2009-11-26

アメリカ政府紙幣の歴史③〜FRBの成立

前々回の記事『アメリカの政府紙幣の歴史〜グリーンバック紙幣〜』
前回の記事 『アメリカの政府紙幣の歴史〜金貸しの逆襲』の続きです。

>1863年、1864年に国立銀行法が成立します。
>国家の信用力を背景に、金貸し支配が着々と進んでいることがわかります。

一方でアメリカ国内では、強大になった銀行の力に拠らない方向性を模索し、グリーンバック運動が起こります。
GB%E7%B4%99%E5%B9%A3.jpg
1876年、運動の中核として第三党の「グリーンバック党」が結成され、党勢力が最高潮に達した78年の選挙では、100万票を集め、14人の下院議員を連邦議会に送っています。

また1892年の大統領選挙で、グリーンバック党の大統領候補に指名されたジェームス・B・ウィーバー議員は惜しくも敗れたものの一般投票100万票以上を獲得し気を吐きました。

さらに96年の大統領選では、同じ国家通貨支持の人民党ウィリアム・J・ブライアン候補を推し、金貸しの推す共和党ウィリアム・マッキンリー議員と激しい選挙戦を戦いましたが、これも惜敗します。

抵抗してくる勢力に金貸しは・・・と続きの前にランキング応援ポチっとよろしくね


にほんブログ村 経済ブログへ


ポチッとありがとうございました

勝利したとはいえ、危機感を覚えた金貸しは「中央銀行法」の制定の為に手を打ってきます。
表向きの理由は金融システムの磐石化です。
1907年には、ロンドンでのアメリカ銀行の手形割引拒否に端を発する恐慌が起き、アメリカ国内の決済システムが混乱しました(させました)。
これまでは銀行の資金不足を、他銀行によってカバーしていました。しかし銀本位制からより希少な金本位制にされていたために、急に巨額な資金がショートすると元となる金がなく紙幣増発が間に合わなかったのです。この弱点をついてきました。
この危機を、モルガン財閥が、私的紙幣2億ドルを印刷して救ったのです。「経済(=金融)を安定化させるためのシステムが必要だ。」という世論形成に一役買ったのは容易に推定できます。

また、当時アメリカは35億ドルもの債務を抱える世界最大の債務国でした。そのため金の保有高不足で金本位制では紙幣発行ができなかった(⇒「国債本位制」に乗り換えたかった)という状況に追いやられていました。

FRB%E5%BB%BA%E7%89%A9.jpg
そして具体的にアメリカに中央銀行設立を要求してきたのは、、アルフレッド・ロスチャイルド男爵でした。
彼は、ライオネル・ロスチャイルドの息子であり、大英帝国の金融王ネイサン・ロスチャイルドの孫にあたります。
ロスチャイルド男爵の委任を受け、モルガン財閥とナショナル・シティバンクの幹部が1910年11月にジョージア州のジキル島で会合を開いています。
そして後に中央銀行設立法(オーウェン・グラス法)に署名した民主党のウッドロー・ウィルソン大統領が、大統領選挙に出るときに、選挙資金を用意したのが、そのナショナル・シティバンクなのです。

ロスチャイルド — モルガン — ナショナル・シティバンク — ウィルソン大統領

というラインが出来上がります。
しかも、選挙のときには、共和党が分裂するという失態を演じ、民主党のウィルソンは有利に選挙を運ぶことが出来たのです。
共和党現職のタフト大統領派と、元大統領のセオドア・ルーズベルト派とで分裂し、ルーズベルトは革新党などという政党を作り、結果、民主党に大統領の座を奪われることとなったのです。

こうして1913年12月23日多くの上院議員がクリスマス休暇中でまばらな議会の中で、ウッドロー・ウィルソン大統領が署名し、発案者の民主党のカーター・グラス下院議員と、ロバート・オーウェン上院議員とが提出した、グラス・オーウェン法(=中央銀行法)が成立しました。

そしてワシントンD.C.に駐在する連邦準備制度理事会と12地区に分割された連邦準備銀行により構成される連邦準備制度(FRB)が成立したのです。

%E3%83%8B%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%83%B3%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98.jpg
これにより紙幣の原点は、金融資本(銀行家)の金の保管証券国家の借用証書(国債)の二つになりました。
そして1971年8月15日、リチャード・ニクソン大統領により、ドルと金との交換停止宣言が行われ、国家の借用証書(国債)を原点とした連邦準備制度FRBが世界の金融システムを束ねることになったのです。
そしてアメリカの政府紙幣の動きは封印されたのです。

その後、るいネット「FRBに抵抗する者はことごとく暗殺された」にあるように、通貨発行権を取り戻そうとする動きは、悉く抹消され、政府紙幣もインフレの元凶というレッテルを貼られ、経済界からこれまた抹消されています。
「生産—消費」という経済システムが、「金融システム」によって金貸しに乗っ取られています。これに対抗するには、もっと大きな社会システムそのものの視点をで捉えなおすしかなく、その為の社会共認とシステム検討が不可欠と考えます。

List    投稿者 goqu | 2009-11-26 | Posted in 未分類 | 2 Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kanekashi.com/blog/2009/11/1097.html/trackback


コメント2件

 hermes handbags germany | 2014.02.02 0:56

travel the world of hermes 金貸しは、国家を相手に金を貸す | ギリシャ危機4 金貸し達の狙いは何か?

 wholesale bags | 2014.02.09 15:55

金貸しは、国家を相手に金を貸す | ギリシャ危機4 金貸し達の狙いは何か?

Comment



Comment