2010-08-29
ゴールドの真相に迫る−1 プロローグ
彼らには不思議でならなかった。金は、それ自体では何の役にも立たないのに、世界中のあちこちで尊重されている。そもそも人間が用いるためにつくられ、人間が尊重するからこそ価値が生じるものなのに、今ではその人間よりももっと価値があるとされているというのである
——サー・トーマス・モア(1478〜1535年)『ユートピア』——
金の歴史は、世界支配(世界覇権)の歴史である。金を持つ者が世界を支配した。19世紀までは金が世界支配者の印であった(「副島隆彦の今こそ金を買う」より)
2000年代に入って、ゴールドの価格は上昇を続け、とりわけ’05年以降の5年間だけで、1トロイオンス(31.103グラム)約400ドルから約1200ドルへ、約3倍に膨れ上がった(ロンドン金)。さらに’07年のサブプライムローン、’08年のリーマンショック以降、その上昇スピードも増加している。
これは言うまでも無く、ここ数年の世界的な金融危機と国家財政危機による何京円にも膨れ上がった巨大なデリバティブ市場の収縮、そして、基軸通貨ドルをはじめとするペーパーマネーの信用急落を受け、現物であるゴールドに急速に資金が流れているためだ。しかし、これは単に、資産価値を保全するためにゴールドで持とう、というだけの話ではおそらくない。
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