2011-08-09
金融資本主義の崩壊、その実相追求 4.ギリシャからスペイン・イタリア、ユーロ危機へ
前回は、ギリシャが欧州連合に加盟し、通貨ユーロに参加することの功罪を扱いました。
ギリシャの財政・金融危機は、必ずしもギリシャだけの責任ではなく、ユーロ圏の成立で一番得をしたのはドイツではないかとの見方を紹介しました。
7月22日に第2次ギリシャ支援策が決定され、欧州の金融秩序とユーロへの信認が改善すると期待されましたが、8月に入り、スペインとイタリアの国債価格が下落する(金利が上昇する)ことによって、ユーロ危機は、一層、大きな衝撃となって行きました。
今回は、その経過を追ってみると共に、ユーロの構造的な欠陥について見てみます。
一部の識者達が礼賛していた『欧州連合、欧州共通通貨ユーロ』が、壊れかけています。
1.ギリシャからスペイン、イタリアへの波及
2.最後は、ECB(欧州中央銀行)が両国の国債を買い支え
3.次はフランスとベルギーに火が及ぶ
4.ユーロ危機は、フランスへの打撃が大きい
5.中途半端な中央銀行・ECBの限界、そして欧州連合とユーロ連合のズレ
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ランドバンキングとは?−5〜ランドバンキングの今後は・・?
サロン参加者の方の話をきっかけに、日本で目に付き始めた「ランドバンキング」なるカナダ・米国発の不動産投資について調べてきた。
1〜米国が仕掛ける新たな土地バブル?
2〜サブプライム・ローンの仕掛け
3〜ランドバンキングの仕組み
4〜ランドバンキングの成立構造
そこから分かったことは、
・長期的な都市開発による地価上昇益を見込んだ投資手法であること
・土地の売込先として、主に中国マネーがターゲットになっていること
・現在はテキサス、アリゾナ等米国南部の土地が商品になっていること
・これは南部でのヒスパニック系移民の急増が背景にあること
このビジネスが成り立つかどうかは、今後長期的にヒスパニック系移民による成長が見込めるかどうか、ひいては中長期的な米国経済の先行きにかかっている。
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『震災後の日本経済どうなる?〜3.今後の世界経済予測:前半〜』
震災後の日本経済どうなる?シリーズの第3回
◆過去の記事
第1回目 1..人的被害の大きさ
第2回目 2.物的被害の大きさ
1回目、2回目では、震災による人的被害・物的被害をおさえてきました。
今回は、世界と日本という大きな視点で見てゆきたいと思います。
画像はコチラからお借りしました
先日(8/2)、債務上限引き上げ法案を可決したことで米国債の債務不履行(デフォルト)が回避されました。それによって円高も一旦はとまりましたが、昨日米格付け会社のS&P社による米国債の格下げの発表、世界同時株安etc.今後も危機が続くと思われます。
欧米経済の先行き懸念からドル売り・株安の流れが世界的に強まっている。4日深夜(日本時間)には円相場は1㌦=78円台の円高水準に戻った。さらに欧州株式市場の大幅下落に続いてニューヨーク株式市場は暴落し、株安が連鎖している。(8/5 朝日新聞より)
これからアメリカと日本経済がどうなっていくのか?
るいネットから最新の経済分析記事からご紹介します
長くなりますので、今回と次回の2回にわたってご紹介させていただきます 😀
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どうする?これからの電力供給体制・・・1
皆さんご承知のとおり、2011年3月11日東京電力福島第一原子力発電所において、日本最大規模の原子力事故が発生しました。炉心溶融及び水素爆発が発生し、国際原子力事象評価尺度のレベル7(深刻な事故)に相当する多量の放射性物質が外部環境に放出されたのです。
被害総額は100兆円を超えるとも言われ、当事者である東京電力だけでその補償は不可能なので、他電力会社及び政府の対応が注目されています。
しかもこの事故による影響で東京電力は、電力供給力がダウンし、家庭も企業も計画停電等への対応を余儀なくされており、少し離れている関西電力もこの夏の節電を強く訴えています。一企業が起こした事故が国家予算を上回る被害を発生させ、日本中の経済活動を制限させている。どうしてこういうことになったのでしょうか?画像はこちらからお借りしました。
確かに私たちは現在、電気がないと困る生活をしています。その電力供給を日本は地域別に、北海道、東北、北陸、東京、中部、関西、中国、四国、九州、沖縄電力の10社の電力会社の独占体制で行っています。
この独占企業による供給体制が、平常時においては「原発ムラ」など政官財の癒着と大きく関係していると考えられるし、今回のような事故対応においてはその地域のみならず日本全体に影響を及ぼすのです。
例えば電気と同様のインフラといえば「水道」がありますが、これは日本では基本的に公共事業となっています。
また「ガス」は都市ガスとプロパンガスがあり、都市ガスはこれまた東京ガスや大阪ガスなど地域割りされていますが、プロパンガスは全国に数万社あると言われています。しかも全ガス使用量でいうとプロパンガスが60%を占めています。ガソリンや灯油も同様に複数の会社が取り扱っています。
では一体なぜ電力会社はこのような独占企業になったのでしょうか?独占企業になった経緯と構造をこのシリーズで調べてみたいと考えています。
そして脱原発に一気に加速するのか?は不明ですが、エネルギー政策の転換で少なくとも原発への依存度は低くなり、代わりとなる新エネルギー開発へと進むと想定できます。その場合において果たして電力供給体制はこれまで通りでよいのか?を他の諸外国事情とも比較して検証したいと考えています。
大きなテーマ構成は歴史を追いながら
1.発電の歴史:発電方式と会社設立まで(世界と日本)
2.電力市場化の流れ:会社の乱立と過当競争
3.第二次大戦による電力国家統制法:その意図と内実
4.敗戦後の日本発送電会社解体事情:GHQ案と松永案の違い
5.その後の電力政策:水力→火力(石炭→石油)→原子力へ
6.海外諸国のエネルギー供給体制:日本はどうすべき?国営化?市場化?
という流れで進めて行く予定です。
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震災後の日本経済どうなる?〜2.物的被害の大きさ〜
震災後の日本経済どうなる?シリーズの第2回。
◇過去の記事
第1回 1..人的被害の大きさ
政府は7月21日の関係閣僚会合で、今回の東日本大震災の復興期間を「10年間」として、国と地方を合わせて少なくとも「総額23兆円」の復旧・復興事業を実施する方針を固めました。
この方針では、当初5年間は集中復興期間として、約8割の19兆円を投入し、残り5年間で4兆円を投入する予定ですが、財政が逼迫している状況(国と地方債合計で1,000兆も間近…)において、財源をどう確保するのか?については、まだまだ議論が続いており、混迷している様子も伺えます。
ちなみに、当初5年間で投じる19兆円の大きな内訳ですが、被災地の土地区画整理事業や住民の集団移転など、新たな街作り事業に8〜9兆円、就業・就学支援や水産業の基盤整備など「暮らし再生」事業に3兆円を見積もっています。
今回エントリーでは、上記のような巨額の復旧・復興事業費が予定されるに至った「物的被害の大きさ(被害額)」について、現状の試算を把握してみたいと思います。
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ランドバンキングとは?−4〜ランドバンキングの成立構造
いずれも、住宅販売と密接に絡むサブプライムローンとランドバンキング。
ランドバンキングが、住宅販売の入口側(住宅を建てる土地の開発)への投資であるなら、サブプライムローンは、住宅販売の出口側(住宅を購入する)に関わるものである。
両者の共通点と違いとは何なのだろうか?
金融資本主義の崩壊、その実相追求 3.ギリシャのEU加盟、ユーロ参加の実相
先週末、ギリシャ救済問題を討議していたユーロ圏首脳会議で、総額1,590億ユーロ(約18兆円)の追加支援策が合意された。支援の条件も大幅に見直され、返済期間延長や金利低減も図られた。また、欧州金融安定化基金(EFSE)の機能を拡充し、財政危機に陥った諸国の国債を市場から購入する機能や緊急融資機能を与えることで、セーフティーネットの強化策も図られた。これで当面の危機は一旦は回避された。
しかし、ギリシャの債務救済にこれほどまでに時間を要した理由はどこにあるのか。また、EU諸国との意識の断絶はどこにあるのか。これまではギリシャ人の体質と国家の放漫経営が経済危機の全てであるかのように言われているが本当はどうなのか。
抗議集会が頻繁に行なわれるシンタグア広場の結婚式。ギリシャ人の風貌は、中東・オリエントに近い
写真は、本文に登場するブログ『ギリシャへそしてギリシャから』よりお借りしました。
今回はギリシャのEU加盟、ユーロ参加の実相について、ギリシャの国家・国民性とドイツの身勝手さも含め詳しく見ていきたい。
1.ギリシャの特徴、国民性は半欧州・半オリエント
2.ギリシャはシエスタ(昼寝)をしている訳ではない
3.統一通貨ユーロは専らドイツを利した
4.ユーロメンバーとして太った七面鳥になったギリシャ
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世界の闇の支配勢力から日本の支配史を読み解く 【歴史No.1 市場拡大を狙う欧州勢が日本へ来た理由〜江戸時代前夜〜】
シリーズでお送りする「世界の闇の支配勢力から日本の支配史を読み解く」
今回から数回に分けて、国際金融資本家=世界経済を動かす金貸しとの結びつきを中心に、江戸時代における金貸し支配史を紐解いていきます。可能な限り世界史と日本史を融合する形で、また暗記だけの学校教育とは違う因果関係を明らかにしながら、分析していきたいと思います。
江戸時代は、長崎の「出島」を除いて海外との貿易(通商)がない、いわば鎖国状態だったと、わたしたちは学校教育で習ってきました。しかし改めて考えてみると、鎖国なのに出島があるのはなぜなのでしょう?「出島」とは一体なんのために存在していたのでしょうか?
まず、江戸幕府が成立した1603年当時、世界はどのように動いてたのか年表を見てみましょう。
(年表)
当時のヨーロッパは大航海時代。大航海の動機付けは、冨収奪のための植民地拡大=市場拡大そのものだったわけだが、江戸の開幕前後に焦点を当ててみると、ポルトガル・スペイン・イギリス・オランダと欧州各国が入り乱れて日本にやってきている。1641年の鎖国完成以降、「出島」での貿易権を獲得したのはオランダであって、この時代、どうして各国がこぞって日本(や他のアジア諸国)にやってきて、貿易を始めようとしたのか、その意図はどこにあったのか?に迫ってみる。
ランドバンキングとは?−3〜ランドバンキングの仕組み
「ランドバンキング」シリーズでは、アメリカにおいて世界経済をどん底に突き落としたサブプライム・ローンの再燃か?という問題意識の元、前回はまずサブプライム・ローンの仕組みについておさらいをした。
今回は、実際に投資を行っているI氏と金融に詳しいS氏の話を元にしてランドバンキングの仕組みはどのようなものか?その概要を明らかにしたい。
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金融資本主義の崩壊、その実相追求 2.ギリシャは何故、巨額の国家債務を積み上げたのか
昨年のギリシャの財政赤字は国内総生産(GDP)の10.5%に達し、今年に入ってからも1─6月の中央政府の財政赤字が127億8000万ユーロ(182億8000万ドル)と、前年同期の100億ユーロから28%も拡大しました。
先月(2011年6月)には、ギリシャ長期国債の格付けが世界で最も低い「CCC」に引き下げられ(米大手格点け会社S&P)、国債価格の下落傾向が止まらず、短期金利は一時30%の大台に乗りました。
そして本日7月23日、欧州系の格付け会社フィッチ・レーティングスが、ギリシャの国債の一部について、長期格付けを債務不履行(デフォルト)扱いにすると発表しました。
(写真はアテネのゼウス神殿。こちらからお借りしました。)
今回は、ギリシャが何故、巨額な国家債務を積み上げることになったのか、その背景を探ります。
1.ギリシャが抱える財政赤字体質
2.ギリシャの財政赤字が表面化した経緯 〜最初から財政状況を偽っていた〜
3.国家財政の「粉飾決算」をゴールドマンが指南
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