2008-04-11

G7は既に機能不全に陥っている!

4月11日(日本時間12日早朝)にG7がワシントンで開催される。日本からは、額賀財務大臣と新任の白川日本銀行総裁が参加する。 
 
G7・先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議は、米国、カナダ、日本、英国、フランス、ドイツ、イタリア及び欧州連合の財務大臣及び中央銀行総裁が、世界的な経済・金融問題を話し合う会議である。 
 
しかし、この7カ国が集まって、現在の世界経済の問題を本当に協調して、解決策が出せるのだろうか?はなはだ疑問である。 
 
前回2月のG7について、『世界的な市場混乱に直面し形骸化が鮮明になったG7、メンバー国チェンジの声も』との論評記事をロイターが報じていた。 
 
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9日に開かれた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は、不確実性が高まる世界経済や金融市場の安定化についての討議を終え閉幕した。だが、サブプライム(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題に端を発した世界的なマーケットの混乱と景気後退リスクに直面しても、有効な具体策は示されず、会議後に各国が個別に開いた会見では、不協和音も目立った。
 
「形骸(けいがい)化」・「サロン化」が進んでいると言われて久しいG7会議は、世界のパワーバランスをより正確に反映させるためにメンバー国の交代が必要だとの声もある。ドルを基軸にすえた現在の国際金融システムが揺らぐ中で、新システムの構築はできるのだろうか。 
 
<米国に距離を置く欧州> 
 
G7の形骸化が進んだ背景には、メンバー間の相互不信がありそうだ。 
 
ポールソン米財務長官はG7後の会見で「世界市場の混乱は深刻で長引く公算で、緊張を和らげるために各国は、緊密に協力する必要がある」 と強調した。米国はG7会議では他のメンバーに財政出動を求めなかったものの、既に大幅な金融緩和と大型の景気対策を決断した米国は、欧州諸国とその他の国々が米国の需要落ち込みを埋め合わせるために必要な措置を講じるべきだとG7前から主張してきた。 
 
これに対して、欧州は一定の距離を保った。欧州中央銀行(ECB)理事会のメンバーであるドラーギ・イタリア中銀総裁は会見で「欧州では信用収縮は起きておらず、米国とは同じ状況にない」と述べ、シュタインブリュック独財務相は「ドイツで景気刺激策や成長見通しの改定が必要だとは思わない」と指摘。「欧州が金融市場の混乱に巻き込まれずに済むとは思っていないが、ファンダメンタルズはしっかりしている」とユンケル・ユーログループ議長は言う。 
 
欧州が米国に距離を置く姿勢は、今回始まったことではない。「ここ10年ほど、G7を自分の都合に合わせて使おうという米国の意図があからさまで、欧州諸国はG7会議に距離を置くようになった。今となっては、ほとんどの国が、真剣に議論して具体的な結論を出すフォーラムだとは思っていないだろう」(国際金融筋)という。

 
 
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  投稿者 leonrosa | 2008-04-11 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨7 Comments » 

インドやベトナムなどが国内向け食糧確保のためコメ輸出を規制 〜自国の胃袋を最優先するという当たり前の政策姿勢に転換〜

私は、30代の会社員です。まさしく飽食の時代に育ちました。
今まで、食事に事欠く経験などしたこともありませんし、そのような心配をしたこともありません。
しかし、私たち日本人にとって、食糧確保や食の安全保障が深刻な問題になってきているような気がします。
大豆やとうもろこし、小麦といった穀物価格の国際的な急騰の煽りを受けてか、日本人の主食であるコメの国際価格も急激な上昇をしているようです。
もちろん、国際的に流通しているコメは、日本人が好む品種とは異なる品種ですが、すでに沖縄の泡盛というお酒は100%輸入米で醸造されているようです。
中長期的、かつ、、代替可能かどうかという視点で考えると、同じ主食穀物であるコメとして、今後価格が上昇する可能性は多分にありそうです。
現在の日本の食糧自給率は、40%に達していません。食べ残しなど無駄に廃棄している量を考慮しても、不足することは、明らかでしょう。
遅きに失した感はありますが、日本の安全保障の観点からも、そろそろ自分たちの胃袋をどうやって満たしていくのかを真剣に考えてもいい時期に来ているのではないでしょうか?
以下引用
日本農業新聞・食ナショナリズム(2008.3.19) 

□自国の胃袋 最優先(禁輸)/混乱する穀物貿易 
 
 自由貿易、国際化、市場原理。世界中の農業と食の分野で語られてきた「改革」の危うさが一気に吹き出した。食べ物が不足する時、人はまず自分と家族の分を最優先する。国は自国民を品不足から守ろうとする。国際穀物需給の逼迫(ひっぱく)と価格高騰の中で、穀物の輸出国は相次いで輸出規制に踏み切った。食のナショナリズムは、穀物貿易を大きく揺さぶり始めた。
 バングラデシュとの国境に位置するインド西ベンガル州の都市、イングリッシュ・バザール。2月8日、米を積んだトラックの通関手続きができず、突然の渋滞が始まった。3日後には300台に達した。ドライバーは出国が許可されず、引き返すこともできない。地元紙は「米の禁輸措置で大混乱」と報じた。
 インド通産省は、高級な香り米を除いて普通の白米の輸出を昨年10月9日から突如禁じた。その後、水害で大幅な米の減産となったバングラデシュ向けに限って輸出を一部解禁。だが、今年2月7日、再び政府間貿易を除き、原則として禁輸を決めた。国境の立ち往生は政府の急な決定に業者が振り回されたものだ。
 「国民に配給するのに十分な在庫がないとなれば、輸出を規制することは当然だ」。政府系のジャイパー開発研究所前所長のシャブド・アチャルヤ博士は言い切る。インドでは米輸出は1991年までは完全な輸出許可制だった。97年に原則自由化され、数量制限と最低輸出価格制度が一部残った。その後、公式には完全自由化されて、輸出も奨励された。
 しかし、米の需給が逼迫するや、「インド政府はためらわずに禁輸を決めた」
(タイの大手米輸出業者)。国内の需要が伸びていることに加え、アフリカ向け輸出も好調。昨年のインドの生産量は過去最高の9400万トンを記録したが、急増する米輸出を前にして、国内の米供給を最優先する姿勢を明確にした。

 
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  投稿者 katuko | 2008-04-11 | Posted in 06.現物市場の舞台裏3 Comments »