2011-09-16
『なぜ今、中東民主化が起きているのか?』【2】ニュースの整理:チュニジア編
前回は、プロローグとして、今回のシリーズの問題意識と今後の記事予定を紹介しました。【リンク】
今回は、最初に民主化運動の引き金となったチュニジアから整理してみたいと思います。
【事件の整理】
2010年12月17日、シディブジド(人口約4万人)という小さな町で失業中だった26歳の男性モハメド・ブアジジが果物や野菜を街頭で販売し始めたところ、販売の許可がないとして警察官が商品と秤を没収、さらには婦人警官の1人から暴行を受け、没収品の返還と引き換えに賄賂を要求。これに抗議するために同日午前、県庁舎前でガソリン(もしくはシンナー)をかぶり、火をつけ、焼身自殺を図る。当時のチュニジアは失業率が高く、街頭で果物や野菜を売り生計を立てる失業者も多かった。また、イスラム教を含むアブラハムの宗教は自殺することを禁じているため、イスラム世界においては米国などに対する自爆テロなどを除いて、自殺することは非常にまれで、自殺率は国際的にみて非常に低い傾向がみられ、その背景もあり、この事件がブアジジと同じく、大学卒業後も就職できない若者中心に、職の権利、発言の自由化、大統領周辺の腐敗の罰則などを求め、ストライキやデモを起こすきっかけになりました。
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