2007-09-02

りそな疑惑の必読本!

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発行   2007年8月3日
著者   植草一秀
著書   知られざる真実−拘留地にて−
発行所  株式会社イプシロン出版企画

株価操作を行なって売国行為に至る一連の疑惑。
りそな疑惑に対して命をかけて追及する「植草一秀氏」が最新著書を出版!
ネットでも複数のブログで紹介されている注目書籍ですが、ようやく手にすることができました。
マスコミ・メディアの偏向報道や、植草氏の人物像、なぜ痴漢容疑で逮捕されなければならなかったのか?詳細に記述されており、是非読んで頂きたい書籍です。
その中より「りそな問題」につき、その背景と手順について引用を中心に纏めさせて頂きます。

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<背景>
・2002年9月に竹中氏が金融相を兼務。
「日本の大銀行が大きすぎるからつぶせないとの考え方を取らない」とマスコミに発信したため、市場は政府が大銀行破綻を視野に入れたと判断し、株価暴落の原因になる。
・当時の銀行にとって自己資本比率は死活問題だった。達成基準は国際基準8%、国内基準4%だったがほとんどの銀行の自己資本比率が8%を割り込み、国際業務から撤退した。保有株式含み益の45%が自己資本に組み入れられていたが、株価暴落によって自己資本比率が急低下→不足に直面した。
<手順>
・そういった状況の中で突如、自己資本比率を大幅に低下させるルール変更が竹中金融相より提案された。
りそな銀行疑惑のポイントである「繰延税金資産計上の短期化」だ。
※銀行は融資先企業の倒産に備えて「貸倒引当金」をあらかじめ積み立てる。この「引当金」は損金と認められずに課税対象になる。だが、事後的に融資先が倒産し、実際に焦げ付いた段階ですでに納付した税金がその時の納税額から差し控えれる形で還付される。
将来還付される税額をあらかじめ自己資本に計上するのが「繰延税金資産」である。
・2002年10月、竹中金融相は当時の会計ルールだった5年間の繰延税金資産計上の期間を短期化させる案を、わずか3週間で結論を出し、2003年3月期決算から適用する案を公表しようとした。
だが、このときは銀行界や自民党からの猛反発で実現できなかった。
・そのリベンジのためにいけにえにされたのが「りそな銀行」
りそな銀行の頭取が小泉政権の経済政策を批判していたことが最大の理由だった。
・一度失敗した竹中金融相は実質的な会計ルール変更に向け公認会計士協会に行動を仕掛ける。この時の協会会長は一回目の失敗の際に盛り込まれる予定だった竹中金融相主催の「金融再生プログラム」のプロジェクトチームメンバーだった。
・監査を受嘱していた新日本監査法人は、りそな銀行の繰延税金資産を5年でないし3年とする案を決定し、5月6日にりそな銀行に伝えた。繰延税金資産3年計上はりそな銀行の自己資本比率が4%を割ることを意味した。繰延税金資産5年計上を前提に3月末を超えたりそな銀行にとって、この時期に指摘を受けても銀行になんの手立てもない。
3月末を過ぎてからの通告は「謀略」ともいえた。
→新日本監査法人の前は朝日監査法人が監査を受嘱していた。その朝日の会計士が自殺。繰延税金資産5年ルールの変更に反対の意向を示したのではないかという説がある。
・繰延税金資産「3年」という数字に鍵がある。
0か1年の場合
りそな銀行の自己資本比率はマイナスに陥り、破綻処理された。金融恐慌に突入
4か5年の場合
他の銀行と同等に自己資本比率4%基準を満たした。
3年の場合
自己資本比率は2.07%となり、4%の基準を満たさないが債務超過ではなくなり、預金保険法第102条第1項第1号措置の「抜け穴規定」を適用できる。
その中身は、銀行が自己資本比率基準を達成できなくても、自己資本がプラスの場合には公的資金で救済される規定。
・当初の「退出すべき企業を市場から退出させる政策」は消滅し、上記規定によりりそな銀行は救済された。実施されたのは経営陣交代と1兆9600億円に上る公的資金の注入。それにより自己資本比率は一気に12.2%に上昇した。
→自民党の機関銀行と化したことを暴露した朝日新聞記事が掲載される前日に同紙の敏腕記者が自殺。
・尚、りそな銀行の社長は2003年6月11日の衆議院財務金融委員会で「3月の増資の際に自己資本比率6%台半ばを目指していると監査法人にも相談した。その際に監査法人から繰延税金資産を厳しく見るという指摘があれば、増資を考え直した」と証言している。

決算を終了した後になって、会計ルールを変更する手口は卑劣極まりない。
影で権力を濫用した常識外のルール変更が行なわれていた実態に驚く。
唐突に出てきた繰延税金資産5年の短期化だが、初期の時点で既に竹中氏を筆頭にアメリカからの圧力がかかってのモノと思われる。
なにより、こういった事実が隠蔽され、都合の悪いモノは消滅させる、国家とマスコミの癒着体制がヤバイ。
植草氏始め真摯に日本の将来を心配する方々が発行する書籍、ブログなどを今後も注視していきたい。

List    投稿者 wabisawa | 2007-09-02 | Posted in 02.日本の金貸したち1 Comment » 

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コメント1件

 schweiz hermes | 2014.02.02 11:39

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