2007-12-09

株式市場の仕組み 〜上場について〜

最近はこんなのも出てるようですが…


子供のうちから取り込む気満々です   il||li _|‾|● il||li
h-103_74048_1.jpg
▲『株トレーダー瞬』は株式投資を題材にしたアドベンチャーゲームだ。さまざまな情報から株価の推移を読み取りながら、ライバルたちと”トレードバトル”と呼ばれる株取引で戦うのだ。



 さて、株式市場で株券を売買できるようにする為には、取引所に上場しなくてはなりません。むろん、上場しなくても直接取引で売買することは可能ですがそれでは資金調達手段としては不十分です。直接取引きでは売る相手を探すのが大変だし、買った方も後々の売却先を自分で探さなくてはいけないのでは有効な資産になり得ず、購入に2の足を踏むでしょう。


 株式の市場には発行市場流通市場の2つが必要です。

 英語では発行市場を一次市場primary market、流通市場を二次市場secondary marketという。これは新しく証券が登場する最初の場所が発行市場で、一度発行市場を通過した証券が転々と売買される場所が流通市場である、という意味である。
 証券の社会的な機能としては、資金の調達機能や小口の資金を集めて大口の資金をつくりだす資産変換機能(資産の性格を変換する機能)が知られている。それが果たされているのは発行市場においてである。他方で発行市場が機能する上では、つまり証券の発行が成立する上では、流通市場が存在して証券の流動性(売買可能性)が確保されていることには大きな意味がある。流通市場が存在する証券の方が投資家にとっては流動性の確保が容易であり安心できるからである。(ウィキペディアより)

 「株券発行とは返済不要の借金をすることである」と言った人がいますが、そんなセリフが出てくるのも、発行市場・流通市場が確保されているからです。

 こうした2つの市場を成立させているのが株取引所であり、株取引所で売買を可能にすることを「上場する」といいます。


 では、会社にとって上場するとはどういうことなのでしょうか?メリット、デメリットを上げてみると…

にほんブログ村 経済ブログへ


●上場のメリット
①資金調達手段の多様化
②知名度、企業ブランドの向上
③信用力の獲得(上場審査)
④市場圧力による規律付け(コーポレートガバナンス)


●上場のデメリット
①敵対的M&Aの脅威
②短期利益を重視した経営姿勢
③情報開示、内部統制の義務付け
④事業戦略の露見(IR=投資家向け広報の必要)



 だいたいこんなもんでしょうか。

 メリットの側についてちょっと意見を言わせてもらうと、

 ①について、いくら「返済の必要のない借金」とは言っても、株主からは保有株に見合った配当が求められます。あの堀場製作所の社長も「金は上場するより銀行から借りられるのであれば、それが一番いい。銀行に払う4,5%程度の金利の方が、投資家から求められる配当より安いものだ。それが本質だと思う。自分も金があれば堀場の株式を全部買い取りたい。」と言ってます。特に最近進出してきている外資はキッチリと配当を要求するようです。

 ②、③については、ほぼ相関関係にあると思いますがここで上げている上場審査というのがかなり大変。資金も時間もかかります。ちなみに「ニューヨーク株式取引所」が世界一審査が厳しいといわれていますが、そこに上場を果たしている日本の企業は19社。最後(2006年)に上場を果たしたみずほフィナンシャルグループは対応に100億を費やしたとか。

 ちなみに国内で上場する手続きはこんなかんじ。
http://www.tohmatsu.co.jp/service/ipo.shtml
ipo.gif

 ④については、最近「コーポレートガバナンス」という言葉をよく聞きます。「企業統治」と翻訳されますが、企業の内部牽制の仕組みや不正行為を防止する機能をいいます。これと、コンプライアンス(法令遵守経営←これもよく聞く)が市場、つまり株主に監視されることによって機能するということです。なんか社員一同がむちゃくちゃ馬鹿にされてる気がしますが、株式会社の起源はかの東インド会社、「株主がほっておくと現地の社員は海賊化しちゃったり横領しちゃったりで大変だ(←事実そうだったみたいだが…)」という性悪説に基づいているのでしょう。


 こうして考えてみると、はたして株式上場によって得る資金や信用、経営の健全化等がデメリットを上回っているのかは難しいように思ってきました。結局は「会社は誰のもの?」(るいネット)という疑問につながってくるんだと思います。


 そういえば、米系投資ファンド「スティール・パートナーズ」がサッポロビールに対して社名変更を求めているそうです。サッポロの市場シェア低迷は、サッポロという地域名を企業ブランドに冠しているのが一因だとか(リンク)


91e71406536ba8a51878d519a300da08.jpg










 スティール・パートナーズもちょっと黙ってて欲しい。  (kato)

List    投稿者 kato | 2007-12-09 | Posted in 02.日本の金貸したち3 Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kanekashi.com/blog/2007/12/421.html/trackback


コメント3件

 経済ニュースゼミ | 2008.03.09 20:40

今頃言われても

 札幌生活 | 2008.05.10 16:33

温暖化が先かCO2が先か

地球温暖化の真の原因は判っていない。しかし、槌田敦氏の温暖化の脅威を語る気象学者たちのこじつけ理論を読むと、どうも私はCO2はその結果であり原因ではないと…

 wholesale bags | 2014.02.11 0:17

金貸しは、国家を相手に金を貸す | 地球温暖化CO2説を切る

Comment



Comment