2007-12-29

ロシア経済と米国のサブプライムローン問題

07年も終わりを迎え、サブプライム問題を端に発した国際金融状況は好転の兆しは一向に見えません。それどころか、08年には国際経済の破局的状況を予想する声も聞こえてきます。11月16日付「プーチンさんの資本主義学習」で米国サブプライム問題がロシア経済にどのような影響を与えているのかというテーマで投稿しました。
丁度、同じ頃に大和総研産業コンサルティング部主任研究員の井本沙織氏がNIKKEI NET のビジネスコラムー井本沙織のロシア見聞録シリーズ第9回「ロシア経済と米国のサブプライムローン問題」という記事を見つけました。sq3_saori.jpg
ハテサテ、ロシア出身の才媛は、どの様にロシア経済のサブプライム問題を見ているのか興味がありますね。
コラムの抜粋を紹介します。
海外からの借り入れに頼っている銀行セクターが痙攣(けいれん)を起こした。
国際金融市場における積極的なプレーヤーになりつつあるロシアにとっては、これだけ大きく国際金融コミュニティーを脅かしたサブプライムの影響がまったくないとは言えない。ロシア中央銀行の公定歩合が10%であることに象徴されるように、ロシアでの国内借り入れのコストは高い。今年上半期における銀行セクターの対外債務の残高は、対年初比で30%増加し、1300億ドルを超えた。さらに銀行と事業会社の対外債務は、初めて3000億ドルを超え、GDPの25%に達した。
中央銀行は10月から本格的対策に着手
ことを重く受け止めた中央銀行は対策に乗り出した。まずは、中央銀行からの借り入れの担保に関する規制を緩和し、大手銀行だけではなく、中堅銀行も中央銀行から資金を調達できるようにした。
さらに、中央銀行は、10月11日から3カ月間、中央銀行への銀行の法定準備率を、銀行の個人預金に対する4%から3%まで、法人預金に対する4.5%から3.5%まで、それぞれ1%低下させた。
金融市場の流動性を維持させるため、一部の準備預金を銀行が活用できるようにした。ロシア中銀の銀行セクター流動性維持対策の結果、市場には1000億ルーブル(約4700億円)の資金が流入するとの見通しである。対策の効き目があったのか、あるいは国際金融市場の落ち着きがロシアにまで及んだのか定かではないが、銀行間市場の金利が10月19日時点では4.35%まで下がった。
ロシア経済に対する米国のサブプライムローン問題の影響は、そこまでと言ってもいい。
しかし、一方で、ロシアにもそれとよく似た問題が潜んでいることを思い起こさせるという副次的な効果もあった。
クリック オネガイシマス

(さらに…)

  投稿者 unkei | 2007-12-29 | Posted in 07.新・世界秩序とは?2 Comments »