2012-02-02
北朝鮮、これからどうなる?5 〜北朝鮮崩壊のシナリオ〜
いよいよ北朝鮮シリーズも最終回です。これまでのシリーズも是非ご確認ください。
第1回 傀儡政権として出発した金日成が政権を掌握していく過程
第2回 国際関係−瀬戸際外交
第3回 北朝鮮の実態
第4回 朝鮮半島を狙う中国とロシア
それでは改めて全体を俯瞰していきます。朝鮮半島は、1950年に勃発した朝鮮戦争を経て、南北に分裂しました。約3年間の戦争で疲弊した両国は、経済的にも困窮を極めていました。
韓国はこの苦難を
1.アメリカからの支援受け入れ
2.工業化推進
の方針で乗り切ろうとしました。
紆余曲折はありましたが、韓国はアメリカによる支援によって経済的繁栄を果たしています。(詳細は「韓国経済の光と闇」を参照してください)
一方で、北朝鮮はどうだったでしょうか?北朝鮮はこの危機状況を
1.ソ連・中国からの支援受け入れ
2.工業化推進
3.軍事力強化
の方針で乗り切ろうとしました。
その結果、1970年代初頭までは韓国よりも高い経済成長を見せています。
しかし元々閉鎖的な市場の中で非効率な経済計画を行っていたことにより行き詰まり、80年代からのソ連の混迷→崩壊により、ソ連からの支援が激減したことで大きくブレーキがかかりました。
そのため工業化推進は大きく停滞しせざるを得なくなったのです。
もともと、農業には適さない国土であるため、食糧を自前で確保できません。同盟国ともいえるソ連・中国の支援・保護の中で、自立化していく可能性が行き詰り、産業基盤も未成熟なまま世界(=資本主義社会)の中に放り出された格好になった北朝鮮は、世界に飲み込まれないように、残された軍事力強化に、より傾注するしかなかったのです。武器の輸出は外貨獲得の手段であり、軍事力は他国との支援交渉のカードになります。
段々核心に迫る前に、いつものように今回もランキング応援ポチっとよろしくお願いします。