2008-11-19

世界経済はどうなる?!〜その3.金利と為替から見る経済状況〜

この間の金融危機を受けて、金利を下げるのかどうか、下げ幅はどのくらいかといった議論が進んでいます。
 
少し前の記事ですが。。↓http://www.chunichi.co.jp/article/economics/news/CK2008103102000237.html

日銀は31日、金融政策決定会合を開き、政策金利(無担保コール翌日物金利)の誘導目標を現行の年0・5%程度から、0・2%引き下げて年0・3%程度とし、即日実施することを決定した。世界的な金融危機を受け、国内景気を金融緩和で下支えし、急速な円高をけん制する狙いがある。


利下げをすると、円高を抑えることになるそうですが、なぜなのでしょうか?
 
今回は、金利と為替の関係から今の経済状況を探っていきたいと思います。
 
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■現状の動き
 
主要国の政策金利の推移を見てみます。

  
・07年8月頃から、まずアメリカが金利を下げており、各国は主に08年9・10月頃から大きく金利を下げている。
・日本の金利が過去から異常に低い。
ということがわかります。
 
一方、ここ1年の為替の動きを見ると、(上:円対ドル、下:円対ユーロ)
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となっており、主要通貨に対して円が急騰しています。
 
 
■これまでの金利と為替の動きは?
これまで日本で低金利政策が続けられてきたのはなぜなのか。一方、アメリカの金利政策はどのようなものだったのか。そしてそれにより為替はどう動いたのか、見ていきます。
 
背景には、先進国では貧困が消滅したことにより、市場拡大が停止してしまったという構造があります。各国ともこれまでの経済成長を前提とした政策が行き詰まり、小手先の対応で凌ごうとしている状況です。
<日本の状況>
①バブル崩壊後長期に渡ってデフレが続き、景気低迷したままでした。
②⇒そこで景気回復させるために金利を下げ、特に99年〜06年の間はゼロ金利(量的金融緩和)政策がとられます。(しかし金利を下げても借り手が少ないので、景気は低迷が続く。)
③⇒他の国の金利と比べて、極端に金利が低い日本に目をつけたヘッジファンドなどが、円キャリートレードを拡大させていきます。
※円キャリートレードとは、金利の低い円資金を借り入れて他の国の通貨に換え(円売り)→その通貨を証券などに換えて運用し、→一定期間後に売却して円を買い戻し、円を返却することで、その差分の利益を得る手法。
④→円キャリートレードで運用するファンドが増えれば円売りが進むため、円安に向かう。
(金利▼→キャリートレードで円売り→通貨▼)
 
<アメリカの状況>
①モノを輸入したり戦費など国の支出を賄うために、ドルを次々に発行することで、ドルの担保となる国債=借金が増えていく。(特に71年ニクソンショック以降)
②⇒米国債は高利回りでないと買ってくれないので、高金利政策に向かう。
(米国債の主要な買い手である日本に対しては、利下げ圧力を掛けている。)
③米国債が買われ続け、ドル高が維持される。
(金利△→米国債買い→通貨△)
 
※金利はその通貨の価値を表します。金利と為替の関係については基本的に以下の構造があります。
・低金利通貨→低金利が嫌気されその国から資本が流出→通貨売り→為替レートの低下(日本の場合には円安へ)
・高金利通貨→高金利を好感してその国へ資本が流入→通貨買い→為替レートの上昇(日本の場合には円高へ)
  
金融危機を受けて、金利と為替の動きは?
ところが、ついに07年夏頃、アメリカの住宅バブル崩壊が進むとともにサブプライムローンの破綻が顕在化していきました。
その結果、金融機関を始め各企業の資産に穴が空いたり、また信用不安から保有している証券や株を売りだすので、株価が低迷します。そこでFRBは金利を下げて、ドル大量発行=米国債の大量発行を続けることで景気回復を狙いましたが、その結果、ドルの下落が加速していきました。
 
(アメリカ以外の主要国が08年10月に協調して利下げをしているのは、金融危機の不安を取り除くためといわれています。ただし市場は依然として疑心暗鬼で利下げ効果は薄いようです。)
 
また世界的な株安に加え、円と他国通貨(ドル)との金利差が縮小することで、ヘッジファンドは株を売り払って円キャリートレード解消に向かいます。清算時に円を買い戻して返済しますので、円買いが進み円高に向かいます。
さらに、金融危機が世界全体に及んでくると、投資資金が避難先を求めて比較的安全な通貨である円に集中した結果、急激な円高が進んでいます。

  
■なぜ円だけが高くなる?
各国とも、世界的な金融危機を受けて危機的な状況にあります。その要因として、
・金融機関などの資産の多くが不良債権化し、金融不安が大きい。
・ドルで外貨準備をあまり持っていない国は、自国通貨が下落した時に買い支えられない。
 
対して日本は、
・諸外国に比べ金融損失がまだ少ない。
・外貨準備が多いので自国通貨を買い支えることができる。
・円キャリートレード解消が進み円高に向かっている。
これらの点で、安定した通貨と捉えられているようです。
 
これらの状況から、今後世界経済を支えていくのは日本しかないと思われます。今後の世界経済をどうしていくのか、その答えを示していくことが求められているのではないでしょうか。
 
*********************
 
参考記事:
国際戦略コラム「新世界体制に向けて」 http://www.asahi-net.or.jp/~VB7Y-TD/201018.htm

List    投稿者 kknhrs | 2008-11-19 | Posted in 未分類 | 2 Comments » 

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コメント2件

 モンブラン ボールペン | 2013.10.24 23:37

別に引っ張る程のネタバラシでもないんですが、実は、モンブランボールペンとは、モンブラン社(MONT BLANC社)が扱っている高級ボールペンのことで、ボールペンだけではなく、時計や万年筆など、様々な種類があり、その品質は価格に見合う最高級の逸品といわれている代物です。

 wholesale bags | 2014.02.09 12:56

金貸しは、国家を相手に金を貸す | 鎖国の可能性を探る!-12 新エネルギーどう向き合う?

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