2012-12-26

日本史から探る、脱市場の経済原理(6)〜民衆発の社会事業を興した僧侶:行基〜

これまで見てきたように、古代日本(7〜9世紀)の経済システムの原型は唐の律令制度ですが、唐と全く同じにはならず、日本固有の展開を見せます。
プロローグ
(1)奈良時代に至る背景(支配者の変遷)と諸外国との関係
(2)在地首長制をひきずった古代律令制度
(3)徴税制度から民間流通へ、市場・商人の誕生
(4)日本で貨幣が浸透しなかったのは
(5)奈良時代の庶民の暮らしとは 
今回は、当時の日本の思想・宗教と経済の関係をみていきます。

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古墳時代〜奈良時代にかけて、日本には大陸から仏教が伝来し、古事記や日本書紀が編纂され、日本の宗教の原型がつくられました。そして、祭政一致の律令制のもとでは、遷都や寺社仏閣建設などの祭祀事業が国民経済の大きなウェイトを占めていました。
 
中でも、奈良の大仏の建立と、このプロジェクトに尽力した行基の働きは、当時の日本における、宗教と経済、官と民の関係を考える上で注目に値します。
 
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  投稿者 s.tanaka | 2012-12-26 | Posted in 未分類 | No Comments »