2010-02-20

『国家と市場の力関係の逆転』5 ルネサンス:市場が国家を超える転換点

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ボッティチィリ「春」
前々回の『国家と市場の力関係の逆転』3 十字軍遠征〜騙せば官軍では、
十字軍遠征:イェルサレム奪還のためのキリスト教徒による「正義の戦い」。これは、教皇・皇帝・諸侯・騎士団、商人・金貸しによる政治的野心の正当化、領地拡大、商圏拡大のための方便「大義名分」でしかありません。まさに騙しで始まった遠征でした。そして「200年以上に亘る遠征で、富の大半を領有する貴族や騎士の大半は、交易に関わり、商人(投機)貴族化していきます。また、第4回十字軍の遠征以降、ヴェネチア、ジェノヴァ等の国家が力を付け、商人・金貸しに都合の良い法制・芸術・思想を生み出して行った。ことを追っていました.。
今回は、上記の十字軍の略奪品を原資として生まれたルネサンスを、追ってみます。
一般的に言われているルネサンスをまず押えてみます。

14世紀から16世紀にかけて展開された新文化運動で、イタリア諸都市に始まり、ヨーロッパの各地に波及していった。ルネサンスとは、「再生・復興」の意味である。
 19世紀のヨーロッパの人々は、この時期に「都市の新興勢力が、キリスト教の宗教的束縛から離れるために、ギリシャ・ローマの古典のなかに人間のあるべき姿を見出すことから。現実生活を肯定し、合理主義を重視するようになった」と説明し、辺境の地「西欧」とギリシャ・ローマを結びつけた。ルネサンスの主導精神である「ヒューマニズム」(人文主義)によりギリシャ・ローマの精神がよみがえったというのである。中略
「ルネサンス」という新文化現象の背景をなしたのは、都市と経済の勃興であり、フィレンツエの金融業者メディチ家に代表されるような商人の台頭だった。—略—
(早わかり世界史:宮崎正勝著 日本実業出版より)

「都市の新興勢力(大商人)がキリスト教の宗教的束縛から離れるため」に「ヒューマニズム」(人文主義)を用いた。と読めそうです。どのような構造なのでしょうか? いつものブログ応援、よろしくお願いします。

(さらに…)

  投稿者 mukai | 2010-02-20 | Posted in 未分類 | 6 Comments »