2009-11-01

ドルに代わる通貨システムは?〜4.IMFの実権は誰にある?(1)

IMF_board_of_governor.jpg前々回の記事では、ドルに代わる国際決済通貨の候補の一つと目されるSDR(Special Drowing Roghts:特別引出権)の仕組みを紹介した。ドル・ユーロ・円・ポンドの主要4通貨のバスケットであるSDRの発行主体はIMF(国際通貨基金)である。
貧困国への融資を(表向きの)使命とする世界銀行に対し、先進国の金融安定を(表向きの)使命とするIMFは、2000年代初頭には、もはやその役割を終えつつあると言われていた。しかし、昨年の世界金融危機以降、急速に存在感を増し、出資金の増強やIMF債の発行などによって、着実にSDRの普及を進めているように見える。
(表向きの)と書いたのは、かつて世銀が悪名高い『緑の革命』で第三諸国の伝統農業を破壊し米国の食糧支配下に組み入れたように、また、IMFがかつてアルゼンチンや韓国など金融危機に陥った国々に厳しい介入を実施し、やはり欧米に有利な市場ルールを強制したように、これら国際金融機関の実の目的は、欧・米・金貸しの世界支配だからだ。それでは現在、SDRを国際通貨にしようとしているIMFの支持勢力はどこなのか?その組織体制と最近の動きから考えてみたい。
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  投稿者 s.tanaka | 2009-11-01 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨7 Comments »