2011-01-04

2011年 欧州VS米国、その中で中国は?

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新年あけましておめでとうございます。
今年もブログ「金貸しは、国家を相手に金を貸す」での追求により、今後、世界経済はどうなるのか?その中で日本の役割とは?みなさんと一緒に考えていきたいと思っています。
どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

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さて、私達の会員グループで昨年あつかったテーマは、
国家と市場の力関係の逆転
ユーロ発国家財政危機の行方
中国は誰が動かしているのか?(連載中)」以上3つのシリーズでした。
今回は、この3つのシリーズ及びなんでや劇場を通じて明確になってきたことを、以下の「GRAND THEORY Vol10 金貸しが支配する世界経済の行方」の図解をもとに整理したいと思います。
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経済の歴史を振り返ると、市場とは上記の図のように実体(物を買う)経済の拡大期と金融(バクチ)経済の拡大期に大きく分けることができます。そしてその裏では、金貸し(国際金融資本)が経済全体をコントロールしています。
■市場は「騙し」により成立し拡大してきた
市場(金貸し達)は、もともと私権闘争の抜け道として登場しました。幻想化した商品とうまい言葉により武力支配者を騙し、己の私権を獲得してきました。
その後、もともと騙し的要素のあるキリスト教と結託し、キリスト教の拡大に力を貸しそのネットワークを利用し、国家と結託して力を拡大してきました。その戦略は、騙しと掠奪です。
ルネッサンス以降、性と自我の開放により大衆を近代思想(騙し思想)に収束させ、近代市場を作ります。着々と国家と市場の力関係の逆転が進んでいきます。そして遂に大衆を巻き込んで民主主義国家を成立させ、国王の力を駆逐し、中央銀行により間接支配体制を構築し、国家と市場の力関係は逆転します。
参照「国家と市場の力関係の逆転
各国中央銀行の間接支配体制を確立した「金貸し(国際金融資本)」は、現在では、諜報機関やマスコミ・官僚・政治家を使って、国家をくいものにしています。
■実体経済の拡大期
金貸し達は、日本の高度成長期に象徴されるように、実体経済の拡大期には、貧困からの脱出エネルギーを上手く利用し、GDP信仰や市場の幻想共認により、その国の経済成長を促し市場化を推し進めます。簡単に言えば、その国を「お金がなければ生きていけない国」へと変質させます。そしてその国へ自分達の市場・金融システムを組み込んでいき莫大な利益を取っていきます。
昨年、上海万博が行われた中国も同様です。
中国の改革開放路線による拡大は、主に金貸し企業の外資が先導しました。

①まず深圳など南部沿海地域に四つの「経済特区」を設け、その範囲で外国からの投資を受け入れ開始。その後、東部沿海地域へ外資向け工業団地を拡大。近年では中国の総輸出の50%以上(2005年58.2%)を進出した外資系企業が占めるに至る。(現在は特区に限らずどこの地域でも外資の進出が可能)
②発展から取り残された内陸地域との格差を是正するために、国は開発の重点を内陸部に移したが、成果が出るまでにはかなりの時間がかかるなど、あまりうまくいっていない。
③外資に国内企業よりも有利な条件を提供してきた結果、中国の主要28産業のうち21産業を外資に支配されるなどの弊害が起こり始めた。現在、外資への優遇は徐々に廃止されている。
参照:連載!『中国は誰が動かしているのか?』2.中国ってどんな国1

そして、金貸し達は、ターゲットの国がどうように発展し、どこに旨みがあるか?分析しシナリオを描き、作戦を練っていきます。中国やBRICsの成長の背景には、大きなシナリオがあったことが分かります。また、そのシナリオの背後には、金貸し同士の闘いがあります。
参照:連載!『中国は誰が動かしているのか?』4 欧米の闇勢力による対中国シナリオは?

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シナリオ1、シナリオ2とは、米軍軍事覇権(ロックフェラー勢)が維持され、中国は軍事的にアメリカに押え込まれている=アメリカが覇権を握っている状態で、それを前提に中国が経済成長していくシナリオ。つまり今の状態が続いていくシナリオ。
シナリオ3、シナリオ4とは、米軍軍事覇権(ロックフェラー勢)が弱体化し、中国が経済、軍共に成長していき、覇権大国がアメリカから中国へ移行していくシナリオ。

■実体経済の頭打ちから、バクチ経済への移行
日本のバブル経済が象徴するように、先進国は実体経済の発展により経済が頭打ちとなります。
国民は、豊かさを実現し欲しい物がなくなりお金がだぶつきます。
そこで金貸し達が打ち出した次の手が、金融経済による「バクチ化」です。
そのバクチは、土地バブル・株式バブルを生みだし、ITバブル、石油や穀物等の現物の先物バブル、リーマン・ショックのもととなったサブプライムローンとそれを保証する保険、すなわち「借金」までもバブル化させるところまできています。その極めつけが「国家の借金:国債」です。昨年は、サブプライムローンの証券化と同じ手法を国債に使い、ギリシャ・ユーロ危機が発端となり、アイルランド・ポルトガル・スペイン他の国家破綻の不安が増大しました。参照:『ユーロ発国家財政危機の行方』1.ギリシャ問題・PIIGS問題とは?
国家破綻を防ぐため多額の金が、金貸し機関であるIMFや欧州中央銀行ECBから供給され、それが更なる借金となっています。
一方でドル・アメリカの財政危機も限界です。アメリカ中央銀行FRBは多額のドルの増刷により米国債を買い取り続けています。また、アメリカのPIIGSに匹敵する「CINNs」カリフォルニア州・イリノイ州・ニューヨーク州・ニュージャージー州の地方財政の危機が逼迫しており、全米で100以上の市町が今年、財政破綻する可能性も報じられています。アメリカが地方から崩れていく段階に入ってきました。しかしこの財政難の中で今年度の軍事費は、昨年11月の中間選挙で共和党主導に転換したこともあり、人類史上最高額を記録することが決まったようです。
バクチ経済化の結果、国家の借金(各国国民の負担)は増大する一方であり、もはや国家は破綻寸前です。市場は、国家に生えたカビであり、今や国家そのものを食い尽くそうとしています。
■2011年 今年の注目ポイント
以上の状況から2011年の注目ポイントは、以下の2点だと思います。
●欧州VS米国
●その中での中国及びBRICSの動き

欧州・ユーロ圏は、ドイツという先導役を持っていますが、米国はFRBが紙幣を増刷する以外は地方から急激に破綻に追い込まれています。また各国は、徐々にドル離れを進めており、中国+ロシアを始め、基軸通貨ドルを排除し、互いの自国通貨での貿易取引を始めています。
米国の軍事予算が史上最高値になったことで、米国は対中国に対して上記シナリオ1.2の米国覇権をもとでの中国の経済発展を何とか維持しようと考えているかもしれません。
また、中国はギリシャ国債を購入する等の動きもありました。ここは支援なのか?中国の覇権拡大なのか?見極めも必要です。
一方で、中国国内では、団派の胡錦涛・温家宝の時代から、2012年に向けて太子党・習近平の時代へ移行していく年でもあります。中国国内の動きも注目です。
今年も、更に追求していきたいと思います。
本年もよろしくお願いいたします。
トップ画像はこちらからお借りしました。
 

List    投稿者 yooten | 2011-01-04 | Posted in 未分類 | 3 Comments » 

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コメント3件

 tokyosilver999 | 2011.11.17 21:35

こんにちわ。いつも勉強させていただいておりありがとうございます。
歴史的にはペーパーマネーシステムからGOLD Standardに戻っていますので、今回も戻らざるを得なくなると思いますがいかがでしょうか?
すでに米ユタ州ではGOLD/SILVERを合法貨幣とみなす州法が可決されました。
あと今回はインターネットがあるので、世界は6−12カ月で大混乱からなんとか軌道修正始めると思うのですがどうでしょうか?

 hermes holland | 2014.02.02 13:35

hermes vintage website 金貸しは、国家を相手に金を貸す | 『実現論:序』 経済破局の下で秩序は維持できるのか?

 wholesale bags | 2014.02.11 0:59

金貸しは、国家を相手に金を貸す | 『実現論:序』 経済破局の下で秩序は維持できるのか?

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