2011-07-24

ランドバンキングとは?−3〜ランドバンキングの仕組み

「ランドバンキング」シリーズでは、アメリカにおいて世界経済をどん底に突き落としたサブプライム・ローンの再燃か?という問題意識の元、前回はまずサブプライム・ローンの仕組みについておさらいをした。
今回は、実際に投資を行っているI氏と金融に詳しいS氏の話を元にしてランドバンキングの仕組みはどのようなものか?その概要を明らかにしたい。

 
wolton1.jpg 

ランドバンキングによる住宅開発(画像はこちらからお借りしました。)

 
続きを読む前にポチッとお願いします。

にほんブログ村 経済ブログへ


■アメリカは超人口増加国家⇒市場拡大可能性がある
ランドバンキングを押さえる前に、なぜアメリカでは不動産バブルの可能性があるのだろうか?まずその現状を押さえておきたい。

americapopu1.png

アメリカの人口推移

americapopu2.gif

アメリカの人種別の推移

 
上図のグラフを見てもらえれば一目瞭然だが、アメリカの人口は右肩上がりとなっている。40年間で1.5倍以上人口が増加しており、2000年から2010年までの10年間の人口増加率は9.7%というとてつもない増加率である。
過去10年間を他国と比較すると、日本は0.5%増、高度成長期の中国は5.8%増、フランスは6.6%増であり、いかに増加率が高いかが分かる。
 
先進国の人口推移は緩やかな一方でアメリカの人口増である大きな要因は、あらゆる国から移民を受け入れているからであり、自然増加と移民による増加がほぼ同等となっている。今後50年間は主としてヒスパニック系人口の増加により、2.8億人から4.2億人へと約1.5倍に増加すると推計されている。
 
つまり、人口が1.5倍に増加するということは、言い換えればそれだけ市場拡大の可能性があるということだ。
 
そこに目をつけているのが未開発地域における都市開発『ランドバンキング』であり、特に大規模に進められているのは、メキシコの移民受入れに近いアメリカ南方のアリゾナ州、ジョージア州、テキサス州である。
 
 
■ランドバンキングの仕組み
ランドバンキングとは、未開発の不動産を活用した資産運用手法のことをいい、民間の不動産開発会社による長期的な不動産開発ビジネスを総称して使用されている。(リンク:wiki)
 
アメリカで行われている主な手法は、まず、開発可能性があり5年程度で売却が見込める更地・牧草地をランドバンキング企業が購入する。その取得した土地の投資単位を小口化し、利回りの高さをウリとして各国の投資家に販売する、というものである。
 
高い利回りの裏づけは、ランドバンキング企業のノウハウによって今後住宅などの都市開発を行うことが可能な宅地開発、地目変更などを行い、ほぼゼロの土地価格から将来の利用価値(市場価格)に等しい価格水準まで引き上げることによって担保されている。
ランドバンキング大手ウォルトンのHPによれば、年間利回り30%を生み出しているようだ。
 
投資家(土地購入者)は、主に中国、韓国、日本が多く、海外からアメリカにお金が流れており、かつ、ドル建てのため、中国・日本にドルが流れる仕組みが生まれている。
 
wolton2.jpg

ランドバンキングの時間と潜在価値

land1.jpg

ランドバンキングのフロー

 
宅地開発が終了すれば、ランドバンキング企業の役割はほぼ終わる。開発許可を得ることにより、ディベロッパーが開発可能になるため、土地を彼らに売却し、売却金額を投資割合に応じて、投資家に配分するのだ。
 
これ以降の開発、住宅建設は、ディベロッパー・不動産会社により土地購入者(主にアメリカへの移民者)の消費意欲を高め、開発を進めていく。
 
land2.jpg

 
 
■まとめ
驚くべきことは、土地購入から住宅建設までのフローにアメリカ国民は全く介入しておらず、土地を購入し利益を得る投資家は諸外国、住宅購入者は他国からの移住者ということだ。これはもはやアメリカ自身による自立経済が実現できず、低迷していることを示している。
また、自立経済を実現できないアメリカの利益を拡大していくためには、サブプライム・ローンと同様に証券バブルが引き起こされる可能性も秘めている。

 
前回記事のサブプライム・ローンは低所得者に対する住宅ローン+金融証券のセットで世界を巻き込んで大混乱が起こった。今回の土地バブルを発端にしてどのような結果が予測されるのか?次回は、ランドバンキングとサブプライム・ローンの違いを明らかにしていきたい。

List    投稿者 hasihir | 2011-07-24 | Posted in 未分類 | 9 Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kanekashi.com/blog/2011/07/1660.html/trackback


コメント9件

 コーチ カードケース | 2013.10.09 3:30

グッチの財布

 handbag stores online | 2014.01.16 6:50

gucci suits cheap 金貸しは、国家を相手に金を貸す | 日本史から探る、脱市場の経済原理(2)〜在地首長制をひきずった古代律令制度〜
handbag stores online http://krikonis.gr/images/affordable-handbags-on-sale-and-bags-for-valentine.asp

 hermes bags light coffee | 2014.02.02 8:28

hermes bags uk sale 金貸しは、国家を相手に金を貸す | 日本史から探る、脱市場の経済原理(2)〜在地首長制をひきずった古代律令制度〜

 hermes white | 2014.02.03 10:27

hms hermes website 金貸しは、国家を相手に金を貸す | 日本史から探る、脱市場の経済原理(2)〜在地首長制をひきずった古代律令制度〜

 hermes birkin 50cm handbags | 2014.02.06 20:48

hermes paket 5 tage 金貸しは、国家を相手に金を貸す | 日本史から探る、脱市場の経済原理(2)〜在地首長制をひきずった古代律令制度〜
hermes birkin 50cm handbags http://tforce.ca/include/hermes-birkin-50cm-handbags-hermes-men-belt-843.asp

 cheap hermes black purse | 2014.02.06 23:09

hermes paketshop essen borbeck 金貸しは、国家を相手に金を貸す | 日本史から探る、脱市場の経済原理(2)〜在地首長制をひきずった古代律令制度〜

 wholesale bags | 2014.02.10 14:54

金貸しは、国家を相手に金を貸す | 日本史から探る、脱市場の経済原理(2)〜在地首長制をひきずった古代律令制度〜

 http://topuloey.otazu.net/ | 2014.03.13 1:22

金貸しは、国家を相手に金を貸す | 日本史から探る、脱市場の経済原理(2)〜在地首長制をひきずった古代律令制度〜

 hermes victoria | 2014.03.13 7:55

hermes bags dallas 62 tv console 金貸しは、国家を相手に金を貸す | 日本史から探る、脱市場の経済原理(2)〜在地首長制をひきずった古代律令制度〜

Comment



Comment