2011-10-29

世界の闇の支配勢力から日本の支配史を読み解く 【歴史No.7 江戸時代は商人が創った?

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南禅寺三門ここに後で述べる金地院崇伝が奉られています。
「世界の闇の支配勢力から日本の支配史を読み解く」シリーズとして【江戸時代】に注目してきました。
その中で、一際目を惹くのが豪商達の活躍(暗躍?)ぶりです。
今回は、この豪商達に着目してみます。
●家康の江戸時代構想は?
天下統一⇒大名の力(武力⇒経済力)を抑止→幕府に富の集中
 ||         ↑          ↑     ↑
武力統一⇒   参勤 交代       貨幣統一・鎖国体制
確かに、家康の構想は実現した。
教科書的には、下克上の戦国時代が終わり、徳川長期政権を確立した。
実際には、商人(特に豪商)を台頭させてしまった。

天下泰平の世を実現するため、貨幣経済を浸透させ、大名への経済統制を行った幕府。
当初は狙い通り、大名の力を抑止することに成功します。
しかし結果として、何をするにも金のかかる時代となり、生産せず、差益で大きく稼ぐ商人階級が台頭してきます。

当ブログ2011年10月04日
これが実態であり、市場化の波に飲み込まれるように、江戸時代は経済社会を確立していく反面、台頭していく商人達が幕府を衰弱させていったと見る事が出来ます。
殆どの歴史事象に豪商が登場し、エピソードも武士の美談が散りばめられてはいるものの、豪商達のそれが多いこともこの証左でしょう。
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●商人の台頭は家康の誤算?
まずは、家康の執った政策を商人の視点で検証してみます。
 
1.参勤交代は商人を太らせた
参勤交代制度は、諸藩大名に相当な出費を課せます。かつ、その出費は江戸に落ちる。
天下普請なども、幕府の求めには応じたものだが、幕府に現ナマを献上するのではなく江戸の市中に支払われているわけで、この経済活動を取り仕切っている商人が太る。
加えて諸藩大名の消費部隊である妻子を江戸に居住させるので、「大名の消費主体」=「商人の商売相手」を江戸に集合させてくれた政策と言っても過言ではない。
世界的に見ても宮廷サロンに集まる貴族を相手に商売をする商人は数多いるが、その貴族を一箇所に集めてくれる政策を見た事は無い。
・・・・・商人にとってはこれほどおいしい政策は無かった?
 
2.統一貨幣経済は蔵、問屋、両替商を必要とした。
統一貨幣経済になると、諸藩大名、幕府は集めた年貢を必ず貨幣に替える事になる。
要するに、蔵に預けて問屋に卸すわけで、ここでも商人が儲かる仕組みが出来上がる。
江戸で幕府が蔵、問屋を仕切った史実も有るが、これも一時的で有り、大阪では豪商が江戸初期からこれを担っている。
「天下の台所」と呼ばれるように、全国の産物は大阪に集約され、ここから江戸に送られる流通システムが出来上がった。
消費都市「江戸」での消費は、そのまま商人たちの売り上げになる構造で、幕府が運上、冥加金を集めたところですずめの涙であり、江戸時代の経済成長は商人達を太らせたのである。
加えて、江戸は金貨、大阪は銀貨という仕組みも両替商を必要とする不思議な仕組みで、これも偶然と言っていいのでしょうか?
・・・・・やっぱりおいしいのは商人
3.鎖国体制
「江戸時代は鎖国体制では無い」
実際は朱印船貿易を始め、特権を商人に与えて貿易をさせていたのであって、これも商人達の意のままに施策されたと疑わざるを得ない。
このほかにも、海運都市、大阪は歴史的に豪商が尽力して水路を切り開いたなどとの美談も聞かれるが、実際は開発の見返りに、朱印・糸割符などの特権割賦、酒造や興行の権利、年寄り役の任命、などを得て商人たちは成長していった。(←水路開発の実態は現代のデベロッパー。金を集めて水路、海運事業を行いその権利や周りの土地を売り払うと言うもの。)
こうして家康の政策を俯瞰するとその結果は、武力支配体制から経済支配社会への転換であり、「米本位制」から「貨幣経済」に移行する中で、武士(幕府+大名)<商人を現実のものとした。
「大阪の豪商ひとたび怒って天下の諸侯懼れるの威あり」(蒲生君平)とまで言わせている。
最盛期の鴻池は「大名貸し」と呼ばれる、藩主顧客の金貸で、年商が幕府財政に匹敵するまでに成長したように豪商達は、経済界はおろか政治界にも大きな影響を与えていった。
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越後屋お主もワルよのう!!・・・・・この結果は果たして家康の描いたものなのでしょうか?
では、どうして家康はこれほどまでに商人に都合の良い政策を展開したのでしょうか?
●商人無しに天下統一は実現しなかった?
そもそも商人は、戦国時代以前から暗躍していた。
会合衆と呼ばれる、商人たちは室町時代からその歴史を持つ。
織田信長は彼らに軍資金拠出を強要し、言う事聞かなければ「皆殺しにするぞ!」と脅し、豊臣秀吉も商人を利用しながら天下統一を図ったが、統一後は相当に無理強いをした。
例えば、秀吉は「天下の台所」大阪の基盤を構築したと言われる。この事業も商人を利用して実現し、大阪を繁栄させたが、晩年の秀吉は秀頼の将来保身の為に、大阪城の堀を広げ続けた。このたびに大阪に集まっていた商人達は、配置換えを余儀なくされ、振り廻され続けた。
ところが、江戸時代に入り家康は、伏見商人(京都三大豪商:角倉了以、茶屋四郎次郎、後藤庄三郎)を大阪に呼び、大阪の陣で廃墟となった大阪を立て直させたと歴史的には語られているが、これは怪しい見解である。
琵琶湖の水路を中心にした陸路から、西回り航路を中心とした海運に流通システムが移ると同時、若しくはそれを見越して伏見商人が大阪に進出してきたと考える方が自然で。これを家康は許したのである。
これは歴史的に見て、信長の天下統一が商人の調達した鉄砲によるものである事は有名である。
信長、秀吉、家康、と覇者交代の戦を重ねるたびに商人(武器商人)の戦(いくさ)における影響力が大きくなっていく事を示しており、戦国時代最終の家康は、もはや商人の後ろ盾が無ければ天下統一できなかったのではないでしょうか?
信長の時代から、堺の豪商「今井宗久」「三好三人衆」など、武器商人として暗躍し、天下に影響を及ぼしていた事を考えると、その覇権争いの最終勝利者の徳川家康は、最も商人の影響を受けていたのは当然なのかもしれません。
市場経済の拡大により、武力>経済力から、武力<経済力に転換していく中では当然の成り行きなのでしょう。
●江戸時代は誰が作ったのか?
幕府の組織を金地院崇伝、淀屋、後藤家らに作らせたとの説がある。
家康が彼らに幕藩体制の構築を指示したとも言われている。
禁中並公家諸法度、武家諸法度、諸宗本山法度、などの法律を始め、先の鎖国体制、参勤交代、統一貨幣制度などが彼らの手によるものだとするならば、その後の商人優位の社会は納得できる。
実際、江戸金座の後藤庄三郎、京都銀座の淀屋は有名で、その他多くの金座、銀座は商人が取り仕切っていく。
後の銅山も住友家が、開発から管理までを担っていく。
幕府の成立時から、商人たちの手で「市場経済」へと導かれていた可能性が高い。
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いきなりの「あずみ」ですが、この物語はまさにこの時代。あずみは金地院崇伝と共に江戸を作った南海坊天海に仕えていた。
江戸中期1700年に入ると、幕府は淀屋を「けっ所処分」(所払い、財産没収)にする。
現代で例えると、政府がトヨタをいきなり倒産に追い込むようなもので、その原因や経緯は不明点が多い。
その後も、同様の処罰が行われているが、財政改革などの見せしめとしての意味しか持たず、次々と興ってくる数多の豪商の力を抑える事はかなわなかった。
寧ろ逆に、彼ら豪商の力無しには社会が成り立たなくなった事を裏付けたような歴史の一幕で為政者の悪あがきのようにしか見えない。
時代は完全に「経済力<武力」に転換していた。
江戸創生期の登場人物達が、どこまで見通していたのかは定かではないが、家康の泰平統一国家志向と、豪商達の意図がせめぎあっていたようだ。
戦国時代から江戸に至る歴史上、千利休、今井宗久を始めとする、僧、豪商(宗教と商業はとかく密接)の暗躍ぶりは注目に値する。
加えて、海外からの影響も垣間見えてくる。
例えば、こんなエピソードがある・・・・・・
この時代を駆け抜けた蒲生氏郷という大名がいる。利休七哲の一人でキリシタン大名。
信長の女婿でもあり、その後秀吉に仕え、家康幕府下においても活躍している。
彼は欧州の産業振興や都市計画にも通じていて、貿易、事業、政策にその成果が現れている。会津若松城下は彼の影響を受け、城下貿易都市としての完成度が高い事が知られている。
この蒲生氏郷を始めとするキリシタン大名達が、既に欧州から多くを学んでいたのと同時に、商人たちも欧州に渡り、宣教師などを支援していた。
豪商達の意図は江戸時代を駆け抜けていく。
欧州勢力の意のままにとは断定できないが、大きな影響を受けていた事は間違いない。
江戸時代の初期に、国内の銀は殆ど欧州勢力に流れている事実を踏まえると、豪商達が欧州勢力の影響を受けていた可能性は大きい。
家康は、欧州勢力の先鋒である豪商達に囲まれながらも、何とか国家統一、長期泰平国家を実現したと考えるのは、いささか、行き過ぎでしょうか?
江戸創生期に豪商の暗躍とは裏腹に家臣団の活躍が語り継がれていない事もこれを裏付けており、「家康は孤軍奮闘何とか国をまとめた」といったところではないか?
次回、江戸時代の成立過程を構造的に整理していきます。お楽しみに!!

List    投稿者 gokuu | 2011-10-29 | Posted in 02.日本の金貸したち7 Comments » 

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コメント7件

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