2011-03-24

シリーズ「食糧危機は来るのか?」7食糧主権を憲法に規定する動き(2)新自由主義からの脱脚:番外編                    

前回の投稿では、途上国で見られる、憲法に「食糧主権」を規定する動きに関して、まずそもそも「食糧主権とは何か」ということから始まり、具体的な例(エクアドル)を挙げて、検証を行った。
その結果、現時点では、先進国に食糧を依存している、という産業構造に大きな変化は見られないことがわかった。
では、なぜ国内状況が改善されないのか?
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前回のブログから、エクアドルの産業構造に変化がみられないのはなぜか?という疑問がでてきた。
これに「答え」を出したいところではあるが、明確に「これだ」というものを出すことはできなかった。それを提示してしまうことは徹底した事実認識から、「答え」を生み出していく、という当ブログの目的とは沿わないので、今後、調査を進めた上で、まとまった形で提示したいです。(期待されていた方には申し訳ないです。。)
ただ、現時点で、言えることとしては、エクアドルの場合は、貧困、食糧不足、といった生存圧力からくる、「自分たちの食糧は自分たちで作ろう」といった国民間での共通認識がある。(国民投票で7割の賛成を得た、ということからわかる)
一方で、日本の場合はどうかというと、「食糧主権」を主張しているのは、一部の農業関係者だけであり、国民間の共通認識は、全くはかれていない。具体的な政策を考えていく、それ以前の状態なのだ。
 
しかし、現在、日本の「食」を巡る環境は、先日の地震以後、大きく変化している。今後、日本はどうなっていくのか?ここからは、まず、地震による被害がどの程度だったのかをデータなどを用いて示し、その上で、今後日本の「食」をめぐる環境がどうなっていくかということについて考えたい。
まず、今回の被害についてたが、次の記事を見てほしい。

 農林水産省は23日、東日本大震災による津波で浸水した田畑が岩手、宮城、福島の3県で約2万ヘクタールに達するとの調査をまとめた。阪神大震災での田畑の被害面積の100倍の規模だ。農業を再開するには、海水がもたらした塩分を田畑から取り除くなどの作業が必要で、今後の作付けに甚大な影響が出そうだ。
 国土地理院が撮影した衛星写真や現地調査に基づき、農水省が分析した。内訳は岩手が1800ヘクタール、宮城が1万3千ヘクタール、福島が5400ヘクタール。仙台平野や北上川河口付近が広範囲に浸水した宮城の被害面積が最も広く、同県内の田畑の9.5%を占める。青森や茨城などでも田畑の浸水は起きたが、今回の結果には含まれていない。
 今後の復旧作業について、農水省は23日の衆院農林水産委員会で「土の搬入、除塩、排水対策など総合的な取り組みが必要。除塩にはかなり時間がかかる」と説明。地盤沈下で排水が難しくなっている田畑もあり、塩分の濃度によっては対策に1年以上かかる可能性もありそうだ。
 一方、農水省が自治体から報告を受けてまとめた浸水や地震による農地の損壊は、21日午後3時現在で、岩手、福島、茨城など10県(宮城県は含まず)で計590カ所。取水施設やダム、水路など農業用施設の損壊も、東日本を中心に16県の5471カ所に上っている。実態把握が進んでいない地域も多く、被害がさらに膨らむのは確実だ。
 

(2011年3月24日付 朝日新聞より→リンク
以上のように、今回の地震で日本の農業が受けた被害は甚大なものである。(「塩害」って何?という方は→リンク へ。わかりやすく述べられています)
では、具体的に岩手、宮城、福島では、どういった作物が作られていたのか?そのことについて詳しくみていく。
以下の図は、農林水産省が公表している2009年(平成21年)のデータをもとにして作成され、→リンクで、公開されていたものである。
%E7%B1%B3%E3%81%AE%E7%94%9F%E7%94%A3%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.png
図からも読み取れるように、福島、宮城、岩手の3県で、全国の米の収穫高の13,4%を占めている。また、福島県HPの「福島県農林水産業の現状」によると、
(http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/nourin_2010_01_genjou.pdf)によると
福島県の野菜全体では15位で、果実が9位、と全国の生産高のうち上位を占めている。
これらのデータから、今回被害を受けた地域は、日本の農業にとって、甚大な被害をもたらすものだということがわかる。また、放射線汚染の心配から、出荷制限が行われている品目もある。
また、ここまでは農業についてのみ触れてきたが、津波による被害によって、東北地方の漁港、漁村も壊滅的な被害をうけていることから、漁業に関しても、同様のことが起こっていると考えられる。
つまり、日本の「食」に関する生産量は、今後間違いなく下がる。そうすると、次に何がくるのか?
「TPP導入」の動きが加速
であろう。しかし、今までの本ブログを遡ってもらえればわかることだとは思うが、TPPへの参加がもたらすものは、より大きな市場への参入であり、市場への参入は、アメリカ、ヨーロッパなどによる「食による支配」を強め、より食糧危機を現実的にしてしまうだけである
 では、こういった動きを防ぐにはどうしたらいいのだろうか?現在ネットでも、「地震による被害→生産力の低下→TPP参加→日本の危機」ということはよく言われており、一部ではこういった一連の動きを誘発しようとした勢力による地震兵器の存在を示唆するものもある
 しかし、重要なのは、そういった陰謀論の検証もさることながら、まずは「日本の食をどうする」、といった問題意識を共有し、その中で具体的な「答え」を示していくことではないか
 
そのことについて、次回の投稿から具体的に提案していく。

List    投稿者 d0020627 | 2011-03-24 | Posted in 未分類 | 5 Comments » 

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コメント5件

 アリス | 2012.02.18 23:38

コメントを入力してください経済音痴です。
いろいろ言えたものではないですが、円高って、外国の陰謀に思える。円高二して、日本の製造業を、海外へ移転させた後、円安に誘導し、日本を潰す計画です。日本の財産、ごっそり持っていく気がします。

 watami | 2012.02.20 21:50

アリスさん、コメントありがとうございます。
「円高は外国の陰謀」というのは、間違いないと私も思います。
3.11大震災直後にも、不自然な人工的円高ドル安現象が生じており、国債金融機関への資金移動が行なわれたようです。
(詳しくは⇒http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=254616)
そろそろ日本人も目を覚まさないといけませんね。

 mizusi | 2012.02.25 0:42

介入によって円高を是正すると言う行為は、税金をつかって一部の企業(輸出を主とする企業)を優遇している行為と思えるのですが・・・
また、為替の長期的な決定要因はその国ごとの購買力平価,物価上昇率に左右されるので、米国と日本の物価上昇率の差から考えて円高に向かうのは必然だと思います。
今回日銀がインフレ目標を明確にしたことによって少しもどってますし(1%では足りないとは思いますが)
世界各国がインフレ目標を設定しているのに、日本だけしていないという点については日本の責任だと思いますが…

 オメガの時計 | 2013.10.26 20:27

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