2009-01-31

G20の可能性を探る G20な国々⑤インドネシア

 今後の金融危機の行く末に大きな影響を与えると思われるG20カ国のうち、日頃なじみの少ない国から順に経済・政治等の実態を調べていくことで、G20の可能性を探るシリーズ。今回はその第五弾!インドネシアです。


 「インドネシア専科(大槻重之著)」によれば、「日本」と「インドネシア」は気質が大変似ているそうです。

 日本は同じ緯度帯の東アジアの中国(中国も広いので北部とする)・朝鮮と比べると自然のみならず民族の気質においても異なる。中国、朝鮮には蒙古などの遊牧民から引き継いだ中東的要素が見られるのに対して日本には遊牧民要素はほとんどない。日本は高緯度に位置するが東南アジア的要素が強いことがわかる。
 このように東南アジア型の日本であるから、外国人のインドネシア(ジャワ)人の民族性について記述をみると日本人のことかとしばしば思うほどである。日本には八百万(やおよろず)の神々が存在し、山や滝や島も信仰の対象である。聖徳太子の定めた憲法の冒頭は「和をもって尊しとなす」である。インドネシア社会のキーワードは「和」を意味するルクンである。建前重視の文化、とりつくろう文化などインドネシアとの共通点が多い。


(インドネシアの子供たち)
そう言われてみれば似ているような…。というか何か「3丁目の夕日」の頃の日本みたいだ。

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◎インドネシアの基礎データ
JETRO/ウィキペディアより引用
http://www.jetro.go.jp/world/asia/idn/basic_01/
■一般的事項

国・地域名:インドネシア共和国 Republic of Indonesia
面積:1,922,570平方キロメートル(日本の5.1倍)
人口:222,192千人(2006年時点推計)
首都:ジャカルタ 人口896万3千人(2006年推計時点)
言語:インドネシア語
宗教:イスラム教、ヒンドゥー教、キリスト教ほか


(日本とインドネシアの位置関係)
■基礎的経済指標

実質GDP成長率:  6.3% [2007年]    基準年=2000年
名目GDP総額:  3,957兆4,039億ルピア [2007年] 4,329億2,899万ドル [2007年]
一人あたりのGDP(名目):  1,925.0ドル [2007年]
消費者物価上昇率:  6.59% [2007年]    2002=100
経常収支(国際収支ベース):  104億100万ドル [2007年]
貿易収支(国際収支ベース):  327億5,400万ドル [2007年]
外貨準備高:  549億7,640万ドル [2007年]
対外債務残高:  1,366億4,036万ドル [2007年]
為替レート(期中平均値、対ドルレート):  9,141.00ルピア [2007年]
為替レート(期末値、対ドルレート):  9,419.00ルピア [2007年]
通貨供給量伸び率:  14.9% [2006年]  M2
輸出額:  1,141億90万ドル [2007年]
対日輸出額:  236億3,280万ドル [2007年]
輸入額:  744億7,340万ドル [2007年]
対日輸入額:  65億2,670万ドル [2007年]
直接投資受入額:  401億4,580万ドル [2007年]    認可ベース

■経済概要

 農業国である。農林水産業ではカカオ、キャッサバ、キャベツ、ココナッツ、米、コーヒー豆、サツマイモ、大豆、タバコ、茶、天然ゴム、トウモロコシ、パイナップル、バナナ、落花生の生産量が多い。特にココナッツの生産量は2003年時点で世界一である。
 鉱業資源にも恵まれ、金、スズ、石炭、天然ガス、銅、ニッケルの採掘量が多い。OPEC(石油輸出国機構)に加盟する産油国でもあるが、2004年以降は原油の輸入量が輸出量を上回る状態であるため、2008年12月に脱退する予定である。


(インドネシアの棚田。後世に残したい風景です。日本と比べると畔の作り方とか多少アレなかんじでインドネシア人のおおらかさが感じられます。)

 工業では軽工業、食品工業、織物、石油精製が盛ん。コプラパーム油のほか、化学繊維、パルプ、窒素肥料などの工業が確立している。 パナソニック、オムロン、ブリヂストンをはじめとした日系企業が現地に子会社・あるいは合弁などの形態で、多数進出している。
 独立後、政府は主要産業を国有化し、保護政策の下で工業を発展させてきた。1989年には、戦略的対応が必要な産業として製鉄、航空機製造、銃器製造などを指定し、戦略産業を手掛ける行政組織として戦略産業管理庁(Badan Pengelora Industri Strategis)を発足させている。しかし、同時に、華人系企業との癒着や、スハルト大統領ら政府高官の親族によるファミリービジネス(Family buisiness)等が社会問題化し、1996年には国民車・ティモールの販売を巡ってWTOを舞台とする国際問題にまで発展した。しかし、1997年のアジア通貨危機の発生により、インドネシア経済は混乱状態に陥り、スハルト大統領は退陣に至った。その後、政府はIMFとの合意によって国営企業の民営化など一連の経済改革を実施したが、失業者の増大や貧富の差の拡大が社会問題となっている。

■地理

 インドネシア周辺では、ユーラシアプレートやオーストラリアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートなどがせめぎあっており、環太平洋火山帯(環太平洋造山帯)の一部を構成している。そのため火山や地震が多く、2004年のスマトラ島沖地震、及び2006年のジャワ島中部地震では甚大な被害を受けた。また、スメル山は、ジャワ島の最高峰(3676m)であり、世界で最も活動している火山の一つである。

■文化

 インドネシアの宗教・文化は島ごとに特色をもつが、日本ではバリ島のガムランなどのインドネシアの音楽や舞踊が知られる。またワヤン・クリと呼ばれる影絵芝居や、バティックと呼ばれるろうけつ染めも有名である。

◎最近のニュース
■外国人介護職、初の就労 インドネシアから101人 (リンク)

 日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)に基づき来日したインドネシア人の介護福祉士候補者101人が29日、24都府県の特別養護老人ホームなど51施設で、介護福祉士の資格取得を目指し働き始めた。
■アジア最大のガス田開発、エクソンの申請却下 インドネシア (リンク)
 インドネシア政府は同国西北部のナツナ島海域にあるアジア最大の天然ガス田「Dアルファ鉱区」の開発に関し、米エクソンモービルの申請を却下した。当初同社と国営石油会社プルタミナが共同開発する計画だったが、政府は米社との契約は無効と主張、近くプルタミナと単独契約を締結するという。
 
 資源、農産物などの資源も豊富で実体経済も堅調、日本との関係も良好。おまけに石油メジャーを袖にする気概もあるインドネシア。なんだか可能性がありそうです。

List    投稿者 kato | 2009-01-31 | Posted in 未分類 | 5 Comments » 

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コメント5件

 べノン | 2009.07.18 22:09

ユーロがなぜ作り出されてきたかを追究すべき。
アメリカから覇権奪回を虎視眈々と狙う、
欧州勢力の巻き返しという視点を欠いては、
答えは見えてこない。

 勉強中 | 2009.07.19 13:20

欧州勢力がアメリカから覇権奪取を狙っているというのは、EUの歴史からも明らかでしょうね。
今後のこととして(個人的に)興味深いのは、ロシアとEUの関係なんです。
>地理的に欧州に位置する旧ソ連のウクライナ、ベラルーシ、モルドバ、さらにグルジアのように南コーカサス地域でもEU加盟に意欲を示している国がある。
旧ソ連の上記各国がEU加盟を指向するというのはロシアには面白くないことでしょうし、プーチンは欧州金融資本を毛嫌いしているように感じられるんです。覇権を握ろうとするEUに対して、ロシアがどう出てくるやら・・・・
(無論プーチンが倒れると、状況は一変しますがそんな展開もあり得るんでしょうか・・・・)

 垂心 | 2009.07.20 11:23

確かにユーロ、そしてEUを創設した意図とその主体を知る必要がありますね。
その上で、ドル失脚後の方向性を見極める必要があります。
ユーロ、元、ルーブル・・・・多極化勢力争いの中で円がどう動くか?どう動いていったら良いのか?
もう待ったなしの局面のような気がしますが・・・

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