2010-02-19

「お金の本質に迫る!」6 〜紙幣の起源・中央銀行・金本位制の崩壊〜

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             (上記画像は、15世紀の金細工師)
先回は、17世紀・絶対王政フランス〜市民革命という激動の歴史を通して、市場が一般市民に広がっていった様子を勉強しました。国家に蓄積された膨大な「財」は当初、絢爛豪華な王宮や宮廷サロンという上流階級の枠内で消費されていましたが、次第に市民の富裕層へ。そして一般市民へと「市場」の裾野が広がったのです。
現代にも繋がる“市場の特質=個人消費が推進力”となった、そのきっかけが「フランス革命」だった。という切り口は大きな気づきでした。その際、本シリーズのメインテーマである「貨幣」の運搬性、等質性、保存性といった特質や、その前提となる「信用力」がすでにお金に備わっていた。という点も記憶にとどめておきたい点です。
さらには、ヨーロッパにおけるこの時代が『国家と市場の力関係の逆転の“転換点”』だったとも云えそうです。
では今回は、金貨、銀貨等の鋳造貨幣から「紙幣」に転換した経緯、現代の仕組みに繋がる、仰天するような「信用創造のカラクリ」を見ていきましょう。
前回までの記事が読みたい方は、以下からどうぞ
「お金の本質に迫る!」5〜貨幣戦争という名の外国貿易〜
「お金の本質に迫る!」4〜イスラムが生んだ商人国家〜
「お金の本質に迫る!」3〜国家と貨幣の関係〜
「お金の本質に迫る!」2〜市場拡大の原動力〜
「お金の本質に迫る!」1〜お金が生まれてきた背景〜
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「お金の歴史」② 兌換紙幣〜金本位制の崩壊 (るいネットより)

〔兌換紙幣〕
さて、中世の後期、最も価値の高いお金の単位は金のコインでした。その金の純度をチェックするのは金細工師の役割です。金細工師の家には、大きな金庫があり、当時のお金持ちは金貨を強盗や空き巣から守るために、その金庫に預けていました。金細工師は金貨と引き換えに受領書を渡し、保管のための手数料をもらっていました。
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お金を預けていたお金持ちのAさんは、何かを購入するときに金細工師に受領書を渡し、引き出した金貨で支払いをします。その代金を受け取ったBさんは、金貨を持っていると強盗や空き巣に入られると困るので、やはり金細工師の家の金庫に預け、受領書を受け取ります。それならば、わざわざAさんは金貨を引き出さなくてもBさんに受領書を渡せば、それで済むことです。次第に人々は金貨を使って取引するより、直接、受領書を使って支払する方が便利で安全であることに気づき、その受領書が紙幣の役割をすることになります。
こうして人々が紙幣で取引をし始めると、金細工師の金庫の中にある金貨は眠ったままになります。「もし預金者全員が一度に金貨を引き出しに来なければ、この金貨を担保に紙幣を発行してもよいのではないか」そう考えた金細工師は、お金に困っている人に紙幣を貸し出し、その貸し出し料として利子を受け取るというビジネスを始めたのです。
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こうして13世紀のイタリアで近代式銀行業が始まりました。この時から、お金は銀行から紙幣融資を受けた時に生み出されるようになったのです。(編集部補足:これを、経済学者は「信用創造」という、なんだか高級な感じのする言葉で表現していますが、むしろ銀行による意図的な「貸付膨張」と呼んだ方が実態に近い仕組みであり表現だと思います。)
実際、よく考えてみれば、預かっている金貨は金細工師の金ではありませんし、勝手にそれを貸し出しているのですから、これは横領です。しかし、その方法は秘密裏にされていたために非難されることはありませんでした。
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                   (上記画像はイングランド銀行)
お金が、銀行が発券する紙幣に変わっていくと、これまでのように国家がお金をコントロールすることができなくなりました。近代になると、政府と銀行の間で一つの取引がなされます。それは政府が必要とする資金を常に供給する代わりに「銀行がお金を発行し管理する権利を得る」というものです。このような取引は、1668年にスウェーデンの不動産銀行(現在のスウェーデン中央銀行)と初めておこなわれ、これをモデルにイギリスでも1688年にイングランド銀行が誕生。その後、そのような役割と特権を持った中央銀行が各地で誕生しました。
〔金本位制の崩壊〕     %E5%8F%96%E3%82%8A%E3%81%A4%E3%81%91%E9%A8%92%E3%81%8E.jpg
1929年、ニューヨークのウォール街で株式が大暴落したのをきっかけに、世界大恐慌が起こりました。経営がおかしくなった企業は、銀行に駆けつけて預金を引き出します。はじめのうちは要求に従っておとなしく銀行券を渡していた銀行も、苦しくなった企業が増えるにつれ、預金引出しを渋るようになりました。そうなると預金を引き出すのに銀行券をもらうのが不安になり「金で返せ」というようになります。
しかし、それだけの金貨が銀行にはありませんでした。既にみてきたように、銀行は手持ち以上の銀行券を発行していたのです。ますます銀行券は信用されなくなり、兌換要求に応じられない銀行は倒産に追い込まれました。そうなると倒産した銀行に預金していた企業や融資を頼っていた企業も巻き添えになり、倒産してしまいます。このように倒産の嵐が吹き荒れ、失業者が街にあふれてしまったのです。こうして大恐慌が原因となり、主要各国の金本位制は崩壊しました。
  (以上「日本人が知らない 恐るべき真実」からの引用です)

どうですか?驚いた人も多いのではないでしょうか?
ポイントは、
・「金の預り証」が今に続く紙幣の起源
・他人の金を勝手に誰かに貸しつける「横領」とも云える「貸し出し」
利子はその横領の様な貸し出し料
・貸すことで、原資以上に発行される紙幣の仕組み=貸し出し膨張信用創造という騙し
「預り証がいつでも金と交換できる」と思い込むことで成立している
国家が管理不能になった紙幣・・・これも国家と市場の力関係の逆転現象のひとつ
・紙幣発行権という特権を手にした中央銀行
・「金で返せ」要求から「金がない」ことがばれて崩壊した「金本位制
といったあたりでしょうか。。。
現在、金融の世界で公(おおやけ)に繰り広げられている仕組みとほとんど同じですよね!その起源や金貸しの思惑もあわせて知ると、愕然とするとともに、憤りが隠せません!
次回は、「ユダヤ人による金融市場構築」について扱います。お楽しみに

List    投稿者 saken | 2010-02-19 | Posted in 未分類 | 17 Comments » 

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コメント17件

 もえおじ | 2010.10.02 13:36

「PB(プライマリーバランス)の黒字化」、及び、「債務残高の圧縮」により、財政破綻の破局(国債の暴落)を回避することは、理屈としては可能です。
① 累積財政赤字(国債発行残高)に対して
一般会計の硬直化が起きて久しい状況ですが、政府の金融資産、未確認だった政府資産の売却、及び、外国からの返済などによって累積財政赤字を、最大で300兆円ほど減らせる公算が高く、それにより財政再建が期待できます。
そうなれば、消費税を値上げしたり、無利息国債を日銀に引き受けさせる必要はなくなります。 必要な社会保障や公共事業費を払うことが可能です。
② 一般会計の単年度の赤字に対して
財政は一般会計だけ取り上げれば大幅な赤字ですが、一般会計と特別会計を連結した単年度の財政は均衡しており、過去10年の間、一度も赤字になったことがありません。 特別会計は、毎年30兆円以上の繰越金が出ています。
http://d.hatena.ne.jp/vvvfigbt/20080310/1205139897
ですから、特別会計をなくして一般会計に統一し、特殊法人を廃止して歳出を減らすとともに、行政全般の無駄を省けば、完全に財政均衡できるはずです。
基本的には、亡くなられた石井衆議院議員の「構造改革」のプログラムのような施策を実行に移して、官僚機構と行政の無駄を徹底的に排除すれば、財政均衡は可能です。
http://ncode.syosetu.com/n2990h/13/
特別会計が扱っている殆どの予算は確実に削減できるはずですが、他にも、歳出を減らすために出来る事は沢山あります。
例えば、(ソフトバンク孫社長によれば)矢ッ場ダム4800億円以下の財政出動で、医療データを全て電子ファイル化・共通データ化して重複診察などを無くせば、10兆円規模の医療費削減が出来るそうです。
国と地方の重複行政の無駄も大きいはずです。 財政投資や国の補助金は、制度見直し・地方分権化によって大幅に削減できます。 政府系の許可法人、公益法人の廃止、地方公社・第3セクターの清算・整理も可能です。
さらに、参議院制度は廃止して一院制度にする方法があります。 地方行政に関しては、欧米の多くの「地方議員を職業議員としない」制度を見習って、地方議員や一部の地方公務員を原則的に地域共同体有志による実費精算会計にすれば、地方の財政再建につながります。
行財政改革とは、官僚政治の腐敗構造を徹底的に一掃する事に他なりません。 このようにして浮いたお金は、行財政改革で増える失業者の手当てや大規模な景気対策、新産業の振興に使う必要があります。
現在、不況 → デフレ → 税収落ち込み → 歳入減少 → 財政悪化 の状況を引き起こしており、今後もデフレが続けば、更なる財政悪化の原因となりますが、景気回復、及び、デフレからの脱却には、不可欠な社会インフラ老朽化対策を前倒しで実施する公共事業が有効です。
備考 :
結局、財政破綻状況を作り出してきたのは、主に、巨大な特別会計制度を維持することで、国民の税金に群がる官僚行政・政治家・財界の組織的癒着であり、「消費税の値上げで財政破綻を回避する」というのは、彼等が利権を維持するための詭弁に過ぎないと考えます。 行財政改革が実施できるかどうかは、政治家や官僚が変らざるを得ない状況を作り出せるかどうかにかかっていると思います。

 saken | 2010.10.02 20:09

>本質的原因を考慮すれば、それだけでは解決しないでしょう。
借金問題の解決を考える上では、上記にある本質的原因をまず確定することが必要と思われます。
特別会計と一般会計の一元化、行財政改革等の、システム転換のまえに、そもそも市場拡大の要否、あるいは、資金投入する際の要否判断が必要だと考えます。
加えて、そもそも、そのような議論を出来る「場」なりインフラの構築も必要だと思います。

 vaio | 2010.10.02 20:10

もえおじ さん、見事な行財政の問題をコメントいただきありがとうございます。
行財政改革はこれまでも散々言われてきたことであり、みんなの党の渡辺さんや民主党の小沢さんが、なかば公約として訴えてきていますが、例えば民主党政権が出来たからといって、これといって行財政改革が進んでいません。
事業仕分けで注目はされましたが、実行できたのは予定していたものに程遠く、さらに菅首相を見ていると行政に丸め込まれたように見えます。
このように、政権交代したからといって、簡単には行財政改革が行えないところが、官僚の特権構造の根深いところであり、そこに切り込まない限り国の借金問題は解決しないことは明白です。

 三島・松岡 | 2010.10.02 20:13

確かに国の国債発行が800兆だと喧伝され、大衆を不安にさせるような報道をよく見ますが、結局その借金が誰がどこに借りて、それが何に使われているのかが非常に見えにくいものになっているように思います。
それ故に、大衆は何も考えられない(考えない)ままに消費税増税やむなしといった空気に流されてしまうのかもしれません。
しかし、それによって国税を掠め取る特殊法人や行政の無駄が見過ごされたままでは特権階級の思うがままです。やはり我々国民が当事者意識を持って国家財政に注意を払っていくことが必要です。

 ヨモギ | 2010.10.02 20:14

記事にもありましたが、国の借金がいくらあるということが問題ではなくて、借金のできていく構造を考えることが本当に重要だと思います。また借金の数字だけに騙されて増税を解決方法の1つと惑わされないようにしないといけないと思います。
でも何も知らない人が実際に急激に増えていく国債残高のグラフや数字を見せられると、増税をやむなしと思ってしまう気持ちが分からなくもありませんね。。。
余談ですが、画像のインフレ率2億3100%!!想像がつきません。。。

 ひるあんどん | 2010.10.02 20:16

借金863兆円という膨大な金額よりも、国が借金してまで支出していることにより、楽して儲けている人たちがいることを考えなければならないと思います。

 もえおじ | 2010.10.02 21:22

>皆さんのご指摘は、次の問題に関連しているのではないでしょうか?
「国の借金800兆円」に関連して、財政再建とは別の、避けて通ることができない課題が2つあると思います。 それは、デフレ経済克服、及び、税制改革の問題です。
(1)「失われた20年」のデフレ経済が、日本の累積財政赤字問題を深刻にした一つの大きな要因です。 もし、他の先進国と同様に1990年から20年の間に年率4%近くの名目成長をしていたと仮定すれば、現在の日本のGDPは900兆円を超えており、国の借金800兆円は危機的問題ではないはずです。http://philnews.seesaa.net/article/155723935.html
(2)日本では、非生産的で寄生的な富・過剰な富・裏社会の富に対する課税を怠っています。 例えば、パチンコ業界、風俗産業、性産業などを含む裏産業の富に対する課税が適切に行われていません。 また、富裕層に対する減税(累進化税率の引き下げ、相続税・贈与税の引き下げ)分が、そのまま借金の増大につながっている可能性があります。  http://sun.ap.teacup.com/souun/126.html
(1)(2)の問題に手を着けずに消費税値上げに走れば、失われた20年は「失われた30年」になる可能性が高いです。

 日本を守るのに右も左もない | 2010.10.04 14:22

尖閣問題の背後(2)〜断末魔のD.ロックフェラーVS止めをさせない欧州勢との膠着状態?

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