2008-06-25
<食料価格高騰はなぜおこるの?>その1 2007年からの価格高騰
今年に入ってから、パンやカップラーメンの値上げが続いていますね。
そして、「シカゴ商品取引所の小麦価格が過去最高値を更新!」とか、「米コーン地帯で洪水、とうもろこし価格が高騰!」とかのニュースが流れています。
小麦、とうもろこし、大豆などの食料価格の値上がりは、どうも尋常ではなさそうです。
世界の食料価格が決まるメカニズムが、変ってしまったのではないかと思います。
そこで、食料価格高騰はなぜおこるの?シリーズでは、何故値上がりしているのか? そもそも、その価格はどこで決まっているのか? 誰が決めているのか? そして、日本にはどのように影響が出て来るのか? を扱っていきます。
できれば、日本はどうするまでいきつければと考えます。
概ね、以下の構成で展開して行く予定です。(但し、脱線もしますよ 8) )
1.価格の長期推移、最近の値上がり状況
2.主要食料の値段を決めている商品取引所って何?いつできたの?世界に何ヶ所あるの?
3.食料価格が決まる力学はどうなっているのだろう?(需要と供給の関係)
4.食い物こそがビジネスチャンス。世界の穀物メジャー、食品メジャーの世界
5.日本が食料輸入国に転落していく契機。戦後のパン食転換、お米余りと減反政策。
6.日本の食糧輸入の実態、農林水産省は何をしているのか?商社は何をしいているのか?
7.で、日本の食糧をどうする?
食料価格の長期的な推移と最近の高騰をまずはみてみましょう。
●小麦価格は、2007年から高騰(シカゴ商品取引所価格)
小麦価格は、98年から2006年までは、1ブッシェル(*)当り250セント(2.50ドル)の水準で安定していました。(下図)。
90年代も概ね2ドル水準で推移していましたので、この20年間の小麦価格は、超安定価格であったのです。
【*ブッシェルは、英米で使われる容積の単位です。およそ、1ブッシェル=35リットル。品目により同じ容積でも重さが違いますので、小麦・大豆は、1ブッシェル=27Kg、とうもろこしは、1ブッシェル=25Kgです。】
2006年まで、安定していた価格が、2007年に入ると、急激に高騰し、2008年の2月には、1334セント、13ドルまで高騰しました。20年続いた安定価格の5倍に跳ね上がっています。
図の出所:フジ・フーチャーズのチャート作成を利用させてもらっています。
その他の品目はどうでしょうか?
続きを読む前に、応援クリックを!