2010-07-09

『ユーロ発国家財政危機の行方』 5.世界バブル崩壊が資本主義の総本山、欧州を襲う

ユーロ発危機の行方第5回目です。今日は中間まとめとして、欧州を襲っているのはギリシャ危機やPIIGS問題だけでなく、世界バブル崩壊による深い痛手を負っていること、そして約800年続いた西欧による市場拡大の転換期にあることを検証したいと思います。
これまでの『ユーロ発国家財政危機の行方』シリーズ記事
プロローグ
1.ギリシャ問題・PIIGS問題とは?
2.小国ギリシャの危機がなぜユーロ危機につながったか?
3.地域共通通貨「ユーロ」の弱点構造
4.ギリシャ暴動とその他の国の状況から国家・市場の統合限界が見えてくる
■ユーロ危機はギリシャやPIIGSだけではない
特に危ないのがベネルクス・英・スイス等の金融立国といわれる国々だ。軒並み対外債務を急増させています。
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     ベネルクス三国+スイスの債務状況 (2008年データ) リンクよりお借りしました
これらの国々と同様の危機にあるのが英国です。英国の対外債務残高は、対GDP比で400%に達しており、純債務国に転落しています。 参照:リンク
さらに下のグラフを見ると、欧米には英国やベネルクス三国にまけず劣らずの国が多いことが分かります。かつ特徴的なのは、ドイツ、フランス、イギリス、アメリカなどの欧米諸国は資産も負債も山ほど抱えているということです。逆にアジア諸国は額自体がすくない。欧米諸国が他国との金融のやり取りをどれだけ活発にしているかがよく分かります。
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   グラフはリンクよりお借りしました。
現在、上記の資産構成はどうなっているのだろうか?上記の図は2008年末のものです。
恐らくこの資産の側には、サブプライムローンやバブル崩壊前の南欧国債やドバイへの融資などが含まれている。その額は世界バブルの崩壊に伴って今も大きく減り続けているはずです。
その「評価損」をオープンにすれば、恐らく相当資産が劣化していることは容易に想像がつきます。

(さらに…)

  投稿者 Hiroshi | 2010-07-09 | Posted in 未分類 | No Comments »