2007-12-14

脱IMF・世銀支配、南米7カ国による開発銀行の創設

先進国のマネーゲームの崩壊、金融不安を他所に、社会資本への投資を行なう開発銀行『南の銀行』(Banco del Sur)が、南米7カ国により創設された。

今回は、時事ニュースです。

先ずは、12月9日に行なわれた、7カ国大統領による新銀行創設の調印を伝えるニュース記事から。

南米7か国が独自の開発銀行創設、世銀・IMFからの脱却目指す

AFP2007年12月10日ブエノスアイレス/アルゼンチン

南米7か国が世界銀行や国際通貨基金に対抗して開設する開発銀行「南部銀行(Bank of the South、バンコ・デル・スル)」の調印式が9日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで6か国首脳が出席して開かれた。

調印式には、アルゼンチンのネストル・キルチネル、ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ、パラグアイのニカノル・ドゥアルテ・フルトス、エクアドルのラファエル・ビセンテ・コレア・デルガド、ボリビアのエボ・モラレル、ベネズエラのウゴ・チャベスの各大統領が出席した。ウルグアイのタバレ・バスケス大統領は欠席した。

新銀行の創設はチャベス、キルチネル両大統領が主導してきたもので、IMFや世銀が南米に及ぼす「悪影響」からの脱却を図ることを目的としている。

ブラジルのルラ大統領は、同銀は「インフラ整備、科学技術などの主要な経済分野に出資し、地域により均衡をもたらす」と述べた。またブラジル政府報道官は、新銀行が「域内の統合と南米国家共同体の強化に重要な役割を果たす」との見方を示した。

新銀行の営業開始は2008年を予定しており、当初の資本金は70億ドル。ベネズエラの首都カラカスに本部を、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスとボリビアのラパスに支部を置き、参加国の財務相でつくる理事会が運営に当たる。

写真は、設立調印式の各大統領

Banco_Sur.jpg

左から、ラファエル・コレア(Rafael Correa)エクアドル大統領、エボ・モラレス(Evo Morales)ボリビア大統領、ネストル・キルチネル(Nestor Kirchner)アルゼンチン大統領と妻のクリスティナ・フェルナンデス(Cristina Fernandez)次期大統領、ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Inacio Lula da Silva)ブラジル大統領、ニカノル・ドゥアルテ・フルト(Nicanor Duarte)パラグアイ大統領、ウゴ・チャベス(Hugo Chavez)ベネズエラ大統領

この『南の銀行』は、産油国ベネズエラの資金力とブラジルの産業力を使って、IMF・世界銀行によりガタガタにされたボリビア他各国の経済基盤、社会インフラを整備する事が目的で創られた。70億ドルという金額は、これらの諸国の社会基盤整備にとっては巨額な資金である。

参考 3カ国の概要

    総人口  国民総生産  対外債務
ウルグアイ  346万人  151億ドル  114億ドル
パラグアイ  600万人   84億ドル   26億ドル
ボリビア  962万人   93億ドル   32億ドル

『南の銀行』とは何を目指しているのかを見てみます。

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  投稿者 leonrosa | 2007-12-14 | Posted in 09.反金融支配の潮流6 Comments »