2019-09-10

国際情勢の大変動を見抜く!-29~米朝首脳会談は、トランプが民族自決の北朝鮮との協調を持ちかけた~

 

米朝首脳会談

著者は、「米朝首脳会談は金正恩の後ろ盾:金貸しが手を引いた結果である」としていますが、当ブルグでは別の観点から考察したいと思います。

首脳会談の意図としては、自国ファースト:民族自決を目指すトランプ大統領が、最初は敵対関係であったが、北朝鮮と関わる中で、北朝鮮という国が長い間に渡ってそれを実践してきたということが分かり、急速にトランプが近づいたという見方はできないだろうか。

 

著書では、金貸しが「世界のトラブル・メーカーとして国際干渉政策場利用価値のある北朝鮮を温存」としているが、それだけの理由で北朝鮮支配を行ってきた根拠してはやや薄い感じがする。朝鮮戦争が金貸しによる策略という点はその通りだが、北朝鮮支配するにはメリット少ない。

 

北朝鮮に対する歴史的事実としては、以下に紹介する『るいネット』の投稿が辻褄が合う。

>北朝鮮は、一貫してアメリカの軍事圧力、経済封鎖圧力に晒されてきたが、日本の支配層の様な隷従・属国化の道を拒み、民族自決・徹底抗戦の道を選んだ。(参考:『北朝鮮の核武装をどう見るか?~民族自決の闘いを貫徹。頭がおかしいのは卑屈な属国根性が染みついて何も見えなくなっている日本の政府・マスコミ。実は米軍は張子の虎。戦えば北朝鮮に負ける』)

 

その他、トランプがシリア空爆に踏み切ったのは、就任間もないトランプの止む無き対応とのこと。反対勢力やネオコンによる対プーチン戦略に対する「アリバイ工作」とのこと。なるほど。

 

また、対中国に対する対応ももしかすると「アリバイ工作」か?ジャック・アタリの中国衰退の「預言」(実は計画)から金貸しは中国を見限るつもりなのは分かる。トランプの対中国経済戦略も攻撃的。だが、トランプが金貸しの戦略をそのまま忠実に遂行するようには思えない。

 

今後は、この辺りに留意し追求していく。

 

『知ってはいけない現代史の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。

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■2018年 米朝首脳会談

 

◇通説   :米朝首脳会談は、北朝鮮が制裁解除と経済支援を望んで開催された。

◇歴史の真相:米朝首脳会談は、金正恩の後ろ盾・国際金融勢力が手を引いた結果である。

 

●朝鮮半島統一のシナリオ

 

前述したとおり、1950年に始まる朝鮮戦争はアメリカ、イギリスとソ連が仕組んだ八百長戦争でした。得をしたのは戦争資金を融資した国際金融資本家と、武器を売って儲けた軍需産業のいわゆる「軍産複合体」です。彼らの先兵であるネオコンは、世界のトラブル・メーカーとして国際干渉政策場利用価値のある北朝鮮を温存してきたのです。

 

ところが、トランプ大統領は国際干渉政策を否定し、各国ファーストを唱えるナショナリストです。だから、トランプの北朝鮮政策は、北朝鮮が自国民の利益を考える体制に移行させることを目指しているのです。つまり、「北朝鮮ファースト」です。結局、それまで相次ぐミサイル発射などでアメリカを正面から挑発してきた北朝鮮の方が突如として態度を変え、2018年6月、シンガポールで史上初の米朝首脳会談が開催されました。これはつまり、北朝鮮・金正恩の後ろ盾だった国際金融勢力が手を引き、金正恩が孤立したということを意味します。

(さらに…)

国際情勢の大変動を見抜く!-28~普通の国家として考えると見誤る中国~

習近平

中国を見るときに忘れてはならない重要な視点として3つ挙げています。

  1. 中国は共産党の独裁国家であるということ
  2. 中国人は超個人主義者であるということ
  3. 中国人に国家感はないということ

儒教の国中国は、家族としての結びつきは強いが、それを超えた集団、国家としての意識が希薄な個人主義の人種ということです。その意味で中国共産党が強制圧力によって統合する国家ということになっている。   中国人は個人の儲けにしか興味がないので、中国経済が抱える三重苦(:①国営企業の民営化の行き詰まり、②巨額不動産投資がバブルの後遺症、③活路を見出すために始めたAIIB(アジアインフラ投資銀行)や一帯一路構想の停滞)によって、統合が危うくなっているというのです。   アメリカが現在中国に圧力を掛けている背景には、そのような国力低下が背景としてあるようです。

 

『知ってはいけない現代史の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。

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■2017年 G20ハンブルクサミット

◇通説   :「相互に連結された世界の形成」をテーマに率直な意見交換が行われた。

◇歴史の真相:世界の運命に決定的な影響を及ぼすのは米露関係であり、中国は蚊帳の外であることが明確化した。

 

●G2とは米露のこと

私が奇妙に思うのは、たいていどのメディアもロシアと中国を同列に論じている、ということです。これは、日本の旧親米保守層の発想でもあるでしょう。こういう見方は世界の権力構造の本質を見誤ります。 (さらに…)

反グローバリズムの潮流(イギリスのEU離脱は国会の巻き返しで停滞、総選挙に進む?)

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前回は、イギリスのジョンソン首相が国会を閉会にして、EU離脱に向けて突き進んでいるとお伝えしましたが、今度はイギリス国会の野党が、反撃に出ました。9月3日に開会した議会は、まず議事進行の主導権を政府から議員側に移す動議を賛成328票、反対301票で可決。その上で9月4日には「合意なしブレグジット」を阻止する法案を賛成327、反対299で可決。さらに、これに対抗するためにジョンソン首相が提案した解散総選挙の議案を否決したのです。今後、イギリスのEU離脱はどうなるのでしょうか。 (さらに…)

  投稿者 dairinin | 2019-09-05 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

朝鮮半島、日米韓関係が、世界変化の潮流に押されて変わろうとしている。

【アメリカ】Vs.【ロシア、中国】の下で、日本と韓国、北朝鮮とがある。

朝鮮半島の綱引き、日米韓の関係は、アメリカ支配のこれまでの世界から、ロシア・中国に覇権が移行していく流れにもまれている。

この間の流れを改めて眺めてみると、ロシア・中国が動き出したという感じだ。

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◎6月にトランプは、突然に板門店で金委員長と会談をして見せた。
◎7月に日本は韓国をホワイト国除外予定すると発表。韓国の猛反発で日韓経済戦争に。
◎7月にロシアと中国は、連携して軍事力で圧倒しているぞと、竹島上空を侵略して見せた。
◎8月に中国の外相が北京会談で、日韓は仲直りして3か国でビジネス環境を作ろうと提案。
◎中国が北京を訪れて、朝鮮半島危機は、北朝鮮を指示すると表明。

<上記のニュース>~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

■トランプ米大統領が6月末に韓国と北朝鮮の軍事境界線がある板門店で金委員長と会談し、非核化に向けた実務者協議の開始で合意した際には中国側に衝撃が走った。

■日本、韓国、中国の外相が8月21日に北京で会談、その席で中国の王毅外相は日本の河野太郎外相、韓国の康京和外相に対し、両国の対立を話し合いで解決するように促し、3カ国が科学技術で協力し、公正なビジネス環境を築こうと訴えた。

■中国が、朝鮮半島危機の解決に向けて北朝鮮を支持
http://parstoday.com/ja/news/world-i55428 より
2019年09月03日

いあ

•中国の王毅外相と北朝鮮のリ・ヨンホ外相

中国の王毅外相が、北朝鮮のリ・ヨンホ外相との会談において、「中国は、朝鮮半島危機の解決に向けて北朝鮮を支持する」と表明しました。

イルナー通信によりますと、王外相は2日月曜、リ・ヨンホ外相と北朝鮮・ピョンヤンで会談し、「中国は、朝鮮半島の非核化に関して北朝鮮を支持する」と語っています。
両外相はまた、この会談で朝鮮半島危機の解決および二国間関係の拡大を強調しました。
一方のリ・ヨンホ外相も中国と北朝鮮が両国関係発展の新たな時代に突入したとし、両国間の協力や関係の推進に向けた北朝鮮の努力を強調しました。
王外相は2日月曜、3日間の予定でピョンヤンを訪問しました。

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by猪飼野

  投稿者 dairinin | 2019-09-03 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

反グローバリズムの潮流(イギリスの国会を閉会。EU離脱は、秒読み体制?)

_108522834_6f60ff4c-e378-452f-a58f-42df37383a0a前回の反グローバリズムの潮流では、イギリス首相選挙でボリス氏が勝利し、安定よりわくわくする未来を選択したと思われることをお伝えしましたが、ボリス首相は、その期待を受けてEU離脱に向けて突き進んでいます。そして、EU離脱を確実なものにするために、議会を閉会するところまで実行に移しました。一体、何が起こっているのでしょうか。 (さらに…)

  投稿者 dairinin | 2019-08-29 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

世界秩序の作り役をアメリカから取り上げて、新たな秩序作りが動き出した。

イランに難癖を付けてイランとの核合意を勝手に離脱して、イランと喧嘩を始めたアメリカ。

欧州諸国が苦言を発するが、云う事を聞かない。
フランスはアメリカ抜きでイラン核合意を仕切り直そうと提案し、ロシアも「賛成」。

これまでのアメリカ主導の世界秩序が崩れ出し、アメリカ抜きで欧州はロシアとの連携を強め始めている。

これまでの世界は、
【西側】アメリカ+欧州+日本他の資本主義体制
Vs.
【東側】ソ連+中国+北朝鮮他の共産主義体制
という、二派の対立というグルーピングだったが、それが完全に崩れてきた。

今や、
【旧勢力】アメリカ一派
Vs.
【新勢力】ロシア+中国一派+欧州他
に収束し始めている。

現状、日本は明らかに没落しつつある【旧勢力】に所属している。

以下、EUとロシアが、新たにイラン核合意を結び直す事を合意の記事
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■ロシア大統領が、仏大統領の核合意関連の提案を支持

4bmx9be0f0444cr8re_800C450        ◆プーチン大統領とマクロン大統領
http://parstoday.com/ja/news/world-i55308より

ロシアのラブロフ外相が、「わが国のプーチン大統領は、核合意に関するフランスのマクロン大統領のイニシアチブを支持している」と語りました。
ロシア・スプートニク通信によりますと、ラブロフ外相は28日水曜、インドのマントリ外相との会談後、「プーチン大統領は核合意復活というマクロン大統領のイニシアチブを支持する」と述べています。

また、「フランスでの最近のプーチン大統領とマクロン大統領の会談では、核合意の分野での行き詰まりの打開方法に関して協議がなされた」としました。
さらに、「核合意復活というマクロン大統領のイニシアチブが成功するのは、イラン自身をはじめとするすべての関係国がこれを受諾した時であり、ロシアはこれに関するプラスの結果に至るための用意がある」と語っています。

フランス・ビアリッツで最近開催されたG7先進7カ国サミットの中軸的な議題の1つは、核合意をはじめとするイラン関係の問題でした。

報道各社は、このサミットが開催されていた今月24日から26日までの期間中、「サミット開催国であるフランスが核合意維持に向けて残されている最後のチャンスを生かそうとしている」と報じました。

イランのザリーフ外相はこれに先立ち、マクロン大統領の会談で、「EUがアメリカとともに、あるいはアメリカ抜きで核合意内の責務履行を決定すれば、我々も核合意に定められた自らの責務の完全な実施に立ち戻ることが可能だ」と述べています。
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以上
by猪飼野

  投稿者 dairinin | 2019-08-29 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

国際情勢の大変動を見抜く!-27~トランプ大統領選はグローバリズムに対する宣戦布告~

トランプ選挙

今回から新たな書籍から今後の国際情勢を見抜くために有用な記事を紹介していきます。

紹介する書籍は『知ってはいけない現代史の正体』(馬渕睦夫 著)で、教科書などに乗っている「通説」に対し本当の歴史(「正史」)は何なのか!?を紹介していくという面白い内容になっています。

この本では1917年のロシア革命からスタートしていますが、当ブログでは2016年のトランプ大統領が誕生した選挙から現在までをまず扱います。

 

というのも、最近日中韓及び北朝鮮など東アジアを巡る国家間に大きな動きが生じているからです。この動きの背景には必ずグローバリズム派と民族自決派、つまり金貸しと反金貸し勢力の戦いがあります。今後の国際情勢を占うためにも、事実を把握しておく必要があります。

また、民族自決派のリーダーたるロシア、そして就任以来金貸しと対決してきたトランプ大統領、さらにこれまで金貸しの背後から彼らを操っていた金主の動きも想定しながら、国際情勢を見ていきたいと思います。

 

まずは、そのトランプ大統領誕生の秘話というか正史から扱っていきます。

ここではトランプ大統領誕生は国民に寄り添い支持を得たこととネットが既存メディアを上回ったためとしています。当ブログでは、それに加えてプーチンの支援があったと見ています。その意味ではロシアゲート事件は正史だと言えるかもしれません。

 

また、トランプ大統領の貿易に関する各国との協議やメキシコ国境に設けた壁等の意味等も興味深いものがあります。

 

『知ってはいけない現代史の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。

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■■自国ファーストの逆襲

■2016年 米大統領選でトランプ勝利

 

◇通説   :トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」は大衆迎合主義である。

◇歴史の真相:「アメリカ・ファースト」とは政治を陰の支配者の手からピープルに取り戻すことだ。

 

●米大統領選挙最大の敗北者はメディア

2016年11月、トランプ大統領の勝利について、メディアが戸惑いや驚愕を隠せなかったのは、対抗馬の民主党ヒラリー・クリントンが負けるということなど想像もしていなかったからです。アメリカの主要メディアはほぼ一貫してヒラリーの勝利を確信していました。

 

こうしたメディアの敗因は、どうしてもヒラリーを勝たせる必要があった彼らが、トランプ支持という国民のうねりをあえて見ようとしなかったところにあります。メディアはトランプを徹底的に非難・中傷することでヒラリーの勝利は確定すると楽観していました。

メディアの世論操作を阻止したのがネット情報だったことは言うまでもありません。ネットがトランプの発言の真、ヒラリーのまつわる疑惑の詳細などを報じました。メディアの情報独占などすでに潰れていたことに、当のメディアは気付いていませんでした。

 

決定的だったのは、アメリカの一般人たち(ピープル)が、メディアが上から目線で説得する人種平等、人権尊重、女性の権利、マイノリティ保護などのポリティカル・コレクトネス(少数派の用語を口実とする多数派に対する言論弾圧)にうんざりしていたことです。ピープルの本音を代弁してくれたのがトランプであり、グローバリズムの幻想をばらまきながら、彼らを一層困難な生活環境に追い詰めてきたアメリカのエスタブリッシュメントが支持したのがヒラリーでした。

 

●グローバリズムに対する宣戦布告

 

大統領選挙に勝利したトランプはメディアの執拗な妨害工作を乗り越えて、2017年1月20日に大統領に就任します。就任式の演説でトランプ大統領は「今この瞬間からアメリカ・ファーストが始まる」と宣言して、次のように語りました。

 

「世界の国々と友好的で善意に基づく関係を築きますが、全ての国には自国の利益を最優先する権利があります。私たちは自分たちのやり方を他の誰かに押し付けたりはしませんが、輝く模範として見習われる存在になります。」

 

アメリカだけが良ければいいなどとは、トランプは決して言っていません。ところがメディアは、「トランプのアメリカ・ファーストは、世界に対する米国の関与を低下させ、醜く不健全なナショナリズムや大衆迎合主義をはびこらせ、世界を不安定にする元凶である」と言って憚りません。

 

トランプの主張のどこがおかしいというのでしょうか。「自国民の幸せを第一に考え、国益を最優先し、自国の安全は自国で守る。その上で各国家同士、自立した国家として友好関係を結べばいい」という主張は、世界最強国家アメリカの大統領の世界観としてはしごくまっとうなものだと言えるでしょう。

 

私はトランプの言葉の中に、これまでの大統領とは明確に違う道を歩もうとする不退転の意思を感じました。トランプは、歴代の大統領が「グローバリズム」を声高に叫ぶ“影のキングメーカー=国際金融資本家”たちのコントロール下にあったことに対して正面から宣戦布告をしているのです。

 

●内政干渉の正当化理論

 

トランプは、歴代のアメリカ大統領が国際金融資本家たちの利益を優先し、アメリカ国民の利益を第一に考えてこなかったことを批判しているのです。過去100年間アメリカが歩んできた歴史は私たちが教科書で習ったような自由と民主主義を体現した理想の国ではありません。国是として、建国の精神や「自由と民主主義」の旗は掲げてはいますが、第二次世界大戦時のルーズベルト大統領の項で見てきたように、アメリカは決して「自由と民主主義」のために戦ってきたのではなく、国際金融勢力の意向に沿って全体主義国家ソ連と同盟し、ヒトラーのドイツや日本を叩いていたのです。「自由と民主主義」はアメリカの国際介入政策を正当化する口実に過ぎなかったわけです。アメリカのこの大義名分をメディアが宣伝したため、私たちの目にはアメリカがあたかも自由と民主主義の祖国であるかのように映ったに過ぎなかったのです。

 

既に見てきたように、紛争を自作自演するのも常套手段でした。東西冷戦の終了後も、自らが裏で演出した戦争・紛争を利用し、「グローバリズムは正義である」との大義名分のもとに、“世界中から利益を収奪するためのグローバル市場経済システム”を作り上げてきたのがアメリカです。

(後略)

 

●グローバル化への三段階レジーム・チェンジ方式

 

ブレジンスキーは各国への介入にあたっての、「民主化→民営化→グローバル市場化」という三段階のレジーム・チェンジ方式を理論化しています。まず各国に民主化つまり複数政党による選挙の実施を求めます。経済の民営化を推進する候補者を、強硬手段を用いてでも当選させることが可能になるからです。経済が民営化されればアメリカ企業をはじめとする外資による現地企業の買収が容易になります。その結果、当該国のグローバル化が達成されることになります。グローバル化とは経済に対する国民主権の喪失なのです。だからこそ、ブレジンスキーの言うように、外資(多国籍企業)に有利なグローバル化は世界に不平等をもたらすことになるのです。

 

グローバル市場化は世界に不公平をもたらしたばかりではなく、アメリカ国内にも貧富の格差の拡大をもたらしました。この点を正面から争点に取り上げて有権者の心情に訴えて、大統領に当選したのがトランプでした。

 

そして、世界のグローバル市場化が生み出したアメリカを含む人類全体の不公平さから目を逸らすために考案されたのが、ポリティカル・コレクトネスです。「自由と民主主義」「民営化」「人権尊重」「男女平等」「少数派の権利擁護」といった一見誰も反対できない用語を巡って言い争っている間に、世界の格差は一層拡大したのです。

 

世界が格差拡大をもたらしたグローバリズムの欺瞞に気付き始めたからこそ、トランプ大統領の誕生や、イギリスのEU脱退の国民投票に繋がったということも可能です。

 

●壁建設は反グローバリズムの象徴

 

トランプは「グローバリズムは国家の敵である」として、「真にアメリカ国民のために国づくりをしていく」と宣言しました。同盟国を訪れては「もっと軍事費を負担せよ」と圧力をかけているのは、「アメリカの財産を使って世界の警察などやるのは不公平だ。アメリカに安全保障の協力を求めるならそれ相応の負担をせよ」ということです。経済的な関係についても「地域的あるいは国際的な枠組みによるのではなく、それぞれの国同士で交渉してやっていけば双方にとってもっと良い結果が得られる」という姿勢で見直しを強く迫っているのです。

 

「メキシコとの国境に壁をつくる」という言葉が物議をかもしていますが、主権国家である限り、国境を維持管理することは当然です。主権国家の意思としての国境管理の重要性を、分かりやすく、壁をつくる。と言っているにすぎません。グローバリズムの推進にとって、国境の壁は禁忌です。なぜなら、国境を廃止することがグローバリズムの目的だからです。壁反対を唱えているメディアも民主党も、グローバリズムを拒否してはばからないトランプ大統領を、故意に中傷しているのです。

国際情勢の大変動を見抜く!-26~歴史認識大戦争に勝利する道~

日本の未来

今回が最終回です。

前回は日本とロシアの関係強化が1000年来続いてきた金貸し支配の歴史に終止符を打ち、新たな本源社会への道を切り開く大きな可能性であることを見てきました。

 

今回は「歴史認識大戦争に勝利する」ことの重要性を展開しています。

日本が2000年以上に及ぶ長きに亘りその国民性を維持できてきたのは、日本人の「道義性」にあるとしています。当ブログではそれを「本源性」という人類本来の心根や集団性と捉え直し、現在この本源性の維持及び世界への伝搬を通じて、世界の国々がそれを取り戻していくという人類の存続のための重要な起点にあります。

 

そのためには、歴史認識の重要性を謳っています。日本人の歴史認識は敗戦後金貸しから注入されてきた自虐史観によって捻じ曲げられ、近代思想の蔓延と相まって日本人の本源性に重い蓋が被せられました。今新たに、戦中のみならず、この2000年余りの歴史を世界史と合わせて正確にとらえ直し、これまで見てきたように、今日本人が色濃く残す本源性の再生に向けて世界に発信していくときである、つまり、人類の人類としての、金貸し支配に屈しない新たな歴史を展開していくのは日本人に掛かっているという「使命」をしっかりと固定し、その志の元世界各国との新たな関係世界を構築していく必要があります。

今、日本は間違った歴史認識と近代思想と本源性の心根との断層のため、活力はどん底の状態です。この現象は、本源性回復への序章、本源性再生の可能性と捉えることができます。

そして、今まさにそれに向けて動き出し、その脈動はどんどん大きくなっています。

当ブログもその流れを加速すべく、今後も歴史認識や脱近代思想のために発信を続けてまいりたいと思います。

 

次回からは、最近の米、露、中、韓の動きが今後どのようになっていくかを見ていく中で、金貸しとの攻防の行方を占っていきたいと思います。

『世界を操る支配者の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。

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■アメリカをどう説得するか

 

アメリカの狙いは結局対露ビジネスの拡大にあり、そのためにロシアをグローバル市場化しようと工作しています。先にも述べたように、プーチン大統領はグローバル市場化を頭から否定しているわけではありません。グローバル化とロシアの伝統との共存の道を探っているのです。ロシア経済が強靭化することによって、外資に対するロシアの警戒感が緩和すれば、アメリカ資本にとってビジネスチャンスが広がることになります。現在の米露貿易関係は日ロ貿易の水準にも達していないほどの低レベルにあります。ロシアの近代工業化がアメリカ企業のロシア投資や輸出の拡大に貢献することを、わが国は諄々と説得すべきでしょう。

 

また、ロシアが天然資源輸出型の経済構造から転換できれば、ロシアの天然資源産業に対する外資の参入に寛容になる可能性が生まれます。現在のアメリカのやり方のように、レジームチェンジを強行して資源を抑えるという強硬策は、すでに世界中で警戒されています。ロシアの近代工業は資源メジャーにとってもビジネスチャンスをもたらすことになることを、アメリカに理解させることが重要です。

 

私は対ロ関係の強化を主張してきましたが、このことは対米関係を軽視して良いという意味では決してありません。現在の外交の世界にあっては、様々な利害関係を総合的に勘案して取引する必要があり、右から左へと一挙に方向転換すべきものではありません。

 

アメリカとの関係で言えば、戦後長期にわたって培われてきた「日米友好関係」の大枠の中で、国際情勢の変化に応じて対米関係のあり方をどう修正していくかという現実的なバランス感覚の問題なのです。日米同盟を維持しようとするなら、日米双方の国益に応じて日米関係の態様が絶えず上書き修正される必要があるのです。東アジア情勢が劇的に変化したにもかかわらず、戦後間もない時期に策定された東アジアレジームといった硬直化した秩序を墨守することは、わが国にとってはもちろん中間にとってもまたアメリカにとっても好ましくないのです。

 

以上に述べた我が国の対ロシア外交強化は二重の意義があります。

 

■歴史認識大戦争に勝利する道

 

第一は世界にとっての意義です。グローバリズムとナショナリズムの戦いにおいて、ロシアの近代工業化への日本の協力は、両者の激突ではなく共存の道を開く具体的なモデルとなる可能性があるのです。ロシアと同様にグローバル市場化と国民経済との両立に苦慮している多くの国にとって、日露の協力は師表となりうるのです。

 

第二は我が国にとっての意義です。日露関係の強化は2015年の戦後70周年歴史認識大戦争に我が国が勝利する道を開いてくれることになります。歴史認識問題に勝利することは、日本国民のモラルが勝利することです。これがどれほど重要なことか、国家の興亡の歴史が証明しています。世界の歴史を見れば、経済不況で滅んだ国はありません。我が国が敗戦後の荒廃の中から奇跡的な経済復興を遂げることができたのは、国民の精神が滅んでいなかったからです。しかし、栄華を極めたローマ帝国に見られたように、国民のモラルが崩壊した国は内部から自滅しているのです。

 

歴史認識問題は国家の存亡が直接掛かる深刻な問題です。その意味で、従軍慰安婦問題は徹底的に論破する必要があります。日韓友好関係のためにという甘言に弄されて、もし我が国がいささかでも妥協するようなことがあれば、もう日本国民は二度と立ち上がることができなくなるほどの打撃を受けることでしょう。私たちは高貴な道徳を失うことになるからです。子々孫々性奴隷民族としての汚名を被ることになるからです。そうなれば、たとえ日本国という名称は存続していても、私たちの祖先が残してくれた道義性の高い国民性はなくなるでしょう。これすなわち、日本国家のアイデンティティの喪失です。

 

我が国が2000年以上にわたって存続することができた最大の理由は、高い道犠牲の下に一つにまとまった国民が存在していたからです。今日、私たちがこの高い道義性を引き続き維持できるか否かは、歴史認識問題に関する外交の舵取りにかかっていると言っても過言ではありません。

 

外交はあくまで長期的な視野に立って国益を冷徹に追求すべきであり、一時の妥協で切り抜けてよいものではありません。そして、外交を支えるのは結局のところ私たち国民の意識であることを、改めて認識する必要があります。私たち自身が古来受け継いできた道徳を取り戻すことは、日本という国を守ることに繋がるのです。すなわち、安倍総理のおっしゃる「日本を取り戻す」ことに直結するのです。

 

反グローバリズムの潮流(イタリアの反EU連立政権崩壊は何を意味しているのか)

 

伊サルビーニ副首相、総選挙を要求 「連立政権は崩壊」イタリアの連立政権を構成する「五つ星運動」と「同盟」が決裂し、同盟のサルビーニ党首がコンテ首相に対する不信任案を提出、議会の採決を待たずにコンテ首相は辞任、連立政権は崩壊しました。マスコミは、同盟党首のサルビーニ氏が首相の座を狙った権力闘争が原因の暴挙であるように報道していますが、実体はどうなのでしょうか。 (さらに…)

  投稿者 dairinin | 2019-08-22 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

反米勢力が世界の表通りを歩きだした。

アメリカが中心と成り、大国が核兵器を自分たち以外は持ってはいけないと勝手に決めた。
※論理的に、そんな決め事を正当化できる理論などありません。

アメリカは核兵器を持とうとする国家に対して、国際ルール違反だとしてクーデターを起こさせ親米の傀儡生計を作ったり、もしくは経済弾圧を加えたりしてきました。

しかし、イラン、北朝鮮は反米を旗印にアメリカに対抗して核保有を目指しながら反米を貫いてきました。もちろん、ロシア、中国は彼らを支援してきました。

そして今や、アメリカの軍事力、経済力の低下し、トランプ大統領に成ってから特にアメリカの主張を支援する欧州なども少なく成ってきました。

今まで虐められてわき道を歩かざるを得なかった、反米のイラン、北朝鮮たちも世界の世論を味方に付けて表舞台で発言できるように成ってきました。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
■イラン国会議長、「アメリカの専横さに対する北朝鮮の抵抗は賞賛に値する」
2017年08月05日Parstoday http://parstoday.com/ja/news/iran-i33548 より

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ラーリージャーニー議長は北朝鮮最高人民会議のキム・ヨンナム常任委員長と会談
イランのラーリージャーニー国会議長が、世界の混乱はいずれの国の利益にもならないとし、「北朝鮮がアメリカの専横な態度に抵抗していることは賞賛に値する」と語りました。
ラーリージャーニー議長は4日金曜、テヘランで北朝鮮最高人民会議のキム・ヨンナム常任委員長と会談し、「他国にも勢力を及ぼそうとする、権力欲におぼれた国の努力は失敗に終わる」と述べています。

また、「イランは、核エネルギーの平和利用を擁護する」とし、世界に一刻も早く平和と安定が確立するよう希望するとしました。

一方のキム・ヨンナム委員長もこの会談で、アメリカが依然として理不尽なやり方に固執しているとし、「アメリカは常に、軍事面で弱い国を攻撃している」と語っています。
さらに、「各国は、自らの力をより所として自らの国運を決定するものだ」とし、「世界のどの国も、権威主義的な国の行きすぎた行動に振り回されてはならない」と述べました。
そして、「北朝鮮は常に平和を求めているが、アメリカが敵対行為をやめない限り、軍事力の増強を続ける」としています。
キム・ヨンナム委員長は、第12期イラン大統領就任宣誓式に出席するため、テヘランを訪問しています。

今回の就任宣誓式は5日土曜、イランの政府関係者のほか、90カ国以上の政府高官が参加し、イラン国会にて実施されます。

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by猪飼野

  投稿者 dairinin | 2019-08-20 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments »