2011-01-01

2011年迎春

あけましておめでとうございます。
昨年は『金貸しは、国家を相手に金を貸す』を応援いただき、ありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

newyear

昨年の世界経済は、『停滞』という言葉が似合う、しかし決して良い方には向かっていない、奇妙な静けさが漂っていたように感じます。リーマン・ショックからギリシャ危機に至る危機的状況は脱し、株や債券市場は安定を取り戻しつつあるように見えながら、背後では中央銀行が大量のマネーを刷り続け、崩壊を辛うじて支えているのが見え隠れしています。中国や新興国の勢いも、この停滞感を打ち破る程のエネルギーは感じられません。
2011年、世界はどのように動くのでしょうか?
今年の世界経済の注目ポイントを5つほど挙げてみたいと思います。

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1.ドルはどこまで下落するのか?
米国経済は当然ながら一向に上向きにならず、米国債の発行残高は14兆ドルを超えた。現在米国債を世界で最も保有しているのは他ならぬFRBであり、今後6000億ドルの米国債の直接引き受け=ドル大増刷を宣言している。

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2007〜2011年のFRB資産の推移

 
まさに自作自演のドルの垂れ流しである。ドルは下落を続け、世界各国を巻き込んだ通貨戦争を引き起こしている。米国の狙いは、ドル安で対外収支を改善すると同時に、他国が大量に抱えるドル資産の価値を目減りさせ、借金の帳消しを図ることだ。
 
現在80円前後のドルは、じりじりと静かに下落してゆくのか?あるいはある日一気に大暴落の時を迎えるのか?
 
2.中国バブルは崩壊するのか?
北京オリンピック、そして上海万博が終わった。かねてから、この二大国家イベントが終わった後、中国経済のバブル崩壊が到来するのではないかと指摘されてきた。中国バブルの崩壊の引き金になりうるのが、下落するドルに対する世界通貨戦争の一方の極、人民元ではないか。
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中国の成長は、強引な元売り介入によって実質的にドルペッグを続ける人民元の安さで支えられてきたが、人民元切り上げの国際的圧力はますます強まり、そろそろ限界を迎えているように見える。人民元の強みを失った中国から資金が逃げ出せば、株や不動産の暴落が始まる可能性がある。中国バブルが崩壊すれば、想像を絶する混乱が世界を襲うだろう。
 
1929年の世界大恐慌のきっかけは、当時、世界の工場として台頭していた米国での株価暴落(暗黒の木曜日)だった。現在、世界の工場となった中国のバブル崩壊は、21世紀の世界大恐慌を引き起こす資格を十分に持っている。
 
3.金はどこまで上がるのか?あるいは暴落するのか?
2010年に目を引いたのは、コモディティ資産である金(ゴールド)の高騰だった。21世紀に入って以降、ドル建てで5倍もの高騰を見せた金は、年末に再び1400ドル/オンス台に乗った。今年は2000ドルを超えると指摘するエコノミストもいる。

 
一方、金はこれから一度大暴落する、という説もある。これは金貸したちによって仕掛けられた暴落だ。実物との交換を保証する金ETF(金信託投資証券)の導入は、金市場にマネーを集めバブルをつくるための騙しの仕掛けであり、実物の金はその陰で、次なる通貨システムの準備として密かに集められているのだという。
 
世界銀行総裁ロバート・ゼーリックは昨年11月、今後ドル、ユーロ、円、ポンド、人民元による新たな通貨体制の必要性に触れ、その中でゴールドが通貨価値の指標として重要な存在になるだろうと語った。ドルを筆頭にペーパーマネーの信用が揺らいで行く中、ゴールドが再び通貨としての機能を取り戻しつつあるように見える。
 
4.欧州貴族・ロスチャイルド・ロックフェラーの覇権闘争の行方は?
昨年初めは、日本の政権が民主党に代わって、世界覇権闘争も欧州貴族・ロスチャイルド勢力がロックフェラーの戦争屋・CIA勢力に勝利するかと思われていた。しかしその後、鳩山・小沢政権は菅・仙谷政権に取って代わられ、韓国・北朝鮮を巡る緊張が高まるなど、戦争屋・CIA勢力の巻き返しが起きた。戦争屋のボス、デヴィッド・ロックフェラーは95歳。一時期、健康悪化説が流れながらも、2010年5月の三極委員会に出席するなど、再び健在なところを見せ付けた。
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そうはいっても超高齢のデヴィッド。ロックフェラー家総帥の後継者として、なんとビル・クリントン前大統領を考えているという説も・・・?
ここに来て、金貸しの最終覇権闘争の行方は混沌としてきている。
5.共同体企業は日本経済を転換させうるか?
90年のバブル崩壊以降、デフレが続く日本経済。この長期デフレは、単なる経済サイクルではなく、貧困の消滅→市場縮小の必然的帰結だ。どんなに金融緩和をしても、輸入物価の高騰という要因以外に国内要因でインフレに戻ることはおそらくない。巷の学者やマスコミは相変らずデフレ脱出と成長の回復ばかりを叫んでいるが、日本はデフレ≒市場縮小を前提とした経済システムを新たに構築しなければならない段階に来ている。
2010年は、『共同体の時代』が始まった年。全員参加経営など共同体的風土を持つ企業の活躍が目立った。この、利益追求のみを存在意義としない共同体企業が、市場縮小を前提とした新たな生産様式・経済システム実現の基盤になりうるのではないだろうか?
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以上、思いつくままに、2011年に気になる経済・金貸し支配の動きを挙げてみました。ただ、いつ何が起こってもおかしくない大転換期が今。本年も世の中の動き、人々の意識を常に注視しながら、本ブログも盛り上げていきたいと思います。

List    投稿者 s.tanaka | 2011-01-01 | Posted in 未分類 | No Comments » 

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