2015-04-01

天皇という力の正体とは?(8)~仕組まれた太平洋戦争

前々回の記事で、満州にとどまらず中国に手を伸ばしたことが、日本を太平洋戦争に追い込まれてゆく根本原因になったと書いた。

一方、米国も日本との戦争を望んでいた。そして、日本が米国と戦わざるを得ないように追い込んでいき、真珠湾攻撃という、あたかも日本が突如、奇襲攻撃を仕掛けたような事態に持っていき、米国民の戦意を喚起した。つまり、太平洋戦争は米国が仕組んだ。

今回は、このことを示す各要人の発言を『天皇財閥 皇室による経済支配の構造』から紹介する。
pearlharbor

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■日本を追い詰めた「オレンジ計画」

まず、なぜ日本は大国アメリカに対して無謀な戦争を仕掛けることになったのか。開戦時の国務大臣兼企画院総裁の鈴木貞一の発言が紹介されている。

 ひとは「無謀な戦いをした」と、「物がたりないのにいくさした」というが、僕からいうと、物がたりないから戦争になった。経済封鎖をくらって、だんだん詰まってきて追い詰められて窮鼠猫をかむという、そういうような状況ですね。
 (─あの場合「開戦か臥薪嘗胆か」ということだったようですが、「臥薪嘗胆」は現実的にはないということですか…。)
 それは開戦か屈服かですよ。臥薪嘗胆は不可能ですよ。それはまるで飯を食うこともできないし、生産もできない、ひどいことになってしまう。何年も続けられるものではありますまい。
(『昭和史への証言3』二二七ページ)

オレンジ計画とは、真珠湾攻撃以前から米国で開始された対日戦争計画であり、日本の中国侵攻で利権が冒されたと判断した米国が立てた日本殲滅計画である。オレンジ計画の研究者エドワード・ミラー著「日本経済を殲滅せよ」には、こうある。

 ローズヴェルトは、日本に対する報復として金融制裁を考えた。アメリカは日本の主要な貿易相手国であり、日本は国際貿易の大半をドルで決済していた。また、軍事物資を輸入するために、日本は中央銀行である日本銀行の準備金の金をアメリカの財務省に売却して資金を調達していた。しかも財務省は、一九三〇年代当時、金の大手の買い手としては唯一の存在なのだ。
(『日本経済を殲滅せよ』三六ページ)

※ローズヴェルト=ルーズヴェルト

■日本との戦争を望んでいたルーズヴェルト
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この金融制裁は、単に日本を困窮化させるためだけのものではなく、戦争へと日本を誘導する手段だった。

 太平洋戦争が、アメリカの計画的な策略であることは明らかである。たとえば、一九八〇年に駐米大使を務めていた牛場信彦が、ジャーナリストの松本重治に語った、アメリカ国務省の高官からの話によると、アメリカが日本を戦争に引き込もうとしていたことは事実だという。松本重信『近衛時代』より引用する。

日米開戦直前のときのことを話していたら、彼(引用者註:米高官)が言うのに当時アメリカ世論としてはイギリス援助をどうしても肯定しないんだそうだ。うんと湧いてこないんだって。だから日本からアメリカを突っつかせて、それで、仕様がない、これでやっと戦争だ、という風にしなければ、とてもいかないというのでやったんだ、という。
(『近衛時代』下巻、一四四ページ)

しかし、このような見解は一般的には認められていない。なぜなら、それは「現在の戦勝国」の歴史から見れば「正統」ではないからである。敗戦国には、みずからの歴史を書くことは許されていないのだ。

第二次大戦中のアメリカ下院議員であったハミルトン・フィッシュも、その回顧録で同様のことを指摘している。

ハミルトン・フィッシュの回顧録では次のように書いている。拙訳にて紹介する。

ルーズヴェルトが日本との戦争を望んだのだ。(中略)
 戦争省長官ヘンリー・スティムソン、陸軍参謀長ジョージ・マーシャル将軍、海軍長官フランク・ノックス、彼らはみな熱烈な干渉主義者で、みな日本との戦争を望んでいた。スティムソンはまるで取り憑かれたかのように日本を嫌っており、ルーズヴェルトの戦争熱をよけいに駆り立てていた。(中略)
 幸運なことに、スティムソンは戦争省長官として詳細な日記を残していた。一九四五年に公開されたこの日記の、一九四一年十一月九日にはこのように書かれている。真珠湾攻撃の一か月前のことだ。 
「戦争に向けてすべては順調に進んでいる。みなそのことに自信をもっている。もうすぐ休戦記念日(十一月十一日)なのに、皮肉なことだ」
(『Hamilton Fish: Memoir of an American Patriot[ハミルトン・フィッシュ―一愛国者の回顧録]』九五ページ)

ハミルトン・フィッシュ自身、真珠湾攻撃が起きたときは、日本を非難する演説を行っている。しかし、のちにこの戦争が、実は「仕組まれたもの」であることが分かり、当時の政権を「裏切り者」として糾弾するのである。

もう疑いようがない。この刺激的な最後通牒は、日本をしてアメリカを攻撃させるために仕組んだものだ。ルーズヴェルトとスティムソンはこれを「戦争通牒」と呼んでいるし、「戦争の一歩前」とも言っている。一九四一年の十一月二十五日には、ルーズヴェルトは「戦時内閣」のための会議を招集して日本との関係悪化について議論している。
(『Hamilton Fish: Memoir of an American Patriot[ハミルトン・フィッシュ―一愛国者の回顧録]』九五ページ)

太平洋戦争は明らかに米国の誘導に日本が乗せられて起きた。日本をとことん締め付け、追い詰め、挑発し、先に攻撃させることによって、軍産複合体は米国民の参戦支持をまんまと獲得した。これが「Remember Pearl Harbor!」の内実だ。おそらく日本国内の有力者にも、軍を真珠湾奇襲へ扇動する米国の内通者がいただろう。欧米支配層お得意の巧みな謀略と世論操作である。

こうして日本は勝ち目の無い戦争に引き込まれ、東京大空襲と原爆投下を受けて敗戦、天皇は米国の用意した新憲法によって、強大な力を持つ財閥の頂点から「日本国の象徴」という曖昧模糊とした存在に転換してゆくことになる。

List    投稿者 tasog | 2015-04-01 | Posted in 02.日本の金貸したち, 08.金融資本家の戦略No Comments » 

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