2011-10-23

エネルギー市場はどうなっている?(7)〜アジアのエネルギー市場を狙うロスチャイルド

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(石炭:画像はこちらからお借りしました。)
石炭と言えば一昔前のエネルギー と言うイメージが強いが、現在も世界のエネルギー消費の3割は石炭で賄われており、重要なエネルギー資源 となっている。日本においてもエネルギー消費量の1/4は石炭で支えられており、決して無視できない存在です。
 
 
今回はダークホース=石炭の市場構造について見ていきます。
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■石炭はアジアでの消費が拡大中
 
 
シリーズ第2回で扱った石炭の概要を引用します。
 

石油が登場する20世紀初頭までは、石炭が燃料として使用されていた。石炭の埋蔵量は130年分以上とも言われており、価格も安定しているため現在でも石炭は一次エネルギーとして全体の34%を占めている。固体のため、運搬や貯蔵は石油よりもコストが掛かる。したがって、地産地消が基本形態となる。2008年の世界全体で年間石炭生産量は約67億8000万トン。2007年発表の数字では、世界全体で、8575億トンの埋蔵量があるとされており、約127年分の埋蔵量となる。
シリーズ第2回より

 
では、石炭はどこの国で採掘され、どこで消費されているのだろうか?
まず世界の石炭採掘国と消費量の関係を見てみます。
 
 
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 石炭採掘量と消費量トップ15(億トン、2009年)(こちらよりお借りしました)
 
1位の中国の消費量が2位のアメリカの3倍以上となっているのは、中国国内で自給できる石炭で急増する国内発電需要をまかなっており、国内消費エネルギーの約70%を石炭に依存しているからです。世界の石炭生産量の約4割を中国が消費していることになります。国内最大手企業は神華能源と中煤能源の2社の国営企業が行っているようです。
 
 
2位のアメリカの国内最大手企業はPeabody Energy(ピーボディー・エナジー)。民間企業としては世界最大の石炭生産企業。米国内石炭最大手であり、米国の総発電需要の約10%、世界の2%の石炭を供給している。もともとは、モルガン商会傘下の企業で、ロスチャイルド系企業です。国内2位もロスチャイルド系のリオ・ティントが供給しており、アメリカの石炭市場はロスチャイルドに押さえています。
 
 
ヨーロッパでの石炭消費量を合計すると約1.5億トンあり、輸入量としては日本と同規模の石炭市場が存在しています。この市場へは、ロシア及び・南アフリカから供給しており、南アフリカではロスチャイルド系企業のエクストラータやBHPビリトンが資源を握っています。
 
 
次に、アジアの情勢を見てみると、、、
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石炭輸入量トップ15
(画像はこちらからお借りしました。)
 
 
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  中国のエネルギー消費量(2009)   インドのエネルギー消費量(2009)
 
これは世界全体における輸入国ランキングですが、そのトップはアジアに集中しているのがわかります。また、輸出量は9億トンと貿易市場に出回るのは生産量約67億8000万トンに対して13%程度です。
 
 
日本・韓国に加え、近年中国とインドが台頭し始め、エネルギー消費がどんどん拡大しています。つまり、日本・中国・韓国・インドなど石炭大量消費国が密集するアジアの石炭市場を握ることでアジアのエネルギー市場を押さえることができる状況にあります。
 
 
以上の状況をまとめると以下のような状況となる。
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世界の主な石炭貿易(2008年見込み)
(画像はこちらからお借りしました。)
 
 


■オイルショック後、リスク分散としての石炭化

2回のオイルショックを経て、80〜90年代には世界のエネルギー市場の中で原子力の占める割合が増加し、ロックフェラーの石油利権が次第に弱体化してゆく。
シリーズ第6回より引用

 
 
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一次エネルギー国内供給の推移
(画像はこちらからお借りしました。)
 
 
オイルショック後、安定的なエネルギー確保として、原子力・天然ガス利用に方針転換すると
同時に、石炭利用が進みます。その結果、日本のエネルギーは石油依存から多様化が進み、石油の比率を7割から4割に抑え、他のエネルギーに移行を図ってきました。現在の石炭輸入量はオイルショック後2倍に拡大しています。
 
 
では、アジアのエネルギー市場は誰が押さえているのでしょうか?
 
 


■アジアのエネルギー市場を狙うロスチャイルド
石炭鉱山のあるオーストラリア・南アフリカ・アメリカの資源企業を押さえているロスチャイルドは、アジアの石炭消費拡大を見込んでアジアの石炭資源を手に入れるべく画策しているようです。昨年末から、石炭輸出量においてオーストラリアに次ぐ2位のインドネシア石炭企業バクリの買収が進んでおり、つい先日のニュースで、ロスチャイルド系企業グレンコアがバクリの買収をほぼ確実にしたようです。
  
以下に、ニュースの引用です。
(以下のニュースはこの1年で相手企業に入り込み、買収する過程がよくわかります)
2010年11月 
ロスチャイルド家次期頭首と言われているナサニエル・ロスチャイルド氏が、インドネシアの資源企業バクリに、イギリス市場上場の話を持ちかけ、自身の企業と株を持ち合うことでイギリス上場に成功する。

インドネシアの資産家で政治家のアブリザル・バクリ氏とその兄弟が率いるバクリ・グループは16日、ロスチャイルド氏の出資によりインドネシア最大の炭鉱会社が誕生する計画を発表。
『ロスチャイルド氏とインドネシア富豪の提携、石炭ブームをけん引へ』より引用

2011年1月
ナサニエル・ロスチャイルド氏が持つスイスの資源企業グレンコアの業績が、伸びることを示唆している。

1月6日(ブルームバーグ):投資家のナサニエル・ロスチャイルド氏は5日、インタビューに応じ、新規株式公開(IPO)を検討している商品取引最大手、スイスのグレンコア・インターナショナルについて、オーストラリアのBHPビリトンや英豪系リオ・ティントなど世界の大手鉱業企業と肩を並べる水準まで成長する可能性があると指摘した。
『商品取引大手グレンコア、BHPのライバルにも−ロスチャイルド氏 』より引用

2011年11月
インドネシアの資源企業バクリの経営を悪化させ、グレンコアによるバクリの買収が成立する。
つまり、この1年弱という短期間で、資金獲得手段としてバクリにイギリス市場への上場を持ちかけ自分の土俵に乗せ、株を株を暴落させ資金源が途絶えたところで買収に成功。

経営不振に陥ったインドネシア財閥のバクリ・グループ救済に向け、資源商社大手2社が数億ドル規模の融資交渉に入った。(中略)グレンコアと取引経験がある銀行関係者の1人は「いかにもグレンコアらしい」と評する。同社の関心はバクリ株にあり「底値買いを狙っている」と指摘する。
『バクリ株の底値買い狙うグレンコア』より引用

インドネシアは石炭大量消費国である中国・インドに近く、立地的にも最適な場所を手に入れたロスチャイルドは、今後もアジアの石炭市場独占を進めていくと考えられます。


■まとめ
石炭市場はその産出量のほぼ9割は現地国で流通し消費されるが、残り1割の貿易市場では、大鉱山のあるオーストラリア・南アフリカ・アメリカなどの企業をロスチャイルドが握っています。さらに、昨今のアジア市場の需要拡大を見込んで、アジアでの石炭輸出の拠点としてインドネシアの石炭企業を手に入れました。
 
 
石炭利用が確実に伸びていく中国やインドに対しても、エネルギーを握ることで、アジアに対する支配力を強めていくというロスチャイルドの戦略が裏に透けて見えます。
大きく見れば、石炭市場は、今後もロスチャイルドによる支配が続いていくと考えてよいでしょう。

 
 
これまで、各エネルギー毎に市場構造を明らかにしてきた。
次回はこれらを踏まえて、世界的な視点で見ていきます。
 
 

List    投稿者 no.923 | 2011-10-23 | Posted in 06.現物市場の舞台裏No Comments » 

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