2009-12-03
世界経済破局への長い序章? 1.ドバイ破綻の背後にある暗闘
リーマンショックから1年余り、G20諸国の中央銀行、政府の巨大なマネー注入で、しばし金融危機・経済破局が繰り延べされている。
しかし、次はどこが綻びるのかと常に疑心暗鬼の状態である。そして、一ヶ所・一部門の破綻が、どのようなルートを介して、どこまで広がるのか誰も予測できない代物なのである。
新しいシリーズとして、「世界経済破局への序章?」とのタイトルの元に、潜在的な破局場所・弱い環とその顕在化を扱って見ます。
第1回は、破綻懸念がありながらも、潤沢なUAE(アラブ首長国連邦)のオイルマネーによって、支えられると見られていた「ドバイ不動産開発の破綻」です。
11月25日のドバイ首長国財政庁の発した、政府系企業の債務返済凍結宣言は、世界中の株式市場と為替市場に激震を走らせた。
1.ドバイ・ワールドがついに銀行団に返済猶予要請へ
ブログ:湾岸経済研究所から
2009年11月25日付Arabianbusinessによると、政府系コングロマリットであるドバイワ—ルドは、銀行団に対してついにスタンドスティル(債務の一時返済停止)を要請する方針を固めた。ドバイ財政庁が発表した。
ドバイ最高財政会議は、デロイトよりアイデン・ビルケット氏を招き、ドバイワールドの債務リストラに当たってもらうこととした。同氏は「ドバイ財政支援ファンド」の債務リストラチーフとして、どれほどの規模の債務リストラが必要となるか算定作業に入る。
まず、ドバイワールドはすべての債権者に対して返済期日を2010年5月30日まで繰り延べることを提案する見通しである。当該債務にはドバイワールドや傘下のディベロッパーであるナヒール社の債務が含まれる。ナヒール社では12月14日が期日となるスクーク(イスラム債)35.2億ドルの返済が控えており、返済できるのか注目が集まっていた。
海の開発会社「ナヒール」のパームジュベルアリ(湾岸経済研究所さんから借用)
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