2013-02-25
『お金はどこから生まれてきたのか?』〜第3回 中国、殷の時代に宝貝はどのように用いられたか?
(パプアニューギニア政府観光局より)
前回は「パプアニューギニアでの貝貨の使われ方」を紹介し、大変ご好評いただきました。
ここに登場する宝貝は、暖かい海に生息する巻貝で、古くから装飾品や贈与品、あるいは呪物として用いられてきました。古代中国においても同様で、とくに殷代(紀元前1,600年〜1,046年)の墳墓からたくさん出土しています。また、甲骨や青銅器には宝貝を意味する文字が見られることから、その時代にとても珍重されていたことが窺えます。
殷の時代に、
「なぜ宝貝は貴重なものとされたのでしょうか?」
「どのような機能を果たしていたのでしょうか?」
このあたりに注目することで貨幣の原型が見えてきそうです。
そこでまず時代背景から押さえようと思ったのですが・・・
実は、中国の歴史書「史記」にも登場する殷王朝。20世紀初頭までは伝説上の王朝とされていました。その後、遺跡の発掘や甲骨文の解読作業の進展によって実在は確認されましたが、今なお謎だらけです。
(奈津子の徒然雑記帳より)
ついつい歴史について疑い深くなってしまうのは、情報の出所も明らかにされないまま、あまりにも多くのことが周知の事実として語られているからです。これは史記も同様です。歴史記述は後の権力者の妄想や陰謀で歴史が書き換えられているケースが多く、そこに現代人の偏った解釈が加わるので、当たり前と思われていることでも事実の信憑性はほとんどありません。
こうした実情を踏まえて、今回は“金文”を頼りに貨幣誕生に至る歴史の歩みを辿ってみたいと思います。ちなみに金文とは、青銅器などの表面に刻まれた文字のこと。なぜその青銅器が作られたのか、誰がその青銅器を祭ったのかが記されているため、その当時の客観的事実(記録)として信憑性が高いのです。
※金文とは? ⇒ウィキペディアへ)
前置きが少し長くなってしまいましたが、それでは貨幣の起源、殷の時代に栄えた宝貝文化を見ていきたいと思います。
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