2018-11-15

迫りくる大暴落と戦争刺激経済-7~金の支配権がアメリカから中国に移る~

上海黄金交易所

米大統領の中間選挙は上院と下院で共和党と民主党がそれぞれ過半数を獲得し、ねじれ議会になった。

これは、副島氏の予想と反した結果となった。これは、トランプにとっては誤算なのか?トランプは「共和党が上院での議席増は歴史的な快挙」といって、怯んだ様子は見せていないが、今後の政局にどのように影響するか?を見ていきたい。

 

また、『米FRB、金利据え置き=12月の利上げ示唆』は、予想通りといったところ。着実に米国債崩壊に向かって突きすすんでいる。

一方、今回の主題の金相場については、米財務省の“金たたき”の効果か?8月まで続落していたが、9月くらいから徐々に上がりだし、総じて上がり貴重。200円ほど戻した。金値上がりの本番は3~6年後となるとのこと。動きに注目していく。『2018年の金価格・金相場の推移』

 

金価格の決定は、現在はアメリカ・ニューヨークの金属の先物市場のコメックスで決められているとのこと。それが、「あと数年で、金の支配権が、アメリカから中国に移る。」とのこと。「もうアメリカには余り金はない。」と。

 

上述のように、あと数年で上海に写る見込み。そろそろデル・バンコもアメリカからの脱出を実行しようとしているのかもしれない。

 

『迫りくる大暴落と戦争“刺激”経済』(副島隆彦 著)からの紹介です。

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■巨大IT企業の肥大化した株価が調整される

(書籍P85参)今や世界一の大企業は、アップルであり、株式時価総額で8790億ドル(88兆円)である。2位が、Googleで7114億ドル(71兆円)である。3位がマイクロソフト(7109億ドル。71兆円)、4位がアマゾン(6952億ドル。70兆円)である。

P87のグラフにある4つの巨大企業の株価のうち、アマゾンの一株が1460ドル(15万円)、Googleの1019ドルには驚く。1000ドルを超しているのだ。いくらアメリカの超優良企業といっても10年前は、200ドルぐらいが普通だった。それが今では1000ドル台である。

 

アップルの会社価値(時価総額)の最高値が、9310億ドル(3月13日につけた。94兆円)が、おそらく市場最高値と言うことになるだろう。4月に1割落ちて、8790億ドル(88兆円)になっている。これ以上、つりあがることはないだろう。私は、ニューヨークのIT巨大企業の株価たちは歴史的な頂点(大天井)を付けて、これから下落してゆく、と考える。たかが、通信機器のスマホを作って売っているだけの企業たちが、こんなにも高く評価されて有頂天である。私はP85のこの表の各IT企業の時価総額は、最高値のちょうど半分ぐらいまで落ちるだろう、と考えている。そのように予測している。落ちるべきなのだ。アメリカの、このまさしく「ITバブル」である、巨大企業たちの株価の計画的な吊り上げは、目に余る。

 

■3年後から「ドル覇権」は崩壊に向かい、1ドル60円になる

ドナルド・トランプが2016年の米大統領選挙で当選した。(中略)トランプ政権になって1年4ヶ月が経った。今年の終わりの2018年11月の中間選挙(ミッドターム・エレクション。2年に一度。大統領選挙がない年)でトランプはどうしても勝たなければいけない。共和党が下院でも大勝しないと、トランプは議会から足を引っ張られて政策が実行できない。

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幸い、民主党の方がゴタついている。米民主党内は、ヒラリー派(しぶとい!)とエリザベス・ウォーレン(マサチューセッツ選出上院議員。女性)派に割れていて仲が悪い。それでこのままでは、ウォーレンが、自分では次の大統領選挙には勝てないと分かったので、人格者であるジョー・バイデンの支持に回ったようだ。だからバイデン(75歳。前副大統領)が、民主党の次の大統領候補者になりそうだ。他に出てきそうな人物がいないのだ。バイデンだったらトランプは、予想外の要因がないので勝てる、と踏んでいる。2020年11月に次の大統領選挙がある。トランプはこれも乗り切らなければいけない。

 

現職(インコンベント)は強い。だから2021年に、トランプ政権は2期目に入る。2期目になればトランプは何でもできる。好きなように動ける。今以上にだ(笑)。トランプが、そのとき何をするか、を今のうちから私は冷静に予測する作業を早め、早めに始めようと思う。その次の大統領選挙は2024年である。だから私は、本書の「前書き」で「これから3年間、さらに3年間を予言する」の重要な表をつくったのである。政権8年目になると、さすがのトランプでも「オレはもうどうでもいい」となる。その時は、トランプは金融危機や財政問題で追い詰められているだろう。「フランクリン・ルーズベルト大統領がやったように、3期目もやるぞ」というほどのあつかましさと気力・体力をいくらとランプでも持たないだろう。ルーズベルトが3期目、そしてさらに1年(そして死去)までも大統領をやれたのは、第二次大戦の戦争の真っ只中だったから、ということがある。だから例外的に長期にやれた。だから2024年の次の大統領に交代する。

 

1期目を乗り切った2期目の2021年には、どんなに悪口をいわれてももう気にしない。「どうやってもうまくいかないなあ」となる。この時ダダダダッと、ドルの信用とアメリカの経済力が大きく落ちる。「ドル覇権の崩壊」の前期が始まる。ドルの暴落が起きる。1ドル60円台になるだろう。そしてそれから3年後の2024年には、1ドル40円台になる。1ドル200円になることを予想してハワイのコンドミニアムなど、アメリカ資産を買っている人たちは大損だ。コンドミニアムとは投資用のアパートのことだ。

 

■だから3年待たないと金価格は上がってこない

金は今から上がる、といいたい、がなかなか上がらない。7年前の、2011年9月26日に1923ドルで最高値を付けた。もう少しで1オンス(31グラム)2000ドルの大台には、乗りそうだった。それ以来ずっと下がり続けた。2015年12月17日には、1046ドルという最安値を付けた。あと少しで1000ドルを割るところだった。さすがの私もこの時は肝が冷えた。ここまで、アメリカ政府は金を嫌って、金殺しを続けている。ドルの信用を守るために、である。

 

ドルの崩壊とは、そのまま”実物資産の王者”である金が暴騰する、と言うことだ。

(中略)

 

金の世界価格は、ニューヨークの金属の先物市場のコメックス(ナイメックスも同じ)で決められている。このコメックスの株も握っているシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の名誉会長のレオ・メラメド(85歳)という恐ろしい老人が金の価格の支配権を今はまだ握っている。世界の金価格を先物市場(フューチャー・マーケット)で牛耳っている。だが、あと数年で、中国の上海黄金交易所SGEと、ロンドンの金取引所の直物市場であるLBMA(ロンドン貴金属市場協会:ロンドン・ブリオン・マーケット・アソシエイション)の2つが協力し合って金の価格を決めるようになる。金の支配権が、アメリカから中国に移るのである。なぜなら金の現物取引の8割以上は、既に上海で行われているからである。もうアメリカには余り金はない。

(中略)

 

■あと6年でドルの終わりが来るから金を買っておきなさい

 

金の値段が大きく上がるまで、あと3年かかる。だから後3年我慢してください。私が言うところの“金殺し”はまだ続いている。FRBとゴールドマン・サックスとアメリカ財務省が組んで、金ETFの市場を、違法に操作している。これを「ネイキッド・ショートセリング」(裸の空売り)と言う。これで金価格を叩き落す。ここで金ETFの「スパイダー・ゴールドシェア」と言う金先物の市場を使って金の暴落を仕掛ける。

 

この10年、毎回、毎回、アメリカ政府がこれをやっている。金が少しでも上がってくると、必ず叩きのめしてくる。アメリカ政府から見たら、金はもう憎しみの対象である。ドルが紙切れになっていくのを、どうしても阻止しなければいけない。だからアメリカ政府は自分達がやっていることが違法だ、と知りながら背に腹は替えられない、で“金殺し”をやっている。

(中略)

 

今ならまだ買える。あと3年、さらに3年の6年目の、2024年に、金は1グラム1万円を軽く突破するだろう。いよいよ最後の決戦になってきた。「金とドルの戦い」だ。アメリカ・ドルの終わりが本当に近づいている。

 

その時、世界は、新しい金融の体制に移行する。新しい世界銀行と新しいIMFが、ワシントンを見捨てて、ユーラシア大陸のど真ん中辺りにできる。おそらく中央アジア5カ国の一つ、カザフスタン国の旧都アルマトゥ(アルマティ)だろう。 (後略)

 

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