2018-11-21

迫りくる大暴落と戦争刺激経済-8~いよいよ人民元がこれから上がりだす~

金相場

表題にあるように筆者は、これから人民元は上がりだすという。たしかに3月23日のトランプ大統領:貿易戦争の開始宣言依頼、人民元は上がり基調で、4月14日には近1年での最高値になった。しかしそれ以降は反転し、現在まで徐々に下がり傾向にある。

 

これは一体何故か?

3月26日に開始する金(きん)に裏打ちされた【人民】元建て原油先物取引の公式発表により、アメリカのオイルダラーに挑戦状を叩きつけた。

『金に裏づけされた人民元VSオイルダラーの戦い(ベンジャミン・フルフォード情報)』

という『るいネット』の記事がある。

その中に、「中国が人民元と金をペッグさせて金相場を引き下げている(米金融のバブルが崩壊して以降、元と金を上昇させる目論見)」とあり、これと整合するのではないか?と思う。

 

前稿の記事(『迫りくる大暴落と戦争刺激経済-7~金の支配権がアメリカから中国に移る~』)の中に、「金の支配権が、アメリカから中国に移るのである。なぜなら金の現物取引の8割以上は、既に上海で行われているからである。もうアメリカには余り金はない。」とあるように、現在既に実質の金の支配者は中国ということとも整合する。

 

とすると、中国が人民元―金を引き上げるのは、米国の金融バブル崩壊後ということだろう。

トランプ大統領が中国に対して噛み付いているのは、選挙対策ということらしいが、どうも中国と連動して動いている節も伺える。今後のドル―人民元―金の相場には注目しつつ、トランプ―習近平の動きにも着目していく必要がありそうだ。

 

『迫りくる大暴落と戦争“刺激”経済』(副島隆彦 著)からの紹介です。

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■いよいよ人民元がこれから上がりだす

中国の人民元が、いよいよ反騰を開始して上がり出す、ようである。その理由は、この3月23日に、トランプ大統領が貿易戦争の開始を宣言したからである。アメリカは対中国の貿易で、年間(即ち、毎年、毎年)4000億ドル(40兆円)の貿易赤字を抱えている。トランプは、つい最近「対中国の貿易赤字が5000億ドルある」とツイッターで書いた。アメリカの貿易赤字(トレイド・デフィシット)年間9000億ドル(90兆円)の内、半分弱、いや半分強は対中国である。

 

「これではたまらん。アメリカ合衆国は、実物経済のところで潰れてしまう」ということで、トランプが貿易戦争(トレイド・ウォー)の開戦宣言を出した。トランプは、「私は貿易戦争(各国との貿易交渉)には強いんだ。必ず勝つぞ」とまでいった。厳しい貿易交渉を主要な国々と、個別に開始する。即ち個別FTA(自由貿易協定)を締結するまで交渉をする、と戦闘宣言のような感じになってきた。特に中国に対する風当たりが相当強い。

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