2008-10-04
シリーズ「どうする?市場の独占支配」6
【第6回:イギリスのビックバンとウインブルドン現象】
マーガレット・ヒルダ・サッチャー
世界金融恐慌も間近で、唯一日本だけが健全性を維持しているにも関わらず、アメリカ支援と世界市場の落ち込みに引きずられている現在ですが、本来世界を救う立場の日本においても世界金融資本の魔の手が忍び寄っており、国際金融拠点プランなどが進行中で世界の次期金融拠点は日本にターゲットが絞られている可能性があります。(前回は、こちら)
国際金融拠点プランで日本がどうなる?ということを知る上で参考になるのが、イギリスのビックバンとその結果のウインブルドン現象(ウインブルドン効果とも呼ばれる)。ウインブルドン現象は「自由競争による淘汰」と云われており、資本主義の必然的帰着と云えばその通りで、資本強者が常に有利ということを端的に物語っています。
現在見舞われている金融恐慌でも「淘汰」「買収合併」が進むわけですが、マクロで見ますと、市場の拡大(大半が幻想経済=バブル)に伴って拡散し、バランスを崩した全体システムをリニューアル(再統合)しようという動きに見えるわけです。ここでも当然の様に資本強者(と資本強者が残すと決めたモノ)が生き残る可能性が高いのですが、生き残りをかけた戦いですから、ちょっと間違えば「もろとも」ということもなきにしもあらず。
重要なのは、アメリカ主導で拡大してきた幻想金融経済が生き残るのか、日本が堅持してきた実体経済が生き残るのかという瀬戸際の攻防戦だという認識でしょう。「闘争」の認識さえあれば土俵に立てるのですが、指揮官不在なのが悲しい・・・
今回の記事は、日本を幻想金融経済の1つの核に据えて、日本の金融を支配しようとする動きに対する警鐘です。この動きは、日本の陥落戦略だと捉えています。例えば、日本の銀行、証券等が全て外国資本に占拠されることをイメージして下さい。そうなれば、日本の資産の大部分が外資に握られることを意味し、『日本支配』を意味するのです。
それでは、イギリスの銀行が退場を食らったビックバンの概要を以下に示します。
日本の金融ビッグバンはこれにならったもので、国際金融拠点プランは日本にシティ(ロンドン金融市場の中心地)を造ろうという構想。これをやると、外資がバキバキ参入してくるわけです。これからしばらくの世界経済は日本が支える流れにあり、「ヤダ!」といえない空気が蔓延してくるわけです・・・