、米国、EU,インド、ブラジル。結果は決裂。これをもって、ドーハ・ラウンドは事実上、崩壊したといってよい。
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 これまで、WTOは、欧米諸国の主導権により動いてきた。しかし、2003年のカンクン(メキシコ)でのWTO閣僚会議において、途上国が連合し、決裂にいたって以来、現在、G20と呼ばれる主要途上国が、他の発展途上国を含めた利益代表者として発言力を強めている。

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  投稿者 sakamoto | 2007-07-04 | Posted in 07.新・世界秩序とは?7 Comments » 

インドの潜在的可能性

インドは高所得者と低所得者の2極化が著しい。
高学歴でITビジネスを展開している高所得者層と、識字率が64.8%(2001年国勢調査)からわかるように文字の読み書きが出来ない人口が3.5億人もいるという。
<インドは、足元、内需が堅調に拡大しており、消費財市場が急成長している。このため、外資企業はインフラの劣悪さを知りつつも市場獲得のためインドでの生産拡大を加速させている。インフラ未整備や工業用地供給不足などは、在インド外資企業にとって大きな問題だが景気拡大が続き、企業業績が良いので、そうしたネガティブな問題がひょ面化しにくいのが実態である。ただ、インフラを劣悪なまま整備を怠れば。インド国内の生産能力はやがて頭打ちとなり、潜在成長率が上昇しないまま、東アジアからの工業製品輸入だけが増える、という結果を招きかねない。また、グローバル市場向けの工業製品生産拠点としてインドを活用することも難しくなる。
いずれにせよ、「ファクトリー・インディア」になるためには、インフラ整備が不可欠である。
http://www.murc.jp/report/research/2007/0706.pdf
同じ10億人という数が誇る人件費の安さは、中国との違いは生産拠点で作られた製品が他国へ輸出されている点である。しかし、インドは自国にて需要が拡大している為に輸出する必要が無い。よって自国の経済が潤い、雇用者の所得も伸びてくる。その土台としてのインフラ整備は不可欠である。

  投稿者 seino | 2007-07-04 | Posted in 07.新・世界秩序とは?1 Comment »