2010-01-10

GDP信仰からの脱却5〜GDP信仰と「共同体の解体」

GDPの一つの意味は「国内を流れたお金の総量」であり、別の見方をすると「“市場化”された活動の総量」でもある。だから、今までに無かった商品が開発・販売されればお金の流れが増え、GDPは上がる。また、今まで市場化されていなかった活動が市場化された場合も、お金の流れが増え、GDPは上がる、ということをこれまでの記事で書いた。
“今まで市場化されていなかった活動が市場化される”とは、従来は無償で行われていたものが有償で購入するサービスに変わったということだ。実際そのような形で日本の第三次産業は発展し、GDPの拡大に寄与してきた。しかし、「社会集団の在り方」という視点で見ると、このことは即ち「共同体が解体されていく」ことを意味する。

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昨今、子育てや教育、介護、治安の荒廃の問題から「共同体の再構築が必要」ということが言われるようになった。これ自体は首肯できるが、重要なのは、共同体とGDPは相反関係にあるということだ。
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  投稿者 s.tanaka | 2010-01-10 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?13 Comments »